毎日新聞に掲載して頂きました

恥ずかしながら、今朝の毎日新聞に私のことを取り上げて頂きました。ありがとうございます!
毎日新聞の杉山記者に感謝いたします。

丁寧に取材して頂きましたが、限られた紙面の中では、語りきれないこともありましたので、以下、私の言葉で補足して、書いてみました。よかったらご覧下さい。

①なぜ劇場の運営をしたのか
2011年6月に諫早独楽劇場はスタートしました。
当時所属していた劇団や演劇制作団体の拠点が欲しいということで、アトリエ兼発表の場を探していたところ、知人からの紹介があり、ちょうど空き物件となっていた諫早独楽劇場に入ることができました。いろんな方のご縁が繋がって今に至ります。その頃の運営の主体は別の方がやっていたので私はサポート程度の関わりでした。2016年4月に私自身が『演劇で食べていきたい』と腹を括り、正社員を辞めフリーランスになりました。ちょうどタイミングよく、当時の運営をされていた方が劇場運営に関しては誰かに渡したいということになり、私が引き受け、個人で運営をしていくことになりました。

②演劇との関わりは
子どもの頃からいわゆるお遊戯会等で劇をするのが好きでした。幼稚園の時のことをはっきり覚えています。その後、高校生となり当時の高校演劇の長崎県大会を観に行ったときに、純心高校の「ばってん、人生よかもんばい」を観劇し、とてつもなく感動をしたことを覚えています。劇の内容だけでなく、会場のお客様が一体となって、笑ったり泣いたりすることにも感動を覚えました。それからハマってしまいました。しかしその後、演劇で生活するのは現実的ではなく、20代30代は趣味として演劇に関わっていきました。

③独楽劇場のこれまでを振り返って
たくさんの方との出会いと別れがありました。いいことばかりではないですが、それでも出会いというのは素晴らしいことだと感じています。それはアーティストだけではなく、スタッフやお客様、様々な形で支えてくださる皆様との出会い含めてですね。

私が運営をバトンタッチしてから大事にしてきたことなんですが、演劇を私はやっているわけなんですが、この諫早地域で演劇を普及させるには、演劇だけやっていても広がらないと感じていました。演劇以外のジャンルの方と積極的に交流していかないといけないと思って、様々な企画(音楽やトークイベント、ボードゲーム、落語、ダンスなど)をやってきました。そこは意識的にやりました。相互交流が生まれる中で、俳優がいつの間にかミュージシャンになっていたり、ミュージシャンが俳優として舞台に立っていたり。そこまでいかなくても、それぞれのジャンルを超えてお客様として観に行ったりということが生まれました。演劇だけにこだわらず、地域の文化の底上げみたいなことをできたらと思っていて、一定の成果は上げたと思います。

もちろん演劇を毎月上演するという取り組みも足かけ4年やり、地元の劇団や九州の各地域からも演劇を諫早に持ってきてもらいました。

その後は、コロナ禍に突入し、活動を縮小し、存続の危機もありながらも何とか継続し、現在に至ります。

うまく行かなかったこととしては、ずっと赤字です。私は看護師資格を持っていて、それを生かして別で収入を得て暮らしています。そこから赤字補填をして継続してきました。文化芸術はお金がかかります。特に小劇場演劇はコスパが極めて悪く商業ベースに乗りにくいジャンルです。公共ホールではなく、民間劇場として個人でやっていくには限界もあります。ただ、民間の劇場だからこそできることもありますし、諫早から演劇の灯を消したくないという気持ちだけで運営を続けてきました。

④小劇場ジャンルの上演が多いのは?
独楽劇場の規模を考えた時に、やはりやれる内容には限りがあります。そういう意味でも小劇場がぴったりくる小屋ですね。地域演劇として一番身近であり、面白いジャンルが小劇場だと私は思っています。そういう人たちの応援をしていきたいという気持ちもあり、自然と小劇場ジャンルの上演が多いのだと思います。

⑤劇場の今後の方向性は?
正直、はっきりしたビジョンがあるわけではありませんが・・・
今年は独楽劇場10周年企画を用意していまして、お祭りというか打ち上げ花火を上げたいなと思っています。正確には今年で独楽劇場は11周年を迎えているのですが、昨年度、10周年企画をコロナで断念したので、今年に持ち越し『10周年企画』をやります。これは演劇にこだわった企画で、私が個人的に『よい!』と思ったことを企画し、皆様に演劇ってすごいなあー。面白いなあー。と思って頂けるとよいなと思っています。文化庁の補助金で初めてのプロデュース公演にも取り組みます。諫早から面白い演劇を発信していきたいと思っています。

今年はお祭りをやり、来年以降は、またコツコツと地域とそれから九州の演劇シーンが盛り上がれるような取り組みをやれたらと思っています。コロナ禍が終わったら、韓国演劇などともコラボしたいですね。せっかく西の果て、長崎で演劇をやっているのですから。
演劇を観たり、演じたりするのが特別ではなく、日常の中にあり、地域の方に愛される劇場になっていくのが理想ですね。わいわいと楽しいことをこれからも20年30年続けていきたいですね

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