Billy Joel の「Just the Way You Are」#29
学生バンドを組んでいた時、自称広報、K藤がH女子大のバンドのコーチ(?)というか練習を見て意見を言う、簡単にいうとクリニックです、そんな話をもってきた。
当時、広島では大学生のあいだで、ロック連盟なるものを結成していた。
バンド間の交流を目的していたものだ。
お互いのLIVEに行ったり、情報や意見交換したり…
うちの奥様の代には合宿もあったそうだが…むむ、下心を感じる。
ロック連盟への加入は自由だ。が、女子大のバンドはコンサートのやり方、機材の調達みたいなのが苦手なので、ロック連盟を頼りにする。
特に、PA研究会などをもってる大学は人気が高い。そんな中、うちのバンドにクリニックを依頼してくるなんて、K藤おそるべし、よくやった!
クリニックをしてもらいたいという曲が、ビリージョエルのJust the Way You Areだった💦💦💦
どひゃ~~ん、難しいじゃん。
こんな曲、初心者(らしい)が演りたいって言うなよと思ったrakuda。
そして、rakudaはじめ、各々この曲Just the Way You Areのコピー、練習に励み、ついにH女子大のクリニックに行く日がきた。
集合場所…なんか、みんな、普段よりちょっとおしゃれな気がする。
口数も少ない。
冷静にみんなを観察するrakuda。
しかし、rakudaとて女子大に入るなんて大学祭以外では初めてであり、若干の緊張、ときめきは致し方ない。
目的の女子大は坂下のバス亭に駐車場があった。そこにはヤンキー達が彼女を迎えに来ているのか、あるいは軟派しようとしているのか?結構な台数のシャコタンが停まっていた。
ヤンキーとミュージシャンは当時、天敵であった。
僕達はヤンキー達を横目で見ながら多少の優越感をもちつつ門をくぐった。
rakudaはこのバンドを見た事がない。さて、どんな女子大生がバンドをしてるんだろう?
事前のK藤からの情報によるとキーボードの子がかわいい、ベースは○○に似ている、ヴォーカルには彼氏がいるとか・・・
K藤はすごいな、短時間にそこまで情報収集するなんてと感心した。
いやらしい目つきにならないように注意し、rakudaは「俺は、K藤に頼まれて、しかたなくクリニックに来ただけなんだ。面倒くさいなぁー」という顔で部室に入った。
が、なんか甘い匂いが漂っていて女性がたくさんいるというだけでrakudaは舞い上がってしまった。でもそこはさすが広報K藤。合コンを仕切るようにスムーズにクリニックへとすすめてくれた。
rakudaは今まで合コンをしたことがない。(現在67歳、今後、合コンの可能性は低い)打ち上げはものすごくしてきたが合コンはない。
合コンってどういう人がくるのかわからないワクワク・ドキドキ感があると思うのだが、まさにrakudaにとってはこれが合コンだったのではないか?
初めて会った人と気の利いた話もできないrakudaだったが、K藤が話をふってくれたりして和やかにクリニックという体の合コンは終わった。
そして何日かが過ぎ、クリニックの話も話題に上らなくなった頃。
K藤が「rakuda、お前の事、気にいった子がいるぞ。俺もあの子がすきだったのに!」と言うではないか!
K藤にはめられていると初めは疑っていたが、どうも本当のことのようで、半信半疑ではあったが、「誰よ?」と聞くとrakudaも「かわいいな」と思っていた子だったので思わずにやけるrakuda。
あまりしゃべらなかった(正確にはしゃべれなかったのだが)のが「優しそう」という印象を与えてしまったようだ。
人見知りと気の弱さがいい方向に解釈されたということですね。
しかしrakudaは「いやお前が好きだというなら俺はいいよ」と身をひいて男と男の友情を大切にしようと思った。勿論思っただけ。言っただけ。
そしてその後、クリニックが終ったら、彼氏のいる子は帰ったが、何人かで食事したりドライブしたりするようになってだんだん打ち解けていきrakudaはついにその子とつきあうようになった。
彼女は〇〇市、rakudaは〇〇市に住んでいた。ちょっと離れている。
当時は携帯は勿論、電話だってアパートにもなく、自分の部屋にあるわけもなく、公衆電話だけが頼りだった。
会ったばかりなのにもう声が聴きたくなるのが若い頃の恋だ。
彼女は、「これプレゼント」と言って10円玉がいっぱい入ったキャンディのびんをrakudaにくれた…