見出し画像

3Dボードゲームを、2D(紙の上)でシミュレーション(1)

ちょっと前の話です。Nestorgames社のHomepageに、Icomega(2016)という名前で、ルールだけが公開配布された無料ゲームがありました。今は消されていますが、BGGには「超簡単なルール紹介」が今も残っています。

「超カンタンルール紹介」
交互に2個ずつ石を置く(マスの中に)。全部が埋まったら、次のように点数計算。
自分のコマが隣接しているものを「カタマリ」と考える。それぞれのカタマリの個数をメモする。
今、メモした数字を「全部をかけ合わせる(乗算する)」

Nestorさんご本人は、発表当時のコメントを(確か)こんな風につけていたように思います。
「20面体で紹介したが、これより面の数が少ない多面体では、ゲームは成立しない(引き分け)。
添付図の20面体の他にも、D30,D60,D120などの多面体でもプレイしてみて欲しい。」
ご本人のホームページからは既に消去されたことを、こうしてラジくまるが2024年に再現しちゃいました。

参考:
20面体を3倍拡張した「拡張60面体」の正式名称
Deltoidalhexecontahedron
または
Truncated Rhombicosidodecahedron

Wikipediaから画像引用

さて、ここまでは「さらり」と扱ってきましたが、このゲームは、Nestorさんの自作ゲーム「Omega」の「3D拡張」を狙ったモノに間違いないわけです。

フツーの2次元平面ではなくて、非ユークリッド平面(球の表面みたいに閉鎖している世界)」で、Omega(2010)をやったら楽しいかな?
ここまで思いついたところでNesotrさんは、きっと「イヤーな予感」がしたはずです。

「正20面体のカタチをしたゲーム用ボードを、3D立体工作するのは面倒くさいよなぁ。」という想いです。だって正20面体のゲームボードを粘土等を使って一生懸命創作した挙句、ちょっとテストプレイしてみたら全然ゲームとしておもろくなかったヨとかだったら、ガッカリ落胆しますよね。
*立体工作の制作時間の苦労を返せ!っていう気分です。

粘土などを使ってわざわざ3Dの立体ゲーム盤を作ることなく、その代わりにパソコン上とか、あるいは紙の上で2次元的に、ゲームをシミュレーション動作させる方法はないのかな?
そんな発想が出てくるのは必然だったのかもしれないです。

******
(突然ですが、ここからはラジくまるの想像です)
そんな彼の目の前に突然、ある地図が現れました。
「これだ!」
思わず、椅子から飛び上がって彼は小さな叫び声を上げました。そうです。その瞬間がIcomega誕生の瞬間でした。
彼の目に止まったもの。それは正距方位図法の「地図」だったのです。

この「正距方位図法」の地図は周囲部分になると、ものすごく形状が変形してしまうのですが、落ち着いてよく考えてみると、どの部位(点)についても、つながっているのはどの線か、互いに接しているマスはどれとどれかという「近隣部どうしの関係性」はしっかり保たれています。

つまり「見た目としてはナニ」ではありますが、この正距方位図法で描いた図を使ってプレイする限り、完璧にIcosahedronの表面をシミュレーションできているのです。
(突然ですが、ラジくまる妄想はここで終わりです)
******************

そして、まったく唐突ですけど、続きは明日書きます。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。