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映画「全員死刑」感想

なんか思いっきりバイオレンスなやつが観たい!と思って視聴。
2017年の作品。
以下間宮さん中心に感想です↓


■首塚タカノリ

小物感のある、22歳のヤクザくずれのチンピラ。
金髪オールバックにヒゲに入れ墨に方言。
タバコにシャブにドスにチャカ!

怒鳴り方とか、田舎にいる怖そうなあんちゃんみがリアル。
次々と人を殺していって、精神を病んで転落していく様は、ある種のデカダンスすら感じる。

誰がどう見てもド悪人なんですが、家族のために殺しをやって、最終的には精神的に追い詰められて幻覚が見えたりしてたので、生粋の悪ではないのかな、と個人的に思いました。
(おじいちゃんに飲み物買ってあげたりしてたし、彼女のことは本当に惚れてたみたいだし)
間宮さんの演じた役柄だと、自分のために殺しをしなくてチンピラみが強くなった東リベの大人キサキって感じ…?

シャブでキマってるシーンの迫力ある演技が、今でも目に焼きついてるくらい印象に残ってる。

2017年の作品なのでちょうど帝一と同じくらいですが、同じ金髪ヤンキー系の氷室先輩とは全然違くて、本当に同じ俳優さんが演じてる!?ってなりました。
色々作品を観てきて、ようやく「間宮さんは役によって人が変わる」っていう評価がわかってきたところです。

■ストーリーなど

かなり男性向けな作品ゆえ、好き嫌いが別れそうな映画だけど、間宮さんの怪演がとにかく圧巻。
間宮さんの演技を観たい方にはおすすめです。
ただ暴力!金!女!な感じなので、人と一緒に観るのは控えた方がいいです。1人でじっくり鑑賞しよう。

毒家族によって殺人犯へと堕とされるタカノリが哀れでもある。
すかっとするヤクザものというより、日常の延長線上にある薄ら寒さに絡みつかれて、じとっとした脂汗が出るような感覚がする映画でした。

こういう映画特有の、女の人が数人出てきて誰が誰とどんな関係性なのかわからなくなるやつ。

意外とホラー要素が多くてびっくり。
1番怖かったのはロープで首絞められてる時のショウジの顔…目が飛び出ててトラウマになる…。
おじいちゃんがにちゃあ…って笑うところ、背後からパトラさん、タカノリが見た黒い影、川の中の死体の幻覚とかも怖かった。。

タカノリは元々シャブやってたりひき逃げ指示したりと、アウトローな人物ではあったけど、人を殺してしまってから身も心も壊れてしまった印象。
救いも全くないので、感情移入して観ると、じっとりとして後味が悪い気分で終わるストーリーかも。

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