見出し画像

幸せの音色

京都文化博物館の別館は、煉瓦造りのとても素晴らしい建物で、あの東京駅と同じ建築家さんが設計したものであり、旧日本銀行だったと聴きました。

現在、コンサートホールとして使われている空間は営業室だったとか。なんて天井の高い美しい営業室でしょう。デザインも。

初めて訪れた時、ドレクスキップさんがリハをしている最中で、降り注ぐような音の響きに打たれました。 ギャラリーはその右奥にあるのですけれど、今も耳にずっと残っています。

2021年の文化博物館別館ギャラリーでの個展では8日間くらい在廊して、その空間に身を置き、
わたしはよく「みずうみ」と喩えるのですが、
時空の歪む場所、波打つ古いガラスの向こう、
時間の流れが一方通行ではなく、 その場所に立つと本を再読するように、過去に出会ったひとと再び出会ったり、
記憶や想像を燃料として、今とは別の人生、列車が走り出すような宇宙。

その場所で流れる音楽は、どこか郷愁を帯びた、雨の音に似たようなピアノがいいのではないかと思っていました。

どなたにお願いしようと考えていたところ、たまたま蝦名摩守俊さんがピアノも弾かれることを知り、しかもご実家の稚内にあるそのピアノはスタインウェイ。

スタインウェイ。ビルエヴァンスも使っていたピアノ。どこか少しくぐもった音(ベールに包まれたようなビルエヴァンスの演奏にとても合う音)がするのですが、わたしはそこも魅力的だと思っていて、今回オファーしてみたところ、快く引き受けてくださったのです。

今年はなんだか描いている間、殆ど無意識でした。 摩守俊さんのほかの楽曲を流していると自然と何かを描き始めたりしていて、わたし個人では生まれなかった新しい絵が色々描けたのではないかと思います。 いつもより少し明るいかも。

絵と音楽をみずうみのような空間で。 日常を離れて、皆さまと何処か旅するような一日をつくりたいと思っております。

4月6日にはその蝦名摩守俊さんをお招きして、京都文化博物館別館ホールでコンサートも開催させていただきます。

昨年リリースした『夢見列車』が北海道から京都へ。 ちょうど桜の頃かと思います。

摩守俊さんは関西でのLIVE、3年ぶりとなるようです。 でもきっとその時間も飛び越えてしまうでしょうね。
皆さまにお会いできることを楽しみにしております。

鈴木美絵 京都文化博物館〈別館〉JARFO個展
『幸せの音色』
2023年4月4日〜4月16日
11:00〜18:00
最終日は16時まで
※休館日4月10日 入場無料

蝦名摩守俊コンサート
京都文化博物館〈別館〉ホール
guest 鈴木裕 (violin)
2023年4月6日
open 17:30 start 18:00
前売り¥3,500 当日¥4,000
ご予約 http://ebinamasutoshi.com/ticket/

地下鉄「烏丸御池駅」5番出口から徒歩5分

大切に使わせていただきます。 画材を買って、また新しい絵を描いてゆきます。 応援していただけたら嬉しいです。