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セルゴ・セルガー・セルゲスト -Selgo・Selger・Selgest-(3)

昨日からの続きです。
ミラクルファイブには6つのゲームがありまして、これが最後です。

Miracle Five 第6のゲーム「Dレース」

左:セルゴ「運だめし」、右:MiracleFive「Dレース」

*セルゴの「運だめし」から、少しルールが変更されています。
サイコロを使ったすごろくゲームです。コマの表裏を利用して、2~4人がプレイ可能です。誰よりも早く、ゲーム盤の最外周の青い部分を1周したら勝ちです。
全員が、左下の角のマスをスタートのマスとして共有します。
サイコロを振って出た目の数だけ青マス(最外周)上を反時計回りに進みます。
中央の列(赤道)の分岐点のマスに止まった場合は、中央の列を通る近道を進むことができます。
進む途中で相手に追いついた場合は、相手の駒の上に乗ることができます。他の人のコマに乗られた相手は、その駒を乗せたまま動かして到達点で解放します。
*解放されたコマは同じマスを一時的に共有しているものと見なして、次のターンでサイコロの目に従ってそこから進みます。

Dレースって何を意味してるの?と思っていたのですが、長谷川氏の記述によると「ダイナミックレース」という名前だそうです。
さらに、selgoとselgerという名前のゲームを長谷川氏は考案したのですが、selgestというゲームは存在しません。ご参考までに。

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ミラクルファイブ(MiracleFive)の発売は、ツクダオリジナル倒産後の話なのでメガハウスが版権を取得後の話になります。
新製品発表会(於:帝国ホテル2007)で長谷川氏が語った内容から引用すると「ファミリー向け」になるように、ルールを調整したとのことです。

確かに、ソクラテスという商品で見られた「初期配置時の熱いかけひき」、「心と心とのだまし合い?激突?」みたいなルールがすべて排除されていて初期配置付近は、すごくシンプルに整理されています。
記者会見で話した通りの方向性でルール調整はできていることを同意します。

ただ・・・。ソクラテスを知っている者(ラジくまる)が今回のルールを読ませていただく限り、この「ソクラテス・微少・改善版ゲーム(ファミリー向け)」がバカ売れするとはやっぱ思えませんでした。

作者の長谷川さんは、ご自身がすごい努力家タイプなんだろうな、という印象を、このゲームのルール内容の作りこみ具合から、感じ取ることができます。
そもそも、将棋はアマチュア5段持ってましたし。

そんなご自身の性格が影響してしまって、どうしても、ルール全体をばっさりと簡略化して、ソクラテス=>Miracle Five の大衆受けを狙い、 同時に売上もがっつり狙う!
という作戦には賛成できなかったのかもしれないな、と想像しています。

「ファミリー向け改変」って主張しているわりに、その変化量が小さすぎると思うのです。

ルールを大きく変化させる(より単純に・もっと簡単に)のは、どうしてもイヤだ!なんてことを感じていたのだろうな。
と、当時の長谷川さんの心情を想像・夢想してしまいました。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。