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毎月のお支払いが大変

 どんどん増えているサブスク。いわゆる月額課金制のコンテンツ全般を「サブスクリプション」と呼び、近年コンテンツ配信のサービスが増えてきたことによって広く浸透してきているように感じる。わたしがサブスクリプションという言葉を知ったのは、ソフトウェアのサブスクリプションライセンスがきっかけだった。それまで買い切りライセンスで、メジャーバージョンアップで「アップグレード版」を購入する、というような売り方が一般的だったのが、最初から月額課金制になり、その代わりいつでも最新版が使えますよ、というようなものが登場した。今ではかなり小さなソフトウェアでもサブスクリプションライセンスを採用しているものが増えている。

 こういうものにいったいいくら使っているのか、ということが気になり、ちょっと調べてみた。今回ここでは、わたしが払っている月額課金のものを広く集めてみようと思う。

 以下は1か月あたりの金額。

コンテンツ系

U-NEXT 2189円
Netflix ベーシックコース 880円
Spotify 980円
NHK受信料(地上波) 1225円
計:5274円

NHKは衛星放送が見られない環境なので地上波のみを支払っているけれど地上波もほぼ見ない…。

オンラインサービス(クラウド、SNS等)

note プレミアム 500円
Googleストレージ 1300円
Office365 2992円 (2アカウント)
レンタルサーバ 1320円
計:6112円

雑誌

文芸誌一誌(年間購読) 1400円
現代思想 1400円
note の月額コンテンツ 500円
計:3300円

 文芸誌の定期購読は一年につき一誌に限定している(もちろん金銭的な理由)。どの雑誌を読むかはその年ごとに決める。今は「すばる」を購読中。実は「すばる」は気に入って今二年目。二年目が満了したら別の雑誌にしてみようと考えている。
現代思想は価格が一定ではないけれど平均的にこのぐらい。別冊も気に入ると買うのでプラスアルファ。

 noteの月額コンテンツは興味があるけれど買えていないものが多い。買い始めるとキリがないので。今はサークル1つに加入しているのみ。

 ここまでで14686円、プラスアルファ。

 この他に携帯の使用料、インターネット回線使用料、ドメイン管理費用、各種ローン、光熱費などがかかる。現代はモノイリよのぅ。

 実は、他にもWeb系のメディアの課金コンテンツで気になっているものもいくつかある。でも月額1000円、とか言われると、この状況からしてもはや苦しいのですね。キュレーションサイト的なやつで割と1000円って標準的なのだけれど、現代思想の本誌や文芸誌が1400円って考えると、それに対して1000円の価値のあるコンテンツなんてめったにない。あれだけ質の高いオリジナルコンテンツを作っているNetflixだって880円…。

価格設定の難しさ

 このように考えると、Webメディアの月額課金の価格設定って難しいということがわかる。あんまり安すぎるとサービスを維持できないだろうし、かといって1000円と言われると割高感がある。ということはものすごい量を売って価格を下げるしかないということになりそうだけれど、Webコンテンツって購読者が増えたら価格帯が下がったりするのだろうか。おそらくそれはしないんではないかと思う。価格を下げると価値まで下がったように見えるから。

 note のプレミアムも内容の割には高いなとは思う。価格はそのままでいいからもう少し「プレミアム」になってくれるとありがたい。一般的な小説投稿サイトだとどこでも無料でついている時間指定投稿機能をプレミアム設定にしているのはちょっとひっかかる。もう少しプレミアムな内容にできないものか。例えば月額コンテンツの利用料金を割り引くとか。プレミアム会員は半額で買えます、とかいうことになるとメリット感は大きい。

 U-NEXT はそれがうまいので、月額の価格は高いのだけれど満足度も下がらない。税抜き1990円の料金で、プレミアムコンテンツ(有料コンテンツ)を購入できるポイントが1200円分ついてくる。つまり1990円課金して使っていると、1200円分の有料コンテンツが無料で買えるわけだ。

時間も同様に貴重

 と、ここまで金の話をしているけれど、可処分範囲が問題になるのは可処分所得だけではなく、時間の方も重要だ。すでにわたしなど、こんなにたくさんのコンテンツを買って元を取れるのか、という問題が生じている。

 今、元を取れていないのは(NHKを除くと)実は文芸誌だ。手元にあれば後でも読める、的なアレでもって後回しになり、三号分ぐらいたまるともう戻って読むのがツライ。そしてそのまま積まれていく…。結局気になる連載だけ読んでいる、みたいなことになる。しかも困ったことに、「すばる」は書評が面白く、書評を読むとそこで紹介されている本を買ってしまう。するとその本を読むことによって、書評コーナー以外の「すばる」を読む時間が無くなる…。

 一番元を取っているのはU-NEXTで、付与されるポイントはめいっぱい使う(現在残ポイント数は1円分…)し、ほぼ毎晩映画を一本見ている。Netflix はオリジナルのコンテンツを見ようと思うのだけれど、やはりこれも気になるもの全部は見られない。時間が足りない…。

 このような有様でNHKを見る時間はないのだけれど、NHKは見るかどうかにかかわらず払わねばならんので払っている。衛星放送はアンテナがあると支払い義務が生じるという話だったのでアンテナのないところに住んでいる。もちろん他の衛星チャンネルも見られないわけだが、もとより見る暇がない。

 この自分のあり様を振り返ってみると、自分が逆にコンテンツを売る側になるのを想像して暗い気分になる。わたしのような状況にある人に何かを売ろうとすると、ものすごく安く売るか、もしくは上に挙げたようなものに比肩する内容を出す必要がある。そのハードルは非常に高い。いまこのようなサブスクの世になってきて初めて気づいたのだけれど、もともと紙の雑誌が安すぎるのだ。広告だらけの雑誌ならまだしも、文芸誌など広告だってほとんど自社のもので、それであの充実の内容で月額1000円ちょっと。どう考えても安すぎる。そういうものを買っていなければ気にならないのかもしれないけれど、わたしのように片方で紙の雑誌を買って、もう片方でWebコンテンツを買おうとする人にとって、この天秤はどうやっても釣り合わない。

 とはいえ、文芸誌もっと高くていいよ、と思うのだけれど、実際「じゃぁ2000円です」って言われると苦しいし、それでかえって買う人が減ってしまうとそれはそれで違う。コンテンツの価格設定って本当に難しい。まして自分の作品に値段をつけるのは、本当に難しい。

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