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「オセロ」の次(ポスト・オセロ) ツクダオリジナルの野望の末(4)

再び昨日からの続きです。
4つめとなるこのゲームが、Socrates作者・長谷川さんのイチオシのゲームです。

ソクラテス第1のゲーム
宇宙遊泳 2 players
勝利条件:
自分の色のコマが5目並んだら勝ち。5つ並んだコマにマークありなしが混在しても構わない。
準備:
各々が 「マークなし」6個、「マークあり」6個
合計で12個ずつのコマを持つ。
初期配置:
ゲーム盤に何も置かれていない状況からスタート。

遊び方:
自分のターンでは、空いているマスに新しくコマを置くか、あるいは既に置かれているコマを動かすか、どちらか一方を選ぶ。コマの動かし方には、何通りもある。

A 新しくコマを、まだ空いているマスに置く。
B すでに置いてあるコマを動かす(3通りの方法がある)
C B(動かす)を選んだ場合、コマを動かした直後に、そのコマをひっくり返してもよい。(マークのあり/なしが変化する)

以下、詳細な説明。(Aは省く)

B1 コマの基本の動き。
  マークのコマは、チェスのナイトの動き。マークなしはキングの動き。

左図:コマの基本の動きと、宇宙遊泳の動き。
右図:相手のコマならば飛び越せる。

B2 宇宙遊泳の動き(左図赤矢印が一例)
B3 相手の色のコマを飛びこす動き(自分の色のコマは飛び越せない)
  *B2とB3とは、マークのありなしに関係なく、同じ動作。 

以上のB1,B2,B3の選択肢のうち、任意の1つを実行する。

C B1~B3を行った場合は、移動させた直後、コマを裏返しても良い。

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ラジくまる評価:
第一のゲームだとして、長谷川さんがイチオシしてるコレ。ラジくまるの感性で評価すると、恐ろしくデキが悪いです。
ルールがシンプルの反対で「複雑怪奇」です。こんなに複雑なルールだと、ボドゲ大好きのしかも「マニア」だけしか遊ばなくなるし、もう全然売れなくなりそう。

でも、何よりもイチバンの間違いだと思うのは、コマの動き方の種類の多さです。なんでこんなにも、てんこ盛りな選択肢にしてしまったのでしょうか?

どれか1つの動きだけに制限した場合でさえ、十分にゲームとしておもしろかっただろうと思います。
ここまで大盛にする必要性はない、と、私ならば判断します。

そもそも、大衆ウケを狙おうとするならば、こんなにたくさんの「選択肢」を与えると、面倒くさがってイッパツで遊ぶのを止めるんじゃないかな?と、そんなふうにラジくまるは考えています。

ゲームGeekなら、こういう変なルールにも、ちゃんとしっかり追従しますけれど、そんなマニアな人は「人数がが少なくて、売り上げが期待できません」。

バカ売れしたいならば、例えば、ルールB3を中心にしてコマの動きのルールをギュッと絞るといった仕上げにすれば、この当時においては、もっと売れる商品に仕上げられたんじゃないかと時代考証します。

さらに宇宙遊泳ルールB2は、ラジくまるは大反対です。なぜなら「相手のコマが、宇宙遊泳で自由に動くことは絶対に阻止しなきゃ!」って思うからです。
その結果、2人で熱く「宇宙遊泳の阻止」を打ち合うことになります。
結局、宇宙遊泳は、面白い/楽しい動きなのにも関わらず、実戦のなかではほぼ封じられます。こんなルール、導入しても全然楽しくないです。
使い方がもったいないなぁ、というのがラジくまるの感想です。

今の話とは別で、逆に、宇宙遊泳はどうあがいても「完全には防ぎきれない」ような、もっと強力なルール設定にしてあったなら、絶対にもっともっと面白いゲームに仕上がったんじゃないか?と想像しています。

しかし、まあ、今となっては、もう終わった話です。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。