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てんどん記◎考察記

2022年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

今年最初の投稿は
『てんどん記◎考察記』

アーカイブが1月1日で終わってしまいました…。
毎日観ました。観れば観るほど、新しい考察が生まれ、毎回違った景色を味あわせて頂きました。
あぁ、本当にずっと側に置いておきたい作品だな。終わってしまって、とても寂しい気持ちです。

これまでたくさんの方々の考察記を拝見しました。もうむちゃくちゃ面白いですね。それと共に、コントライブでこんなに考察で盛り上がる芸人さんが、今までいたでしょうか?この現象を私はとてもうれしく思い、そして楽しんでいます。
台本を読んで、また新たな考察がでてくるのではと思っているのですが、今の思いを綴っていこうと思います。
これは考察記というより、ただ長いだけのひとりよがりの感想記でもありますので、お含みおきください。

この作品の大きなテーマは 
『塔の外と中の世界』
塔の外である【てんどんさんのことが大好きな世界】と
塔の内である【てんどんさんを恐れている世界】
そのふたつの世界の一コマを交互に見せてゆき、それぞれの世界を繋げていくという壮大なテーマだと思いました。

◎外の世界かなと思ったコントは「今日は祝祭」という台詞。
こどもたちが大好きなてんどんさんとあったり、てんどんさんをサンタさんみたいな存在に思っている。
○中の世界のコントには「たましずめの祭」という台詞。
悪いことしていたらてんどんさん来るで!海老天でしばかれる。怖い怖いなど。てんどんさんはかなり恐れられている存在。
そこから、このてんどんさんに対する位置付けも、お互い独特の世界観をもっているものかと思いました。

そしてふたつの世界の天気について。
私は外が晴天で、中が曇天かと思っていました。でも何度も何度も観ていくうちに、ん?何か違う気がする…。更に視聴を重ね、皆さまの考察を見たりしていくうちに天気は逆さまなのか…?そう思いました。でもそうだと何で塔の中なのに晴天なんだ…?とも。それについては夫から、それはガンダムのスペースコロニー的なものじゃない?という考察が飛び込む。それ面白いなぁ。じゃあ外は何で曇りなんだ…?でも台詞からすると逆さまが正しい。う~んと考えこむも、最後はエンディングのイラストが解明してくれました。天気はやっぱり逆さまだった!考えを改めました。ここまで凄く楽しい考察でした。

私は24日に草月ホールで観たのですが、その時はここまでには到底辿り着くことはできず。ただただ、お二人のコントライブを観られる嬉しさと、一つ一つのコントの面白さと優しさに心がいっぱいになり、そしてあんなにお忙しいはずなのに、こんなに素晴らしいコントを作ってしまうお二人に感動していました。
それが、あとからこんなに面白い展開が待っていただなんて。もう凄すぎて、超人です。

ここからはひとつひとつのコントの感想などを呟きたいと思います。
コントのタイトル前に◎か○がついています。
これは◎が塔の外の世界。○が中の世界だと感じています。

その前にひとつ。
コント前に流れるあの音楽に、なんとも心地よさを感じました。今回もトニーフランクさんかな?などと考えていました。
この曲は、全てのコント前に流れてその度の心地よさ。あぁ、好きだなぁ。

◎旅
まずはお二人の姿にただ感動。お二人がとても近い。
本当に今日来られて感無量で、涙が出ました。
白シャツに黒ズボン、そしてサスペンダー。
このコントでは、サスペンダーを下ろしていましたが。お衣装が愛らしいです。
平井さんのワードセンスと体幹の良さが炸裂です。浦井さんの、あいつまた変なことやっているけど、好きだなぁというほっこり見守り。そんなことを勝手に考えてみていました。
ここで出たワードは
『こどもたちみんなだいすきてんどんさん。』

