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Error

セカオワの"Error"を聴くとおもいだす。

わたしには、この曲の歌詞が動物実験の存在と重なる。

そうおもう理由のひとつにちいさな二匹との物語がある。

出会いは高校二年のとき。
二匹は実験や動物園のフクロウのご飯になる為に繁殖させられていた。

二匹を初めて見たとき、可愛くて可愛くて、わたしはこの子たちを家族に迎え入れる事に決めた。

ほんとうはそこに居た二匹の仲間全員を救ってあげたかったのだけど。

うちにきた日の写真。ひとり暮らしのわたしの生活が一瞬で色付いた。

まず姉妹に名を付けた。以下、写真上をウぅちゃん、写真下をスぅちゃんと呼ぶ。

ウぅちゃんは、甘えん坊でオットリした優しい性格。
スぅちゃんは、ウぅちゃんとは対象的で人懐っこくはない、「キー」っという声と顔に出やすい性格。

小さな小さな身体だったけど、わたしたち人間と違う事なんて見た目くらいで、
個性があって感情があって…。
とってもとっても愛おしい存在になっていった。

"Error"と姉妹を繋ぐ歌詞。

僕は戦うために作られた
軍事用ロボットとして生まれた
たくさんの人を傷付けて、勝つたびに褒められた

SEKAINOOWARI Error

始めと終わりのフレーズ。

幸せになる為ではなく、立場が上位の誰か他人の為に生まれてきたのだと、
そんなふうに捉える。

この上位の誰かの為なら、自分は犠牲になってもいい。褒めてもらえる事が、自分にとっての喜びなのだから。

食品、薬、化粧品、その他…多くの人間社会において安全性を確立する目的で生きる実験動物たち。

歌詞と彼らの姿が重なる。

実験動物については、是非見ていただきたい動画がある。

動物実験の恐ろしさは身に沁みて感じていたので、ウぅちゃんとスぅちゃんを一目見て抱きしめたくなった。

もう安心していいんだよ。自由に生きよう。わたしがここから出してあげるから。

一緒に暮らし始めてからも、何度も伝えた。

学校から帰りケージから出すと、部屋の中を駆け回った。
果物が大好物だった。
炬燵の板をとった上で寝るのが好きだった。
布団に一緒に寝転んだ。
大好き。毎日言った。

一歳の誕生日を一緒に迎えた。

夜空に容赦なく降る銃弾
銃が当たった事なんかなかったのに
腕の中にいる君を見てわかったんだ
僕は君の家族になりたかったんだ

SEKAINOOWARI Error

ウぅちゃんとスぅちゃんとずーっと一緒に居たい。二匹とならどんな壁も乗り越えられる。わたしがこの子たちを。何があっても守り続ける。

一歳と半年、ウぅちゃんが息を引き取った。
わたしの手の中だった。

それから、ひとりになったスぅちゃんは、身体に浮腫ができた。

痒みが続き、病院で診てもらった。ストレスではないかと言われた。

ウぅちゃんとスぅちゃんは生まれてからどんな時も共にしてきたから、ウぅちゃんが居なくなって
寂しかったんだとおもう。

通院と毎日二回の薬。がんばった。

二ヶ月後、スぅちゃんもウぅちゃんのあとを追って、お空へ旅立った。

わたしがした選択が、二匹にとって正しかったのか如何かはわからない。

だけど、二匹との出会いがわたしの日常を遥かに豊かなものにしてくれたのには間違いない。

それと、人間の為に生きるはずだった二匹の運命も少しは変える事ができたのではないかとおもう。

ただ願う。
わたしの大切なウぅちゃんとスぅちゃんの仲間たちが、きょうも明日も幸せで居られるように。


最後まで読んでいただき、ありがとございます。
どうか、実験動物として生きるどうぶつたちの事が少しでも多くの皆様に届きますように。

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