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面心立方格子をボードゲームに応用しよう(2)

続きです。

Gigamic社の「Inside」は、まちがいなく(1)で紹介した「平面的」コンポーネントによってゲーム内容の再現が可能です。
もっとはっきり言ってしまえば(1)でご紹介したZenithの4種のゲーム盤のうち三角形のやつを使えば遊べますよ、という事です。
Insideは現物を持っていないため、ルールは正確には知りません。「だいたいのルール」はこんな感じだそうです。

Inside 2 players (だいたいのルール。ちゃんと取材していません)
勝利条件:
立方体を35個置くと、3つの面をもつピラミッド形状が完成する。それぞれの面に15個ずつの正方形が見えるが、3つの面でそれぞれ別々に「どちらの色が多いか」の勝敗をつける。2勝以上している人が勝ち。
用具:
ゲーム盤
立方体のコマ黄色18、茶色18。合計で36個。
準備:
黄色担当は、黄色13個+茶色5個を持つ。
茶色担当は、茶色13個+黄色5個を持つ。
遊び方:
任意の位置に、立方体形状のコマを置く。
手持ちのコマの中には5個の相手の色のコマもあるので、場合によっては相手の色のコマを、自分のターンに置くこともできる。

特別ルール:「相手の手持ちのコマ1個を強制的に消費する」ルール
あなたが最後の1つを置くことによって、「3個の立方体で支えることができるから、それら3個の立方体の真ん中に、新たにコマが置けるようになった」時、さらに加えて下記の条件も満たしていたら、相手の手持ちのコマ1個を奪える。
*それらの3個は「3つとも全て同じ色」である。相手の担当する色であっても、あなたが置いた結果として完成したならOK。

相手の手持ちから奪うコマは任意に選べる。奪ったコマはすぐに、今完成したばかりの「3個の同じ色のコマでできた土台」の中心に乗せる。

同じ色のコマ3個で「土台」が作れたら、
任意の相手の手持ちのコマを1つ奪い取り、
その奪ったコマを土台の上に置く。

特別ルールの影響:
巧みに特別ルールを活用すると、相手の「手持ちのコマ」の数を大きく減らすことができる。そうなるとゲーム終盤の頃に、相手はパスを連続しなければならなくなり、その間は自分だけがターンを実行できる。
***

ここまで話題にしてきたZenithとInsideは、6面全てが一色で塗られた「立方体」のコマを使う想定になっていました。
じゃあ、今までの説明を読む限り、立方体の6つの面が別々の色に塗られているゲームには、応用できないよね?という心配をしませんでしたか?
でも大丈夫です。実は、かなり広範囲で応用可能です。

このような要領で3色売り分けできます

三角形のタイルを3色で塗り分ける例を図としてお示ししました。
タイルを4個も置いたせいで分かりにくくなっています。そこで、下の図に特定の2つだけ抽出してみました。2つは鏡像になっています。
タイル形状のコマですから、例えば下図のように、鏡像を表と裏とに印刷することで、いろいろな3D系ゲームを平面化するのに役立てることができそうな予感がします。

これを表裏に印刷する

ここからインスピレーションを得て、何か、新たなゲームが作れそうな気がしてきませんか?

さて、まだこの記事は続きがあります。また明日です。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。