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来世はエンジェル

近年問題になっている
『ホストクラブの売り掛け』・『パパ活』

警察や国が介入する事態になり、
夜の業界も変わりつつあるように思う。

私自身も俗に言われる
『ホスト狂い』をしていた時がある。

好きなホストにお金を使う為、
キャバクラ・ガールズバー・デリヘル・ソープで
お金を作ってはお店に行き高額の酒をオーダーした。
手持ちが足りない時は売り掛けをした。

彼の気持ちを繋ぐと共に
何者かになりたかった自分の心を埋める。

そんな日々の繰り返しだった。


『エンジェルシャンパン』

ホストクラブでよくオーダーが入るシャンパンの中の一つだ。
アタッシュケースのような箱に入っており色々な色の種類がある。値段は店にもよるが1本大体60~150万するものだ。

私はホストクラブに通っていた時、
エンジェルシャンパンをよく入れていた。
勿論20歳になったばかりの頃の私には味なんて到底分かるはずもない。

指名では無いキャストは『ヘルプ』と呼ばれる。

そのヘルプたちはエンジェルシャンパンを入れる度、
私の事を『この店のエンジェルだ』と持ち上げた。

お金を使ったその場では
ヘルプ達の、彼のエンジェルになれたのだ。

でも実質はどうだっただろうか。

1ヶ月のうちの25日、
24時間のうちの16時間ほどを
陽も当たらない狭いソープランドの部屋で過ごす。

稼ぎが悪いと彼が不機嫌になる。
売り掛けの入金日に間に合わないからだ。
他の男といるんだろう、と疑われ罵詈雑言。
暴力。
別の女が彼と私が一緒に住んでいる家に不法侵入してきたこともあった。
女の影を見た時もあった。

『お前なんて生きてる価値がない』
『お前みたいな人間誰も好きになるわけが無い』
そんなことも言われた。

そんな生活、そんな言葉を投げ続けられると
勿論精神がおかしくなった。

体重が激減した。
むやみに沢山薬を飲んでみたりもした。
海に飛び込んでもみた。
何度も死のうと思った

限界だった。



全然エンジェルなんかじゃなかった。
エンジェルだとしたら堕ちに堕ち切っている。

今でも暴力を受けた時の傷がある。
今でも彼から言われた言葉は
ネバネバと絡みつき私にまとわりつく。

薄れていくかもしれないが
傷も言葉も消えることは無いと思う。


今世は偽物のエンジェルかもしれない。
だけど

私は来世は本物のエンジェルになるの。

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