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【評価/感想】Marvel's Guardians of the Galaxy レビュー マーベルを知らなくても楽しめる。

初めに言っておこう、私はマーベル関連の作品について全く詳しくない。

PS4ゲーム『Marvel's Spider Man』はプレイしたことがあるので少しは知っているのだが、本当にその程度の知識しかなく、他にアイアンマンとかハルクといったネームのキャラクターが存在することくらいしか知らない。所謂「名前だけ知ってる」状態である。

しかし、そんなマーベルにわかな私でも今回レビューする『Marvel's Guardians of the Galaxy』は十分に楽しむことができたため、ここでこの作品の魅力を紹介していきたい。


まず、ストーリーは原作未見でも全く問題ない。その世界独自の専門用語、設定は最初こそ「???」となるが、プレイしていく内になんとなく理解できるようになるし、理解できなくともキャラクターの精神的な成長を中心としたシナリオであるため、万人に楽しめる内容となっている。

本作はプレイする映画という言葉が相応しいゲームだ。
シナリオをメインとし、そのシナリオの流れを支える役割としてゲームプレイが存在する。こういったゲームは特別珍しい訳ではないが、本作を個性的なビデオゲームとして際立たせている工夫がある。

それが「キャラクター同士の会話」だ。
これはどういうことかと言うと、例えばゲームプレイで目的地に向かうまでの移動中、キャラ同士が会話する。これ自体は他のゲームにもあるが、本作はその会話のボリュームが今まで類を見ないレベルで多いのである。移動中ずーーーっと会話しており、会話ネタが途切れることはほとんど無い。途切れさせるには、大量の会話が終わるまでその場で突っ立ってるか、謎解きに詰まって無駄に長時間過ごす場合くらいだろう。

しかし本作の謎解きは簡単であるし、次にどこへ行けばいいかの導線がリニアなレベルデザインであることもあってわかりやすいため、意図しない限りプレイ中に会話が途切れることはほぼないだろう。この会話は全編に渡って容赦なく差し込まれるため、常に新鮮な情報を与えられながらプレイできる。コメディチックな会話からシリアスな会話まで幅広く揃えており、尺が決まっている映画と比べてそうではないゲームだからこそできるキャラの深掘りが実現できている。大量の会話はキャラの魅力を掘り下げる上でかなり効果的に働いている。原作が存在するゲームは大体キャラゲーになると思うが、本作はキャラゲーとしては最高の出来ではないだろうか。



さて、次は本作の欠点について説明する。
上記に、

「次にどこへ行けばいいかの導線がリニアなレベルデザインであることもあってわかりやすい」

と書いたが、全てがそうではない。
次の画像を見て欲しい。

男の左側にある狭い道に注目

これは、赤いジャケットを着た男(主人公)のすぐ左側にある細くて狭い道を通ることでゲームが進行するのだが、この狭い道を発見することが意外にも難しい。黄色い線の床が視点誘導しているとはいえ、私はこれに気づけなかった。

これだけではなく、チャプター10の洞窟エリアでは視点誘導すら無い状態で、細くて狭い道を見つけなくてはいけないパートがあった。私はそこで10分近く待ち、バグかな?と思ってリスタートしたがバグではなく、非常に分かりづらくて素通りしてしまうくらい目立たない箇所に道があったのだ。

私はあまりにも長く迷ってしまったため、キャラは一切会話をしなくなり、常に皆無言というとても気まずい状況に陥り、悪いことをした気分になった。会話が途切れない本作で会話が途切れると、無言で責められているんじゃないかなんて思ってしまう。これはほんの少しレベルデザインをいじれば解決しそうな問題であるため、ここら辺が本当に惜しい。


また、チャプター13の戦闘機の不時着を操作するパートは擁護し辛い。主人公たちが乗っている戦闘機がダメージを受け、不安定な操作をしながら崖や岩に当たらないように不時着するパートがある。簡単に言えば、障害物に当たらないように移動する『イライラ棒』なのだが、戦闘機の故障が故に操作性が非常に悪く、やたら長い時間避け続けなければならない。バイオハザード4の終盤で、ボートに乗って岩を避けながら脱出するパートを結構長い時間やらされるようなもの、と言えばわかりやすいだろうか。
作中で最も死亡したシーンは間違いなくここであり、上達を感じることがないためストレスマッハな体験だった。


【総評】
本作は一部ストレスを感じるパートはあるものの、全体的に堅実なゲームプレイを提供してくれる。それだけでは普通のゲームだが、そこに大ボリュームの会話を乗せることで個性的な作品へと仕上がった。プレイする映画とでも言うべきシネマティックな体験は没入感があり、ついシナリオの続きが気になってしまう。私は原作を一ミリも知らなかったが、この作品をキッカケに映画版を観たくなったし、マーベル作品の入門としてうってつけの作品であるように感じた。現在Xbox Game Passに配信されているので、加入している方は是非プレイしてみては如何だろうか。勿論購入してプレイするのもアリだ。


【余談】意図的にゲームプレイ(TPS)について書くことを省きました。本作の最大の魅力は会話だと思ったので、そこに焦点を絞って執筆致しました。ゲームプレイ自体は安定してよくできたTPSです。


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