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Jackson Browne の「Late for the Sky 」#14

「歌ってみた」のドラム版「叩いてみた」新シーズンです。
前のはこちらです。
https://note.com/rakuda0321/m/mb92a10bdf23a
やってることは全く同じです。
ヤマハのEAD10でドラムを録音し、AIで音源のドラムを抜いて、録音した自分のドラムと差し替えています。
好きなアーティストや想い出の曲を叩いて楽しんでいます。

rakuda

想い出話は苦手
でも、歳をとると大切になる

映画パリタクシー

つきあっていた彼女をやっと忘れた頃、電話が鳴った。
「もしもし…」
(携帯のない時代、誰からの電話かわからなかったのが懐かしい)
「rakuda 君、おめでとう!よかったね。お祝いしてあげるから逢おうよ」
「もしかして〇〇さん?」
突然の電話に驚いた。
僕はフレッシュサウンズコンテストに、あるバンドの助っ人として参加、グランプリを受賞していた。

一瞬、ためらったことが受話器を通してわかったんだろう。
「嫌なの?もう元カノには逢いたくない?」
と笑いながら言った。


待ち合わせの場所に行くと、彼女が笑顔で「ひさしぶり」と手を軽く振った。
ちょっと大人っぽくなった彼女は可愛いから、綺麗になっていて、胸の鼓動が早くなった。

彼女が「最近、たまに行ってる」というカウンターだけの天ぷら専門店に入った。
つきあっていた頃、ふたりで行っていた店とは違う雰囲気に気後れしてしまう自分がすこし情けなかった。
彼女は屈託なく「よかったね」「おめでとう」を繰り返し言ってくれた。
杯を重ねるうちに、僕の心もほぐれてきて素直に話をすることができた。

彼女は僕がいつかは実家に帰ることを知っていた。
彼女は地元を離れられない。それも別れた原因のひとつ。
「実家に帰るなら早く帰ったほうがrakuda君の為だと思うし、そうすべきだよ」と言ってくれたのも彼女。
何度も何度も話し合って別れたのに、こうして彼女といると、まるでつきあっているような錯覚をしてしまう。

店を出た。
「今日はありがとう。ご馳走様、美味しかった」
「うん、美味しかったね。ちょっと飲み過ぎたかなぁ~」
と赤くなった顔をした彼女が言う。

「僕、引越ししたんだけど近くだから休んでいく?」
「え~~」
「だいじょうぶだよ。なにもしないし…」

彼女と付き合っていた頃は、まだ、風呂もないようなとこに住んでいたので、少しはマシになった部屋を僕は見て欲しかったし、もちろんふたりで、もうすこし一緒にいたかった。

「じゃ、じゃんけんしてrakuda君が勝ったら行く」

僕が勝った。

遅出ししたのに彼女はなにもいわずついてきた。

「わ~~、私もこんな綺麗な部屋で一緒にいたかったなぁ。お風呂もある」「今一緒にいるじゃん」
「今は彼女じゃないし。rakuda君、今つきあってる人いるん?」
「いない。〇〇さんは?」
「ひみつ 笑」

別れてから今まで、何を考えて、どんな風に過ごしていたのか。
お互いのことを語り合った。時間が足りない夜だった…

言葉はすべて語り尽くされた
それでもなぜか気持ちはすっきりしなかった
だから僕たちは夜通しずっと続けた
初めから足あとをたどりながら
すべてが消え去るまで
どうして生活が二人をそこへ導いたかを理解しようと
君の瞳をじっとのぞき込むと
そこにいたのは、僕が知ってる誰でもなかった
とても虚しい驚き
とても孤独を感じる

今の僕には、言葉は楽に出てくる
だけど、それらはたいした意味がないのはわかってる
恋人たちの触れあいで交わすものに比べれば
君は知らなかった、僕が君の何を愛していたか
僕は知らない、君が僕の何を愛していたか
たぶん君が僕に望んでた誰かの偶像だったのかも
また目が覚めた、僕には欺けない
そして一人に気づき
そして終わりに近づく
二人で分かり合った気持ち
どれくらい眠っていたのだろう?
どれくらい夜を一人で漂っていたのだろう?
どれくらいやり直せると夢見ていたのだろう?
もし僕が目をつぶり、精一杯努力したら、
君に必要な男になれたのかな?
また目が覚めた、僕には欺けない
そして一人に気づき
そして終わりに近づく
二人で分かり合った気持ちの
どれくらい眠っていたのだろう?
どれくらい夜を一人で漂っていたのだろう?
どれくらいあの朝の逃避行のために走っていたのだろう
囁く約束や電球を変えることを繰り返し
二人が寝たベッドで
空へ向かえずに

Late for the Sky
洋楽和訳 若者に捧げたい名曲より

よかったらお時間がある時にでも聴いてください。