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2023年に描いた1961枚の中で自分のお気に入りを選ぶ。

2023年1月1日から12月31日までで、1961枚描いた。
絵もあればイラストもあればポエムもあれば漫画もある。
今年もよく描いた。
そんな趣味のお絵かきを2016年辺りから続けている。

今年描いた1961枚

「一日一枚描こう!」なんてルールや目標は設定していない。
そんな小学生の宿題みたいなものを設定した瞬間、僕はきっと自分のつまらなさに絶望してただちにやめてしまうだろう。
続けるのに努力が必要なことはさっさとやめた方が自分に対して誠実だ。

絵というのは不思議なことに、昨日より今日のが上手いなんてことが全くない。楽しいのは描き始めの30分くらいで、それを過ぎると後は「どうこの失敗作をごまかそう」ということしか考えられなくなる。
多分プロというのは失敗作をその場で破り捨て、満足いくものが出来上がるまでやり直すのだろう。僕には出来ない。

一日一枚!なんてルールはないが、
失敗作も全てその場でアップロードする」というルールは厳格に守っている。
だから数だけが膨大になる。おそらくこのルールを守って「人に見せるのが恥ずかしい」「人を楽しませたい、感動させたい」という自意識さえ抑えこんでしまえば無限に描き続けることができる。これは誰にでも当てはまると思う。

それでも2、300枚に1枚の割合で偶然お気に入りの絵が描けることがある。
もちろん少し時間を置けば「全然だめだこんなの」となるのはわかっているけれど、これは描いてる時楽しかったなと大晦日に振り返って選んでみるのも楽しい。今年からそんなことを始めてみようと思った。


2023.3.23「クレーのいる絵。」


2023.3.26 「アトリエ。」


2023.3.29 「2023年の『そのせつは。』」


2023.3.31 「さみだれライト。」


2023.7.5 「まいちん。」


2023.7.10 「聞き分けがいいだけのオトナになる前に。」


2023.7.22 「セキグチ。」


2023.9.3 「四季。」


2023.10.20 「絵。」


2023.12.14 「さみだれデイズ。」

お気に入りの絵とは上手な絵ではなく、描いてて楽しかった絵のことだ。それは後でこうして振り返ると線の引き方や影の付け方で自分でわかる。
ほとんどの自分の絵や漫画は後で見ると不満しか感じないが、ここに挙げた10枚は直したい部分が比較的少ない。

でもきっと来年の大晦日に見たら「全然だめだ」と必ず思うだろう。
そんな経験を繰り返したくて、どんな失敗作で恥ずかしくても全てアップロードしその日その時の刻印としてサイトに公開しておくことにしている。

大学の美術サークルで油絵やデッサンを描いていた頃は永久に完成させることができず、1年かけて未練たらしく同じ絵を修正し続け、結局1枚も出来上がらないことばかりだった。
そして1年後に振り返るとその1年はひどく無駄な時間だったように思え、憂鬱な気分になって「なんで絵なんて描いてんだ俺」などと絵のせいにし、自分を甘やかすことばかりだった。

結局それは僕の貧しいプライドや虚栄から生まれる、人に認めてもらいたい、褒めてもらいたいという欲がとらせた行動のように思う。
今もそんな気持ちはあるけれど、来年50歳を迎える今、人に褒められたいという欲は遥かに薄くなり、それ以上に勝手に生きていたいと強く願うようになった。

やる気のある日はやる気のある絵が描け、ない日はない絵が描け、その日の気分を言葉ではなく絵に託して生活している。
こんなにも自分は情緒不安定にできているのかと、今日その1961枚を見返していて思った。

ああ、ちっとも悪い気分じゃないよ。
正直な自分に対して
自信がわいた。

おわりに

毎日見て毎日応援して欲しいとは思っていません。
時々眠れない夜、サイトを覗いてその気分に合うような絵を探してみてください。

そうやって眠れずに詩集を眺めたり朝まで手紙を書いたりした、あの思春期の憂鬱をこれを読んでくださっているあなたと共有できれば、それ以上に望むことはありません。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

青春モノクローム
長谷川レイニー

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