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「新聞紙もってきてください」の文化

「文化」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。

伝統工芸品や伝統芸能以外に、挨拶やしぐさといった生活習慣も思い浮かべる人も今は多いように思う。

私もそうだ。
だから、なんとなく、自分は自分の文化を客観的に捉えられているような気がしてしまっていた。


授業で聞いたことだ。
先生は以前、外国にルーツをもつ子供たちへの日本語支援のボランティア教室で新聞紙をせっせとコピーする子を見かけたことがあるという。

どうして新聞紙をコピーしてるの?
と聞いてみたところ返ってきたのはこんな回答だった。

「学校で『新聞紙もってきてください』と言われたんだ。」

。。。

日本の小学校ではしばしば、「新聞紙もってきてください」と言われることがある。

そしてそう言われると、他に何も聞かなくても多くの保護者は「ああ、習字の授業があるのかな」「絵の具の授業があるのかも」と想像する。

当たり前のように。

でもその”当たり前”を知らない人からしたら、新聞紙ではなくて要らない紙ならおよそ何でも良いというところまで理解することはできないかもしれない。

だから、その子は「うちでは新聞紙をとってない。じゃあコピーして持って行かなきゃ」と思ってしまったのだろう。


これはとても些細な話だけれど、その表現は誰もが理解できる意味なのかな?と立ち止まって考えることの大切さを感じた。



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