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三田美吹がスタプラフェスのシンデレラに選ばれた理由

前回の記事、早速の反響をいただきありがとうございます。

スタプラフェスも間近に近づき、やはりスタプラファンの注目度が高まっている証拠ですね。

さて今回はスタプラフェスのメインイベントである、

シンデレラ決定戦についてフィーチャーして書こうと思います。

前回、46人ものアイドルたちの中から、

見事シンデレラの座に輝いたのはCROWN POPの三田美吹さん。

前回のスタプラフェスでの彼女の活躍を振り返りながら、いかにしてシンデレラになりえたのか。

当時私が現場にて感じたこと、後に考察した結果を交えて書いてみようと思います。


三田美吹が当時置かれていた状況

三田美吹さん、そして所属するCROWN POPというグループは、

かつてスターダストプラネット(以下スタプラ)においては新参者でした。

元々スターダストの芸能3部のタレントが中心だったアイドルセクションに、芸能2部から途中加入。

なので昔からお姉さんグループとコラボすることも多かった、

他の妹分グループにくらべると知名度は低かったのです。

2018年の夏Sから本格的にスタプラとしての活動がスタート。

しかし2019年5月に開催された「ライブスタイルダンジョン」という、

スタプラグループ内のガチンコ対決イベントでは全敗してしまうなど、

なかなか存在感を示すチャンスが巡ってきませんでした。

三田美吹さん自身もまだまだ実力は発揮しきれず、

フジテレビNEXTのガチンコスターダストプラネットに出演した際には、

思うように歌えずボイトレ先生の論評に悔しさをにじませていました。

なのでスタプラフェス開催前の時点では、

CROWN POP三田美吹という存在は知る人ぞ知る存在だったのです。(恥ずかしながら、私も当日初めて名前を知ったレベル。)

