死後の焼肉パーティー

自分が死に、葬式が開催された際は是非やってほしいことがある。
参加者の皆様に是非焼肉を振る舞いたい。焼肉パーティーをしてほしい。

高校生の時、祖父のお葬式へ出席した。
祖父が火葬されている間、出席者に昼食で精進料理が提供された。

肉、魚を出さないということで、出るのは主に野菜類。
その時めちゃくちゃお腹すいてたのもあり、ちまちましたサラダや煮物(しかも不味い)では全く満足できなかった。
唯一腹に溜まりそうなのが芋の天ぷらで、いろんな大人から芋を巻き上げて食べた。

そもそもなぜ葬式後に精進料理を食べるのか聞いたところ、仏教の考え方らしい。
亡くなったあと故人が浄土へ行けるよう、遺族は肉・魚を食べないようにするとのこと。

(いや、もう死んでんだからさ…よくない？)
私は死後の世界はあまり信じないタイプである。

結局芋天ぷらだけでは満足できず、空腹のまま骨上げに参加した。

後から葬儀のことを思い出しても、料理が不味すぎて空腹だったという不愉快な思い出しかない。

自分だったらもし死んだ後、遺族にこんな思いをさせるのは嫌だ！
絶対肉とか食べた方が楽しいっしょ！
「皆さんお肉焼いてくださいね〜、私も焼かれとくんで笑」てことで。粋な死人じゃない？

高校生ながら、その時「自分の葬儀の際は、火葬中に焼肉パーティーをしてもらおう！」と強く決意したのであった。
死んだ後でも他人からの目を気にしてしまうのである。