あるき、たちどまる、
朝、洗濯ものを干していると
ほんとうに緊急事態なのだろうかと思わせるほどに
暖かい陽気と鼻を刺すような花粉が
ここにいるよと主張してくる
否応なしにいやなことを考えてしまって
じぶんをだますかのように他のことに手をつけようとする
ただただ、ぼくは大丈夫と言い聞かすように
ただただ、ぼくはなってはいけないと言い聞かすように
去年から「こんな人生を送るとは」と思うことばかり。
人生というのはほんとうにうまくいかないもので
ただ、そんなうまくいかずにあがこうとするぼくを
「いまはあがいても無駄だよ」と諭す。
時の流れに身をまかせていくべきこと
一歩先のみちのりを探すために身をまかせてはいけないこと
すくなくともぼくのなかでは二つに分断されている
どうすればそのことたちが
やさしさを持っていけるのか考えて
大事にしていたい
やさしさについて考えている
夜明けをイメージするように
かなしみは胸の奥に焼き付いて
忘れることができないまま
(やさしさについて/夜ハ短シ)
味気ないやさしさを全員に薄くふりまくぐらいなら
だいすきな人 ただ一人を笑顔にできる無垢なやさしさを
ふんだんにふりまいていたい
やさしいことばでつむいでいたい
ふとしたときにたちよれるばしょでいたい
ぼくはそうでいたい
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