そんな彼女が一夜にして観客の支持を集め、シンデレラに選ばれました。

まるで童話シンデレラをなぞらえるような展開は、一体どのようにして起こったのでしょう。


真剣勝負はオープニングアクトから

前回のスタプラフェスは12時開場、15時開演。

その間に8組の妹分グループがオープニングアクトを務めました。

普通のライブならばそれすなわち、本編が始まる前に開場を温めておく前座でしか無いのですが、

このスタプラフェスにおいては全く意味合いが違います。

全員がシンデレラ決定戦メドレーに出場する選手。

この時点から投票券を持つお客さんの目にさらされるわけですから、

ここで普段グループで活動する自分たちの姿を印象づけなければなりません。

そのことはお客さんも良く理解していたのか、

1番目の出演者が人気があるときめき♡宣伝部だったからかは解りませんが、

ライブがスタートした時点で、既に八割方客席が埋まっていました。

次から次へと登場するアイドルの気合の入ったパフォーマンスに、

会場のボルテージは常に上がりっぱなしだった印象が残っています。

そしてオープニングアクトの最後に登場したのがCROWN POPです。

実は、三田美吹さんがシンデレラ決定戦のラストナンバーとなっただけではなく、

事前配信で行われたオープニングアクトの順番決めのくじ引きで、

メンバーの藤田愛理さんが引き当てたのもラストナンバーでした。

開演時間直前、客席はほぼ満員。約1万人の観客の目が注がれる。

見えない大きな力が、まるで追い風を吹かせるかのような状況で、

CROWN POPのパフォーマンスがスタートしたのです。


1曲目「Boot!!!」

1曲目に彼女たちが選んだのは「Boot!!!」、

当時リリースイベント真っ最中の新曲を投入してきました。

普段のワチャワチャした彼女たちの印象とはかけ離れた、本格的なロック曲。

新曲ですし、アイドルポップスではないので、

コールが入れられず盛り上がりにくい欠点はあるものの、

荒削りながらも熱のこもったパフォーマンスは、確かに観客に響いていました。


2曲目「真っ白片思い」

私がこの日、確かに流れが変わったと思ったのがこの「真っ白片思い」からでした。

90年代のノスタルジーを感じさせる王道のウィンターポップス。

1曲目とは打って変わった、清楚で可愛らしい楽曲でギャップを見せていました。

キャッチーでシンプルな構成なので初見でもコールが入れやすく楽しい。

そして元々ダンスを売りとしていたCROWN POPならではの、

ダイナミックでありながら優雅なダンスが観客の心を掴む。

そしてこの辺りから、横浜アリーナにいる全観客が気づき始めました。

「何だか1人、飛び抜けて歌が上手い子がいる。」

楽曲の歌い出し、サビ、印象的なDメロなど、

この曲では三田美吹さんの歌唱力がいかんなく発揮されるパートが多い。

一気に観客の注目が彼女に集まり始めたのです。


3曲目「夏キラリ☆」

オープニングアクト最後に披露されたのは、

クラポの楽曲の中で最もファンが沸く「夏キラリ☆」でした。

夏Sなどでも披露され、印象に残っていた人も多いはずです。

実際、盛り上がりました。めちゃくちゃに。

コールもしやすい楽曲なので、勘のいいヲタの皆さんはすぐ合わせられる。

歓声がまるで、横浜アリーナ全体を揺さぶるかのようにうねる。

普段、百人単位規模の開場でライブをしているCROWN POPが、

1万人で埋まる横浜アリーナを完全掌握する奇跡。

この日、最初に私の鳥肌が立った瞬間でした。

そしてこの曲は、メインボーカルである三田美吹&里菜のソロで歌い継ぐ曲。

先程注目された彼女の歌唱力がますます引き立ち、観客の記憶に強烈に残ったのです。


このオープニングアクトが終了した直後、

衝撃を受けた私は、Twitterに思わずこんなつぶやきをしました。

まだ「三田美吹」の下の名前の読み方が良くわからないので「三田さん」呼びです。

ちなみになぜ名字がわかったかと言うと、スタプラフェス特有のシステムのおかげでした。

スタプラフェスでは、メインスクリーンの上部と左右にサブスクリーンが設置されていたのです。

バナーに名前

オープニングアクト中は、上部バナーにパフォーマンスしているグループのロゴ。

サイドバナーには所属メンバーのアー写と出演番号と名前が表示。

そのグループとメンバーを全く知らない人でも、

気になるメンバーがいたら一瞬で把握できるようになっていました。

なので若い子の顔と名前が一致しない私のような人でも、安心して楽しむことが出来たのです。

こうして三田美吹さんを知らなかった人にも、

歌と顔と名前が一致した状態で記憶に深く刻まれたのです。


余談ですが、このオープニングアクトに手応えを感じ、

エゴサをして反響を見たクラポメンバーは、

「絶対いぶちゃんがシンデレラだよ!」と既に言い合っていたそうです。

その辺りは、スタプラフェス翌日に出演したミュ~コミプラスで語られています。

この話を聞くとオープニングアクトのCROWN POPは、

他のメンバーが三田美吹を勝たせるためにチーム戦で挑んでいた。

