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  • マルサス『初版人口論』輪読ノート

    • 19本

    とある大学の経済学部のゼミで、マルサス『人口論』(光文社古典新訳文庫、斉藤悦則訳、2011)を輪読しています。このマガジンはその記録です。なお、写真は、マルサスが学んだイギリスはケンブリッジ大学の風景(コロナ禍前の2019年に撮影)です。

最近の記事

第17章

国の豊かさの正しい定義について(p236~p237l13)  国の豊かさの定義について二説がある。一つはアダム・スミスにより、国の豊かさは土地と労働の年々の生産物の交換価値である。もう一つはフランスのエコノミストにより、国の豊かさは土地の総生産物である。 フランスのエコノミストの定義に従えば国の豊かになれば労働者の収入も増加し、生活が改善されるが、アダム・スミスの定義に従えば、そうではないとマルサスが指摘した。別にアダム・スミスが間違ったのではなく、フランスのエコノミストが主

    • 第04章

      第4章では筆者の人口についての基準と二つの人口抑制法「マルサスは人口の大小を判定する場合の基準として、早婚か晩婚かは妥当ではない」と述べている。 文明国の状態(p56~p57L12)  遊牧民族の段階の次に人類は牧畜と農耕が混合する段階に入る。その混合の比率により、文明国が誕生する。 歴史上では大げさな言い方もあるが、フランス、イングランド、ドイツ、ロシアなどヨーロッパの主要な国の人口が前よりも増えていることは間違いない。なぜそれ[北方の未開民族の数]を大げさに述べるとい

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