『水色の部屋(下)』

ゴトウユキコさんの『水色の部屋(下)』
2015年4月15日に発売されました。

元は太田出版の運営するサイトぽこぽこにてweb連載されていたものが去年の12月に単行本化(『水色の部屋(上)』)され、ついに下巻で完結です。
極力、ネタバレしないで書いてみます。

男子高校生・柄本正文は一つ屋根の下に2人で暮らす母・サホに屈折した愛情を隠し持っていた。そんな時にある事件が起こる。

まず一言で感想。

珍しく救われました。

この漫画、冒頭のシーンが最初の文字が

「母さんがレイプされた」
「僕の目の前で」

なんです。

はい、事件です。
そこからタイトルが入って、主人公正文が女の人の夢から覚めるとこらから始まります。

映画のような冒頭。

あとがきに、「暗い映画を見ているような漫画が書きたかった」とありました。
大成功です。

でもきっと、ゴトウユキコさんは優しい人なんだと思います。最後に救いがあったから。全員が全員、歪んでいなかったから。救われた。

上巻のラストで、私は絶望しました。
おい、正文、どうするんだ。と。
だからもう下巻、買ってから1日は読まなかったんですよ。

私は、ネオ似非サブカル女なので、もちろん浅野いにおさんの作品は全巻持っています。
『おやすみ、プンプン』はリアルタイムで1巻から買い集めていて、もちろん最初から、一筋縄でいく作品だとは思っていなかったけれど、どんどんどんどん堕ちていくプンプンを読みながら私は思っていました。ああ、もうプンプンはどうなっちゃうの。(そのうちデーモンズかプンプンの感想も書きたい)

『水色の部屋』の上巻にもそんな雰囲気がありました。

母サホは本当にエロい。すごい柔らかそう。エロい格好している訳でも、くそビッチみたいな行動してる訳でも全くない。あの人は生まれもってしまった自分のエロさを背負って生きていかなきゃいタイプ。だからこそ変な男を惹きつけてしまう。

正彦が母と寝ている夢をみてしまうのも、わかる。私は女だけど。

でも、母サホは、一貫して母親だった。
あの人は女じゃなく母親だった。
それが素敵だった。
お願いだから幸せになってほしい。

そんな母の優しい愛情と、息子の歪んだ愛情の結末、ぜひ読んでほしい。
それで語らおう。

構成も、とても上手で本当に映画のやうな作品でした。映画になるなら是非出たい。(役者の夢を捨てきれていないニート)

ネタバレしないで感想かくのって難しいな。

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