そんなふうにも思えてしまいます。


異例すぎる自己PR

オープニングアクトが終了してから、ライブ本編がスタート。

全員出演のスペシャルメドレーが終わった後に、

シンデレラ候補生による10秒自己PRタイムが行われました。

46人のアイドルが、それぞれ個性的な自己PRをする中、

最後にセンターステージに立った三田美吹さん。

彼女のPRはとても特徴的だったので最も印象に残っています。

これは映像や音声がどこにも出てはいないのですが、

私の記憶が確かならば、彼女は次のように語っていたと思います。

「46番、CROWN POPの三田美吹です。

 百田さんの大切なパートを歌わせていただきます。

 46人、全員がんばっていますので、応援よろしくお願いします。」

そう言って時間一杯まで深々とお辞儀をする。

その立ち振舞いが美しく見とれてしまうと同時に、びっくりしました。

彼女は自己PRらしいことをしなかった。

ただ自分が担当する「走れ!」ソロパートを歌う偉大なる先輩、

ももいろクローバーZ百田夏菜子へのリスペクト。

そして一緒に頑張ってリハーサルをしてきた仲間達を気遣う挨拶。

「歌上手いだけじゃなく、性格もめちゃくちゃ良い子だ…。」

と心惹かれた観客は、私を含めかなり多かったと思います。

特に会場に多くいたであろうモノノフ(ももクロのファン)は、

好感度が急上昇したのは間違いないでしょう。


本物だと確信させたシンデレラ決定戦

そしていよいよシンデレラ決定戦メドレー。

これまでの経緯から注目を集めた三田美吹さんは、ラストナンバー46人目に登場。

そして、ここまで上がった期待値を裏切らないパフォーマンスを見せてくれました。

しかしこれは、単に「歌が上手かった」という点についてだけではありません。

まずスタンバイの段階。

彼女は歌い始める前から、観客に背を向けてセンターに立ちます。

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これはももクロの「走れ!」オチサビの百田夏菜子さんの立ち位置と全く同じ。

後のインタビューなどを聞くと、これは振り付けの先生の指示だったそうですが、

これを見ただけでモノノフ全員が「この子わかってるな」と思うわけです。

そして「君が好き」と歌った瞬間のウィンク。

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「それだけで世界を変える 変わる」と歌いきってからの、

世界が変わり開放されたかのような、晴れやかに輝く笑顔。

全てが先程口にした「百田さんの大切なパート」へのリスペクトが本物と信じさせるもの。

そこへ百田さんに「私より上手く歌ってもらえて曲も喜んでる」と言わしめた、

彼女自身の魅力的なボーカルが合わさったわけですから、

多くの観客の心を射止めたのは必然と言えるでしょう。


シンデレラに必要なもの

スタプラフェスが終わった後、現場に居なかった人の中には、

「やはり最後のオイシイパートを引いた人が強いんだな」

というようなツイートも散見されました。

もちろん運の要素も大きく作用していましたが、

ここまで書いてきたことを振り返っていただければ、

ただ運が良く、歌が上手いだけでシンデレラに選ばれた訳じゃないと、解っていただけるかと思います。

オープニングアクトのパフォーマンス、自己PR、シンデレラ決定戦、

運で引き寄せた全ての点と点を結び、線にする実力が三田美吹さんには伴っていた。

だからこそ彼女はシンデレラに選ばれたのです。

何よりも、シンデレラとして三田美吹の名前が表示された瞬間の歓声からは、

いかに観客が納得できる結果だったかを物語っているでしょう。


今宵、2人目のシンデレラに選ばれるのは…

さて最後に、第2回目のスタプラフェスでシンデレラに選ばれる子について予想してみましょう。

…とは言っても、それはほぼ不可能なんじゃないかと私は思います。

初代シンデレラの三田美吹さんは完全なるダークホースで、

シンデレラになると予想していた人は殆どいなかったでしょうから、

現時点でのグループや個人の人気が結果につながるとは限りません。

前回から1年10ヶ月も経過しているので、それぞれのアイドルは大きく成長していますし、

その間にスタプラに仲間入りした、魅力的なルーキーも揃っています。

査定材料が少なすぎるので、同じステージで渡り合わないかぎり、

実力の優劣を見極めるのは難しいでしょう。

ただ強いて、前回の傾向を見たうえで言うのであれば、

オープニングアクトで輝いたグループの中で、最も輝いていたアイドル。

その人に、運命の輪が大きく動き始めるのではないかと、私は予想します。

なので横浜アリーナで観戦する人も、配信で観戦する人も、

是非ともオープニングアクトから目を離さず、見守っていただけたならと思います。


最後に配信チケットの情報を。

税込み¥3,500 、終演の24時間後までアーカイブ視聴も出来ますので、興味を持った方は是非とも御覧ください。

長文、お読みいただきありがとうございました。