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こういうのがいいんだよ

先日、東京国立博物館で『やまと絵 受け継がれる王朝の美』を観に行ってきた。

帰りに本館のミュージアムショップへ寄ると、オリジナルのグッズが所狭しと並んでいる。それのどれをとっても「ゆるさ」であったり、「再現度」であったり、「可愛らしさ」であったり、まぁ、観覧者のツボを突いてくるのが上手い。

その中で、絶妙というのが「お菓子」のラインナップ。

中身は榮太郎總本舗の「ピーセン」が5袋、外箱は円山応挙の『朝顔狗子図』がプリントされている。

戦後間もなく「銀座江戸一」から発売された「ピーセン」は、エッフェル塔があしらわれた青い缶に入っていて、とてもおしゃれで美味しいと、おみやげとして大人気であった。ところが銀座江戸一が1995年に廃業することとなり、その名物が消えてしまうことを惜しんだ榮太郎總本舗が、これを受け継ぎ現在も製造を続けている。ゆえにある世代にとっては「The東京みやげ」なのだ。

旅行に行くと土産に菓子を買って帰る人も多い。以前ならまんじゅう、いまはクッキーやチョコレート。パッケージに観光地の名を冠して、みやげと言うにはかなり凝った作りでなかなか値が張るものもある。もらった方も地名が出ているから分かりやすいし、旨くていいんだけど、正直、みやげってベタでいいんだよ、ベタで。

誰が食べても美味しくて、間違いのない「ベタなおみやげ」。それを東京国立博物館ならではのパッケージで包んで販売する。お菓子に凝りたいところではあるけど、そこを定番を入れて販売するいさぎよさ。それでいいんだよ。それがいいんだよ。
ちなみに価格は680円(令和5年現在)!この良心的な価格もまたいいんだよ。

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