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【ART#003】特別展 本阿弥光悦の大宇宙

東博はしごの2本目。本館から平成館へは、廊下続きで雨に濡れずに移動ができます。この日は雨は降っていなかったので、私としては花粉から守られて移動ができるということで、大変ありがたかったです。

特別展「本阿弥光悦の大宇宙」
会場:東京国立博物館 平成館
会期:2024年1月16日〜3月10日
音声ガイド:中谷美紀

「始めようか、天才観測」

サブタイトル…キャッチコピー?が、今回の展覧会のポップさを上げてますよね。

展示では、いきなりメインと思われる「舟橋蒔絵硯箱」がデデン!とあらわれました。私は過去に1度(2度かな?)見たことがあるのですが、せっかくなので今回は2、3周ぐるりと回りながら、あらゆる方向から見せていただきました。

見れば見るほど、独特なフォルム。破裂しそうな膨張感…私はタカアンドトシの昔の番組「フットンダ」の、大喜利でおもしろければ布団が吹っ飛ぶやつを思い出しました。

金地の輝きと黒い鉛の帯が、お寿司の玉子感があって、「おしゅしだよ」とのコラボグッズも販売されていました。(私もステッカー2つ購入)

グッズについてだと、硯箱のマスコットキーホルダーも、展覧会のポップさを上げてる要因だと思いました。でもよく知らないキャラクターのキーホルダー以上に、本当に分かる人にしか分からない、知らない人からしたら「これは何なの?」なキーホルダーで、可愛いと思いながらも、カバンに付けたりはしないよなぁと思いとどまり、購入には至りませんでした。

本阿弥光悦とは

琳派展に行ったことがあったり、鷹峯の光悦寺にも行ったことがあるので、もちろん知っている存在ではありましたが、知らなかったこともたくさんありました。

刀剣鑑定の名門家系の生まれ

徳川家から鷹峯の土地を拝領したというのは知っていたのですが、日本刀の目利きで徳川家以外の大名からも一目置かれる存在だったということを今回知りました。

日本刀の展示もありましたが、いつもと同じ感想…よく切れそう。

篤い信仰の人々との強い結束

いろんな職種の工人たちと繋がり、広範なネットワークを築いていったそうです。日蓮宗を篤く信仰していたのを今回の知って、妙蓮寺など改めて行ってみようと思いました。

総合芸術家の光悦

「総合芸術家」というのは、以前から何度も、光悦の名前とセットで目にしていました。家業だけではなく、書の名人でもあった光悦は、漆芸や陶芸、出版などさまざまな造形に関わったそうです。

光悦芸術の素晴らしさ

後半は怒涛の光悦作品の展示なのですが、楽茶碗にはかなり心奪われました。ろくろではなく、手づくねで形成し、ヘラで削り込んでいく、味がありすぎる茶碗たち。もし実際使ったら、唇とか指とか傷つくんじゃないかと思うくらいゴツゴツ?荒々しさがあって、それがよかった。

まず黒楽茶碗の「時雨」や「雨雲」、「村雲」などタイトルが素敵で、それがピッタリだなぁと思いました。その他の赤楽茶碗・白楽茶碗も素晴らしかった。今年中に、樂美術館に行こう。

光悦と俵屋宗達のコラボ作品と「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」も2度目まして、かな。ステンシル感のある鶴の連続の下絵に、平安時代までの三十六歌仙の和歌を光悦の書で配した名作。

紀貫之や小野小町の名前のところは、わかりやすかったです。

文字の配置、草書・行書、文字の大きさなど、リズミカルに感じる、これもデザインなのでしょうか。素敵。

晩年、手が震えながらも書き続けていた、というのも、それが残っていて作品として見られるのもすごいです。

琳派展だと、宗達や光琳のことのほうが、よく目に入ってきてたので、改めて光悦のことが知れてよかったです。



章構成など公式サイトを参考にいたしました↓


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