見出し画像

今、都市生活者に必要なもの

コロナ禍で沢山の人が亡くなったり、生活に深い苦労を強いられたりして何年も経つ。これだけ世界中の人々が苦しめられたのだからもう安らかな生活が戻ってもいいだろうと思うのだが、戦争があり、経済の不安が続き、地震や天災が間近にあると脅かされ、いったいいつになれば安穏とした普段の生活が戻るのだろうと思ってしまう。

そんな中、報道で伝えられるのは、様々なやるせない犯罪だったり、本来世間の見本とならなければならない人の社会を裏切るような行為だったり。

これだけ社会全体が様々な次元で不安定になり、人災も天災もてんこ盛りで、若い人達は将来への漠然とした不安を募らせている時に、大人はいったい何を次の世代の為に作っていけているのであろう。自分だって不安なんだという気持ちはもっともだけど、誰も彼も自分勝手になり(でもそれを健全と周りに示せないもどかしさに苦しみ)、人のことを本当に思う余裕などなく、将来への希望や夢は自虐的で、周りがそう言っているから一応楽観的なふりをしてみた結果の空虚なウソである今、何が社会にあるべきか。

芸術と宗教しか考えられない。

たぶん2000年ぐらい前、都市と都市生活が発展してきた頃も、同じように漠然とした社会不安が世の中に万蔓延したんだろうと思う。平安時代の日本でも疫病や飢饉が国中に蔓延した時、弥勒思想がはびこったのと同じように、都市生活がもたらす、人間性と動物性の葛藤にギリギリとした難題が昔も今も人々を苦しめるのだろうと思う。逆に、都市生活をしていない人は、ある意味世捨て人で、今も昔もくだらない悩みを持っていないのだろうと感じる。

だれも信じられない、将来の夢もうつろ、日々の生活に集中しようとしても漠然と不安、価値観もはっきりしない、みんなを愛したり愛されたりも実感がない、そんな中、スカーンとした爽快感で「こんな風に考えたら、人生楽なんじゃない?」って道を示してくれるのは、山下達郎とお釈迦様しかないように思える。