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わさび

通訳ガイドのぶんちょうです。外国人観光客にも人気のわさび。市場やデパートで本物を見かけると大抵びっくりします。「これが、あのワサビか!」わさびと言えば、我が家でももっぱらですが、チューブを連想してしまうのは外国人も同じなんですね。外国人は、Wasabi と言う言葉をほぼ全員知っていました。「さ」にアクセントを置いて発音します。

わさびの産地は長野、岩手、静岡がトップ3だそうです。わさびはデリケートで栽培には清流が必須です。酸素の多く溶け込んだ流水、水温は10℃から15℃位。直射日光にも弱い。様々な条件をクリアできる場所が少ないので産地も限られているのですね。

意外なところでは東京の奥多摩。こちらは江戸時代からの名産地だったそうです。そして、わさびの歴史も400年前の江戸時代にさかのぼります。グルメ家康はわさびが好物だったそうです。

お寿司にわさびを使うようになったのも江戸時代で、抗菌作用があることに経験的に気づいていたのでしょうか。

収穫までに1年から2年近くかかるというのも大変です。長野には、大王わさび農場がありワサビ田を見ることができますが、季節によって黒い覆いが一面にかけてあり、直射日光を防いでいます。この農場ではワサビアイスクリームやワサビビールやワサビコロッケなど面白いものが販売されています。

外国人には、なんとかキットカットが人気で、そのひとつが「わさびキットカット」でした。

ところで、わさびは根っこ(root)だと思っていましたが、正確には根茎と言って茎(stem)の一部のようです。根茎というのは、調べると英語では rhizomeと言うらしいですが、この言葉は難しくて使えそうもないです。

日本語でも「一見して根に似た外観を呈する茎」、なんだかよくわからない感じ。「根っこに見えるけれど実際は茎らしいよ」とこれからは説明することにします。

わさびのおいしい食べ方は、まず、ワサビの表面のでこぼこを包丁の峰側でそぎ落とします。鮫肌を使ったおろし器ですりおろします。細胞を細かく破壊することで辛味が引き出せるので目の細かい鮫皮が適しているそうです。これで「の」の字を書くように丸くすりおろすと辛味だけでなく香りもよくなるそうです。

切り口に砂糖を塗ってからおろすと、さらに辛くなるとアドバイスしてもらいましたが、よくわかりませんでした。

私のわさびの好きな食べ方はワサビ丼。本物のわさびのおいしさが直接味わえます。ごはんにおかかとすり立てのわさびを乗せて、泣きながらいただきます。

わさびは、すってから数分で香りが抜けてしまうので、なるべくすぐに食べることが重要です。ビタミンも豊富だそうですよ。

蕎麦にしても寿司にしても、そばつゆや醤油にわさびを溶かすと風味が抜けてしまうそうで、蕎麦に直接、または刺身に直接、わさびを乗せて食べるのがベストだそうです。通の食べ方なのかな。外国の方には、「ステーキにわさびを乗せて食べるのもおいしいよ」と教えてあげると喜ばれますよ。

タイトルの写真は伊豆、天城付近で撮ったわさびの写真です。


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