〇ひよこ
ひとし(平井さん)と兄者(浦井さん)のやりとり。
旅のお衣装と同じで、今度はサスペンダーをしています。私が観たときは、平井さんがサスペンダーをうまくあげられていなくて、浦井さんが直してあげているという、何とも微笑ましい面がみれました。
このコントはコントというより漫才でしたね。先日行われたM-1で、敗者復活戦3位という結果を残し、漫才の実力もみせつけたお二人のしゃべりでのやり取り。掛け合いが本当に面白かったです。「兄者は精神清潔やな。精神がこざっぱりしとるわ。」このワード好きです。
ここでのてんどんさんは、本当にこわい存在になっている。

◎水族記
とある水族館で浦井さん扮する飼育員と、平井さん扮するその友達でシャチのトラミを見に来た男性のお話。その男性は世界で一頭しかいないシャチに恋をします。
そしてその有様を一冊の本にし、本の講演会まで開いてしまう飼育員。
男性はトラミに会いに、毎日毎日水族館を訪れます。この男性、社会常識は全くないご様子。本当にこの二人、友人関係なのかと思うくらい。どこで出会って友だちになったのかしら・・・?そんなことを感じ。話を続けていくと、男性とトラミは言葉が通じ合っていくようになっています。そして、ちょっとした喧嘩に。この時点でこの男性は本当は人間ではないのではないか?そんな風に頭をもたげました。そしてその予感というか思いは、男性がシャチになって、トラミと一緒に仲良く泳いでいる。そんなすごいお話になっていきました。飼育員はトラミともう一頭のシャチを海へ逃がしていきます。そこでの台詞。
「人生には行き止まりがつきもの。そんな時は引き返したらいい。怖くなったら戻ってくればいい。」この台詞を浦井さんが語ったとき、浦井さんの声の心地よさと語り口調が相まって、すごく心に沁みました。
ものすごいお話でしたが、最後は飼育員の講演会が終わったあとに、誰もサイン会には並ばないというちょっと苦いオチになっていったのも、面白かった。

〇家族記
一心不乱に原稿に文章を書いていく学者先生(平井さん)
そこへ、その先生が住む大家さんが訪ねてきます(浦井さん)
先生はご飯を食べることも忘れて、必死で論文を書いています。
そんな先生を心配し、女房さんの作ったおにぎりを差し入れる大家さん。
このコントでも平井さんのワードセンスが冴えわたっています。そして本当に学者先生の佇まいでした。
先生は、論文を書くことに必死すぎて、それ以外の生活ということが頭から抜けている。そんな先生を支えていたのが、奥様のてんこさんでした。でもてんこさんは出ていってしまいました。それでも必死で論文を書いている。先生は小さい頃から本が読めず、理解もできない。周りに蔑まれて生きてきた人物でした。そんな先生が必死でみつけたこと。それが論文を書くことだったのでしょう。この先生の生き方に、なんとも言えないもの悲しさを感じました。
大家さんは、先生が今考えていることを尋ねます。
「この世界にある端っこは、本当はその端っこの先に別の世界があって、その先に本当の端っこがある。」すごい考察です。この先生の考察が、今回のコントライブのテーマでした。このコントは、たましずめのお祭りと台詞があったので、塔の中だと思うのですが、他のコントとは一線違ってストーリーテラーの役割もあるのかなと感じました。
先生と大家さんの関係性に、とても暖かいものを感じました。先生が沁みる身と書いて【しみ】です。と泣きながら話していたのに、泣けました。
【沁身】いいお言葉です。
それからてんこさんは、大家さんのおうちにいました。てんこさんは先生に愛想をつかせた訳でなく、愛がゆえの家出でした。
そして、大家さんが本当にお優しい。大家さんのおうちにてんこさんいたのに、それを先生には伝えずに先生の心に寄り添って、先生の思いを引き出してくれました。まだまだ世の中捨てたものではないんだな。救われた思いです。
先生にとっては、論文を書く以外は何をするにも理由がないんですよね。きっと。


ここで休憩時間となりました。
私も、ここで一旦箸休めをしたいと思います。
今回は話が壮大すぎて、書きたいことが溢れてきます。
よかったら、つづきをご覧ください。

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