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面心立方格子をボードゲームに応用しよう(6)

IQ-Perplexの続きです。

意図的に、あえて触れずにここまで引っ張ってきたことがあります。
パズルで考えうるピース種の「総数」のことです。

例えば、有名な話として、ペントミノパズル(5個の正方形をくっつけた形状のパズルピースを使うパズル)では、全部で12種類のパズルピースがあります。そういう「ピース種類の総数」のお話です。

手始めとして、前回の記事(5)でご紹介した葉樹林さんのずれオミノの「ピース種」は全部で何種類?について考えてみます。

ずれオミノのイメージ図

私が作図してお示ししている法則で説明すると、「一定の法則」すなわち左回転ずれを守りながらピース設計しなければいけません。
これを厳守しようとすると、ペントミノ全12種のうち「裏返したら右回転図ずれ体」になってしまうパズルピース・全6種」は、ずれオミノでは「別のカタチ」に再定義されます。
従って、ずれオミノは全部で18種のパズルピースになります。

ずれオミノは「裏返しパターン」は別の形状になってしまいます。

*注意:ずれオミノは、パズルピースを裏返して使用することができません。パズルピ-スを裏返すと、左回転ずれという大事な規則が壊れてしまいます。

そういうわけで、IQ-Perplex(ずれオミノ3D版)についても、パズルピースの種類の総数を調べてみたくなりました。
1個・2個・3個の立方体がくっついた形状、パズルマニア用語で言えば、モノミノ、ドミノ、トリミノといった形状の場合、考えうるパズルピース形状は何種類あるのでしょうか?
実は、そこまでだったら商品版IQ-Perplexの実物が答えを示しています。

それに続く、4個や5個(テトロミノ・ペントミノ)は、それぞれ何種類ずつになるのでしょう?非常に興味をそそられたので、思いっきり調べてみました。
ずれオミノ(2D版)と同様な現象がIQ-Perplex(3D版)でも発生します。裏返すと、違うカタチになってしまうのです。
3次元なこともあって爆発的なピース種の総数になるとわかりました。

幸いなことに、いちいち3次元モデリングしてCGを描きながら調べる必要はありません。
すでにラジくまるが開発した「2D平面図示技術」がありますので、2Dの絵をフリーハンドで紙に描き&形状分類しながら、全部で何種になるのか数えるだけでいいのです。

調べた結果まとめ表
1個 1種類(当然です!)
2個 1種類
3個 4種類
4個 10種類
5個 34種類(商品版IQ-Perplexには1種だけ含まれている)
6種 異常に大きな数字になると予想。調べたくない。

1個~4個までの形状一覧(下図)をもういちどご覧ください。
(紙面の都合で並びがぐちゃぐちゃです。面倒をおかけします。)
ちなみに、5個はすごい種類総数になっているので作図はご容赦ください。フリーハンドでメモ帖には全部描いたのですが、図に起こすのはめんどくさいです。許してください。

この図をご覧いただくとわかりますが、「4個の立方体」をくっつけた「テトロミノ」のピースは全部で10種類あるのに、製品版のIQ-Perplexではその10種全部を使いきっていません。製品では5種類しか使用していません。
パズルマニアとしては、製品版ではテトロミノ全種(つまり10種)を使い切るようなパズル問題集の設計にしてほしかったなあと思います。
下の図みたいな商品仕上げにして欲しかった。テトロミノを全種類コンプリートしていない事が、なんとなく残念に思う。それがパズルマニアというものだと思います。

そして、結論としては、このテトロミノ全10種類の「パズルピース」を用いて、Nestorgames社のPent-up風ゲームを創作してほしいなあと希望しております。(誰に向かって言ってる?自分?)


ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。