koeトモ民@デスゲーム❷

あれから何時間たっただろうか。
深く息を深く吸い、オレは考える。
オレはここから出られるのだろうか。
一抹の不安と恐怖は、やがて大きな波となって
オレの心を飲み込んだ。
「嫌だ、死にたくない」
思わず声に出していた。自分の声が部屋に虚しくこだまする。
「死にたくはないよな」
不意に後ろから声をかけられた
「誰だッ」
そう言って振り向くと小学校高学年くらいの少年がいた。
「僕は君と同じ コエトモ だよ。」
「どういうことだ、君も監禁されているのか。」
「違うよ、僕は君たちとは違う。単刀直入に言う。君はこれからこのゲームに参加する。そして死ぬ。それが君の運命だよ。」
何を言っているんだこの少年は。意味不明すぎて理解ができない。
「ちょっと待ってくれ、まずゲームってなんだよ
それになんでオレが死ななきゃならないんだ」
「そのままの意味だ。君はこのゲームに参加し、そして死を迎える。これが君の運命だ。僕にはそれを変えることはできないし、そもそも変える気もない。なぜなら僕の役目はこれを伝えることだけなのだから。」
「ふざけるな、なんでオレが殺されなきゃならないんだ、まだたくさんやりたいこともあったのに」
「理由は簡単だ。マスターがそれを望んでいるからだよ。この、コエトモ計画に、君たちの死は不可欠なんだ。」
『コエトモ計画』だと? ますます訳がわかんねぇ。
  ピピピ…
少年の耳につけられているワイヤレスイヤホンが奇妙な電子音を発する。
「じゃあゲームの会場に案内するよ、君は運が良い。マスターはこんなやつのどこを気に入ったんだか。まぁ死にたくないなら、せいぜい足掻いて見せてよ。その方がゲームは面白くなるから。」

そういうと少年は、オレの拘束を解いた。
よし、こんなガキ、拘束がない今なら殺れる…

「あまり変なこと考えない方がいいよ
せっかくマスターに気に入ってもらえたんだから。」

そこでオレは、自分に向けられた銃口に気づいた「そんなのアリかよ……」
「さて、じゃあ行こうか。」
そういって少年は歩き出した。
部屋の奥にあった小さなドアから廊下に出た。
どうやらここは学校のようだ。
夜の学校はただただ不気味で、オレはその小さな背中をただ黙って見つめることしかできなかった。
長い廊下をひたすら歩く。
しばらくすると、少し開けた空間に出た。
どうやらここは体育館のような場所らしい。
そこには数十人の男女が集まっている。
みんな一様に怯えきっているようで、中には泣き出している奴もいる。
『ヤトワレ』の言っていた虐殺の話が頭をよぎる。
「じゃあ僕の出番はこれでおしまい。
ゲームを楽しんでね。」
そう言うと少年の身体は溶け、赤黒い液体となって暗闇の中に消えていった。
言葉が出なかった。
夢なんじゃないかと何度も頬をつねってみたが
鈍い痛みが返ってくるだけだった。
「なぁ、オマエもしかしてゲスオか?オマエも暗号が解けたのか?」
「その声は、もしかして8ミリか?暗号ってなんのことだ?」
「やっぱりゲスオか、ていうか暗号解かずにどうやってここまできたんだよ。」
「オレは、あのガキにここまで連れてこられッ」

   キーンコーンカーンコーン
学校のチャイムのような音が鳴り響き、俺たちの話は中断された。
「ゲームの参加者の皆さん、お待たせいたしました。待ちに待った最初のゲーム、鬼ごっこのお時間です。 ルールは簡単鬼に捕まらず、この学校の、離れにある3号館までたどり着くこと。
鬼はゲーム開始から3分後に解放されます。
鬼は…   まぁ見ればわかるでしょう
少々説明が長くなりましたが、それではゲーム開始です。」

トゥービーコンテニュー





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?