やってみたいことがあるのだけれど
男性ブランコのコントライブ
「やってみたいことがあるのだけれど」
5月10~14日 横浜赤レンガ倉庫1号館
5月25、26日 京都府立文化芸術会館
私は今回も配信組です。
配信ではメイキングもありました。メイキングを観ていたら、昔の自分のことを思い出してしまって、Twitterでは感想を書ききれず、noteに書くことにしました。
赴くままに書いていたら、箇条書きと文章が入り混じりました。
読みにくい部分が多いと思いますが、よかったらご覧ください。
いつかコントライブで漫才もみてみたいなと思ったことがある。こんな演出でくるとは。漫才からこんなにきれいにコントに流れるなんて、お二人だからできる技。
すごい衣装でてきた!これは舞台上下で着替えるってことだ!
うわー!舞台上下で着替えをするのって大好き!!
着替えを見ながらこの後の展開を想像する。ものすごくワクワクする。
着替えが終わって舞台に上がる前に、一度舞台を見つめて背筋がシャキッと伸びる瞬間がすごく好き。
基本はグレーのシャツにグレーのパンツ、黒の革靴。アウターだけが変わる。すごくいい。展開がスムーズに運ぶ。アウターだけの変身ってシンプルだけど、ものすごい印象も変わるし、それこそ表現力がないとできないと思う。さすがです。
衣装のデザイン、どれもすてき。特に最初に着ていたジャケットのパッチワークのバランスが絶妙。全ての生地の柄、わたしツボです。
上手にトニーさん。トニーさんの奏でる音楽は本当に素敵。今回は生演奏。生演奏も入り、もはやどのくくりだかわからない素晴らしいエンタメ空間。
おとうさんの歴史を知りたくて来た息子。おとうさんは理想の父親。母にとっても僕にとっても。
こどもは、親が自分のために夢を諦めたと思っている。
「ぼくがいるからだよね。おとうさんは本当にこれでよかったの?」
だからおとうさんの歴史を知りたかった。自分を信じるために。
こどもは親をよく見て、すごく親を思ってくれている。無償の愛って、親からこどもに向けてという印象だけど、実は逆で、こどもの方が親に対して無償の愛を抱いてくれている気がする。
私はいい父親ですか?って台詞。すごく刺さりました。私が親になってから毎日のように思うことそのもの。それからこんな台詞も。
「あまり親を舐めない方がいいです。自分で考えて、考え抜いて出した結論をこどものせいにはしません。少なくとも私はそんな親にはならない。」
こんな台詞を言えるように。私は私として生きている。だから自分を信じて生きなさい。そう胸を張って息子に話せる親になりたい。
寿命と引き換えに夢を手に入れるって結構究極。本来なら悪魔のほうが圧倒的に有利な立場なのに、丸めこまれそうになって、二人のやりとりはすごく人間臭くて面白い。悪魔も大変な家業なのね。
「寿命を減らしたらもったいない。」
でも夢を叶えたい時は、なりふり構わず、どんなことをしてでも叶えたいと思ってしまうのもわかる。
かっちゃんとせいちゃん。いいな〜この2人のおっちゃん。
アウター裏返しただけなのに、かっちゃんとせいちゃんの過去と今を行ったりきたり。すごい。なんという表現力。
「かっちゃん、がんばれ!!」
言えたときは、せいちゃんと一緒にガッツポーズをしてしまった。
あ~かっちゃん、よけいなことを!
バタコさんには見えてないの???
せいちゃんはおばけさんだったのか・・・。
ずっと、かっちゃんとせいちゃんは支えあって生きていたんだね。
これまでのコント、繋がっていると思いきや、独立してる??いや、繋がっているよな~。
衣装の白衣、かっこよかった。全体デザインも、袖口の色がグレーで詰まっているのも素敵。
ちゅーしゅっちゃん。訳もなく言いたくなる。
博士、純粋すぎる。
博士が抽出しているのはコーヒーゼリーだったけど、結果的にくぼくんの黒い部分を抽出できちゃった。でも博士も気がつかなかった心の奥底にある思いは、最初から真っさらなきれいな心の人間をみたかったのかもしれない。ちゅーしゅっちゃんは、きっとそのことを見抜いたんだと思う。
けいたくんとぜんさん。
けいたくんは、彼にしかわからないコンプレックスを背負い、ぜんさんを思い、正しくて眩し過ぎる。
ぜんさん、人として出来すぎている。ぜんさんみたいな生き方も素晴らしい。
次期当主とかどうだっていい。今、お前というものがここにある。お前はお前でしかありえない。それって自分には価値があるってことだよね。けいたくんは何をやってみたかったんだろうな。
リップとイヤリングとアウターだけなのに、仕草と佇まいでとても上品な女性に見える。いや、んん…女性??特に線引きしていないようにも見えてしまう。
お二人とも歩き方、きれい。舞台映えしますね。
最後のコント。すごい…なにこの構成…。心がゾワゾワってした。
まさか、またあの台詞がきけるとは思わなかった。親を舐めないほうがいいって。
衣装がシャッフル。そして最初に戻る。これは本当にすごい。見事。
なんというものを観せてもらったんだろう。
構成や演出、衣装、音楽、コントライブに関わる全てのものが本当に素晴らしかった。
それから思うことは、男性ブランコのコントは笑いだけではなく、心に刺さる台詞、場面がたくさんある。
なぜこんなにも刺さることを、きかせて、みせてくれるのだろう。
でもだからこそ、お二人のコントに私はとてつもなく惹かれてしまう。
今回は配信特典がメイキング映像。
メイキングを観ていて、その昔わたしが舞台でお芝居をしていた頃を思い出した。楽しかった。
衣装合わせ見るの、すごい楽しい!
瞬間で何人にも変身してしまう。いろんなお二人が見れた。
私は衣装合わせが大好きだった。衣装をみてると本当にワクワクしてしまう。衣装を纏うと、一瞬にしてその世界に連れて行ってくれる。まるで魔法みたい。そして纏った私を見た周りの反応を見るのがたまらなく好きだった。なんとも言えない高揚感。
メイキングを観るの大好き。なんて面白いんだろう。
作る作業って結局のところ、楽しい。
ゲネ。劇場に入った興奮と衣装を着られたテンションが最高潮。できあがってゆく舞台をみて感動を覚える。
緊張しいな私は、お客様がいないこの時間が一番楽しかった。
でも、ゲネで気づく不安もたくさんあった。そんなことも思い出す。
平井さんが悩んでいる。
お客様の立場、スタッフさんの立場まで考えて悩んでしまう平井さんの姿。そのお姿を見て、そんな心優しき芸人さんだからたくさんの人から愛されるのだろうと思う。
スタッフさんは海のように心が広い。そしてプロだ。演者さんは最高のパフォーマンスをすればいい。そんなお気持ちなのではないでしょうか。
何より演者さんを大切に思って下さる。
裏方にも少し携わったことのある私は、少なくともそんな思いで演者さんを支えたいと思っていた。
ワクサカさんが仰っていた。
『平井さんも天才。浦井さんも天才。天才と天才のコンビ』
本当にそう思う。
単独を生で観られなくなってから、もうどれくらいかな。そこの寂しさは正直否めませんが、キングオブコント2021決勝前のインタビューで平井さんがこう仰っていた。
「チケットが取れない芸人になりたいです。」
この言葉が現実になっている。これは本当に素晴らしいこと。
なのでお二人と同じ空間にいられる日が来る時まで、気長に、楽しみに待ちたいと思っています。
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