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【プラチナ】はいつからチャンピオンの座から降ろされたのか?「金の半分以下」になったプラチナ相場を考える。「埋蔵量は金の30分の1」というポテンシャル。

プラチナというと
金より上なイメージがあります。

クレジットカードなどのランクもGOLDよりプラチナですし

量でいっても金の「30分の1」しか採掘されておらず、まさに限りある資源であったりします。

そんなプラチナの相場ですが

ここ数年は4,000円から5,000円の間をいったりきたりしています。

30分の1の採掘量なら
金相場(約1万円)の30倍の1グラム「30万円」にならないのかな?

なんて疑問もありますが

金の半分以下に甘んじている理由は何なんでしょうか?

◆プラチナの役割

CHATさんに聞いたところ

・自動車の触媒コンバーター用途が最大の割合を占めており、全体の約40%前後を使用している場合が多いです。これは自動車排ガスの有害物質を減少させるために不可欠です。

・宝飾品製造が約30%程度で、プラチナはその美しさと希少性から高級ジュエリーに利用されます。

・化学工業や石油精製での触媒としての使用が約20%程度あります。これには医薬品製造なども含まれます。

・電気業界およびその他の工業用途で約10%が利用されています。これには電子機器のコンポーネントや測定器具などが含まれます。

➡なるほど、車の触媒用途が1番多いみたいです。

あれ?
投資用は?
と思い聞くと

・プラチナの投資用途での割合については、これも市場の状況や投資家の行動によって変動しますが、プラチナは貴金属の中でも特に工業用途に使用される割合が高いため、投資目的での使用は相対的に小さい割合を占めています。

なるほど
とても小さい割合だったんですね。

➡ちなみに「金の用途」は以下の通りです

・宝飾品製造: 金の最大の消費者は宝飾品産業であり、全体の需要の50%以上を占めることが多いです。

・投資: 金地金、コイン、ETFなどの投資商品への需要も大きく、全体の約30%前後が投資目的で利用されています。

・中央銀行の保有: 中央銀行や国際金融機関による金の保有も重要な割合を占め、全体の約10-20%程度とされています。

・工業用途: 電子機器を始めとする工業分野での使用は全体の約10%で、金は優れた導電性と耐食性を持っているため、高性能な電子部品に不可欠です。

・歯科・医療: 歯科治療材料としての利用や、一部の医療機器にも使用されますが、全体の使用量としては小さい割合です。

➡金は、予想通り「宝飾品」と「投資用」が多いということでした。

そして、プラチナと金は役割の割合が違うということがわかったところで

今度は

◆プラチナの全盛期はいつなのか?

考えてみました。

だいたい金相場の倍位の推移をしていて
1980年頃に、金が急騰した時も一緒に急騰しておりますし

常に

金の兄貴分として


貴金属の王として

存在してきました。

そんな兄貴が最も輝いたのは

リーマンショック前の2008年頃になります。

記憶では確か

南アフリカのプラチナ採掘現場の電力不足で、連日の急騰

あっという間に

8,000円を超えました。


その時の金相場は
ようやく3000円を超えた位でしたので

まさに、キングオブ貴金属でありました。

そんな兄貴が
チャンピオンに浮かれる間もなく

今度はリーマンショックで

一気に

2000円代まで
急降下

という結果になり

世界経済の混乱から、金を買う動きが増え、ほぼ影響を受けなかった

金に逆転されてしまった

というわけなんです。

それでも、リーマンショックを乗り越え相場は戻ってきたのですが

◆それからのプラチナの兄貴は、まるで元気なしなんです。


上昇気流に乗った「金」は、さらに相場を上げていき、現在1万円を超え更に上を目指していますが

反対にプラチナは
ある事件により、更に元気がなくなります。

それが

2015年フォルクスワーゲンのディーゼルエンジン不正事件です。


フォルクスワーゲンの排出ガス不正事件は、2015年に明らかになった自動車メーカーの大規模なスキャンダルです。この不正は、フォルクスワーゲンがディーゼル車に搭載されたソフトウェアを使って排出ガス試験をだますように設計していたことに関係しています。このソフトウェアは、試験環境を検知すると、車両の排出ガス制御システムを調整して排出ガスの数値を一時的に低減させ、実際の走行時の排出量よりもはるかに低い結果を示すようにしていました。この発覚により、フォルクスワーゲンは多額の罰金を支払い、多くの車両をリコールすることになり、自動車産業の信頼性に大きな打撃を与えました。

これにより、プラチナへの抵抗が激しくなり(これだけではないですが)

より効率的で環境にも適応しやすい

「パラジウム」を採用する事となり

最も大きな役割を果たしていた「自動車の触媒」を取られたことで

プラチナの相場は伸び悩みます。

反対にパラジウムは
とんでもないことになります。

◆パラパラパラジウムの時代

「パラジウムの用途」は以下の通りです。

・ 自動車触媒コンバーター:パラジウムの消費の約75%〜85%を占めています。触媒コンバーターは排気ガス中の有害物質を無害な物質に変換します。

・ 電子機器:パラジウムは電子部品や電気接点材料などにも使われており、消費量の約5%〜10%を占めています。

・ 歯科用途:パラジウムは耐腐食性と安定性が高いため、歯科治療で使用される合金に含まれることがあります。これが約5%を占めます。

・ 宝飾品:パラジウムはプラチナに似た特性を持ちながらも比較的軽量であるため、宝飾品に使用されることもあります。宝飾品用途が約5%です。

・投資:金や銀と同様に、パラジウムも投資目的で購入され、バー、コイン、取引所取引基金(ETF)などの形態で保有されます。

・その他の用途:化学産業の触媒としても使用されることがあります。

➡圧倒的に車の触媒の割合が大きいです。

そんなパラジウムですが
勢いは金をも超えまして

2020年には、パラジウム相場は

10,000円を超えた程です。


そんなイケイケなパラジウムでしたが

そこまで高いと
当然プラチナに戻る勢いや新型自動車へのプラチナの用途の見直しもあり

現在はしゅんとなっております。

現在、ここ数年の最安値の5000円代となり、バブル期を懐かしんでいる様子です。

◆さぁ!行くのかい?行かないのかい?


そんなプラチナへの追い風もあり、プラチナ相場は、ここ数年の中で何回か5000円超えに挑戦しております。

ちょうど今(11月初旬)の相場も

5087円(店頭小売価格税込)
をつけ

パラジウムとほぼ同額となり

さぁ!行くのかい!

と盛り上がってきたのですが

そこから連日の急降下により

4700円を更に下回る勢いとなりました。

結果 行かない

みたいです。

ただ、忘れてはいけないのは

日本人は、プラチナが大好きな国です。

結婚指輪や婚約指輪をはじめ、おそらく世界の半分くらいのプラチナのジュエリーが集まっているはずです。

自動車産業も強いです。

そして、今でも
プラチナが1番高く良い素材たと思っている人たちも多いです。

日本が元気になることが
プラチナを元気にすることなのかも知れません。


さんさんと輝く太陽のような「金」に対して
「月」のようにひっそりと輝くプラチナは

日本人の気質にも似ているのではないでしょうか?

がんばれプラチナの兄貴


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