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100年前のカメラ

今回は丁度100年ほど前のカメラについて

No.1A Kodak JR.

1914~1927年にかけて、コダックが生産した折り畳み蛇腹カメラ
使用フィルムは、現在はもう生産されていない116オートグラフィックフィルム。


後ろに空いた窓から、専用の針で文字を書くことが出来たらしい。自分の持っている個体には、残念ながらもう付いていなかった…
後ろに赤窓が開いているが、もちろん今では意味をなさない()

レンズは、ボシュロムのRapid Rectinlinearレンズ。
2群4枚で、前玉と後ろ玉が対象になっている。
曇ったりせずにクリアで、100年前の物とは思えない。ボシュロムすごい

レンズはびっくりするほどクリア

シャッターは、コダックのボールベアリングシャッターが付いている。
シャッター羽根は5枚で、シャッタースピードはT, B, 25, 50, 100

コダック ボールベアリングシャッター

絞り羽根は8枚となっており、絞りの単位は現在主流のFではなく、U.S.表記となっている。変換表を探すのに一苦労した()
U.S./4~128 (f/8~45.2)となっている。

絞り羽根

蛇腹は所々透けていたのでマスキングテープで補修。
元々文字を書くための穴をほとんど塞いで、一部赤窓風になるよう赤シートを切って貼り付けた。

フィルムは、120フィルムのスプールに削ったスプールの端っこをくっつけて、使えるようにした。116フィルムが120フィルムより大きくて助かった。
けど、フィルム一本で5枚しか撮れない。フィルム代が…

改造スプール

なんとこのカメラ、ジャンクで1,100円という破格だった。
店員がこのカメラに詳しくなかったらしい…

試写

革の貼り直しや蛇腹の補修を済まして、試写しに新宿へ。

新宿御苑にて

一枚目、桜の咲く新宿御苑にて
蛇腹の補修が甘く、少し光線漏れしてしまった。
でも、今のレンズでは出せないであろうこのボケ。
100年前のレンズだからこその味だと思う

新宿駅南口にて

二枚目、新宿駅南口にて
何とも言えないこの味。
フィルムの味とレンズの味が表現できないほど良く合っている。
少しピントが合わせるのが大変だけど、このボケなら言い逃れできそうな気もする

最後に

両方とも2023年の春に撮った写真なのに、そうとは全然思えない。がんばったら100年前の写真って言っても騙せられる気もする…

目測な分、レンジファインダー機より、圧倒的に使い勝手は悪い。
でも、ここまでドキドキしながらシャッターを切るのもこんなカメラだからこそだと思います。

そんなアメリカの大手カメラメーカーが作ったNo.1A Kodak JR.
フィルムが無いからと置物になってるのもがあれば、一度フィルムを通してみてはどうでしょう?

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