〈これまで〉は《これから》のために 石野理子(赤い公園)が歌う希望のうた(9 完)

本稿を書いている

前日(2020年5月21日)、

東京都と北海道を除く45府県で

緊急事態宣言が解除された。


街には、早くもにぎやかさが

戻りつつある。


しかし、新型コロナウイルスの確かな治療法はまだない。

マスク着用、ソーシャルディスタンスと言った“新しい常識”、

そして“見えない敵”と向き合う日々は

これからが本番だ。


ライブイベントの再開にも、

ようやくガイドラインが示された。


赤い公園が

ニューアルバム「THE PARK」をひっさげ、

初のホール公演で始まる


「はずだった」

〈SHOKA TOUR 2020〉は中止となった。


アルバムのプロモーションでも、

ラジオ番組には「リモート出演」が続いた。


それでも、公園の4人は

日本のロックバンドではいち早く

「在宅ライブ」を敢行するなど、

積極的に打って出る。




新型コロナウイルスは依然として、

私たちの生活が死と隣り合わせであると感じさせるほどのインパクトだ。



こんな「ご時世」にあって、

公園の4人はやたら威勢が良い。



この「源」はどこにあるのだろうか?


こんなことで負けてたまるか!ここからが面白いところ!

新ボーカルに石野を迎えたときの、

津野の〈叫び〉が思い起こされる。



石野の加入まで、

公園はほぼ死んでいた。

かたや、公園に入るまでの

石野も…。


石野が所属した

アイドルネッサンス、



「アイドル再生」の願いを込めて

名付けられたグループ名だった。


その願いが大きく花ひらくことはなかった。

皮肉なことに

歌手としての再生に石野が求めた先は、

赤い公園の再生を新ボーカリストとして果たす、という使命。

その石野を迎えた赤い公園が

再生を誓った♪消えない


ところで、

白血病からの再起をかけるアスリート、

池江璃花子が所属するスポーツクラブの名前をご存じだろうか?


「ルネサンス」



ちまたでは、ルネサンスの名前があふれる。

高校からお笑い芸人まで…


Wikipediaによると、

アイドルネッサンスと言うグループ名は

某化粧品メーカーのキャッチコピー

〈コスメティックルネサンス〉が

由来のひとつ、とされる。


この、ルネサンスという名前がはん濫した

2010年代は、


東日本大震災がきっかけとなり

私たちにとって生命の危機が身近なものとなり、

〈不安〉こそが日常となった。


そして、新型コロナウイルスが流行…。


そんなさなか、

「THE PARK」は産み落とされる。


再生に生きる赤い公園は、

死中を生き抜く私たちに、


強く声を上げる。


生きろ!

死に坑(あら)がえ!

前へ進め!


♪yumeutsutsuはそう言いたげだ。


私ごとだが…。


筆者が赤い公園に、石野理子に出会ったのは

おととし(2018年)の6月。



VIVA LA ROCK 18'

「石野理子公園デビュー」動画が

YouTubeにアップロードされていたときだ。



当時、筆者は生命の危機的な常況にいた。

プライベートでもいくつもの重大なトラブルを抱え、

アップアップだった。


そんな中、

石野理子のパワフルなボーカルは

リズム隊たちは、

瀕死の筆者に


生きろ!





と、ハッパをかけていた。





動画のアップロードは違法だったため、

動画はたびたび削除された。


それでもなんとか動画を探し、

むさぼるように繰り返し視聴した。




まさに、赤い公園の動画は

こころの命綱…




でさえあった。

その後、

懸命な治療の甲斐あって快復。

現在に至る。



筆者は連日の新型コロナウイルス報道で

おととしまでの日々を思い出すことが多い。



その一方で、

そこそこの健康状態こそ取り戻したものの…と言う毎日だ。




それでも…


やはり希望はある。

前へ進むことが出来る。

なぜなら、

なんとか死中を生きた“わたし”自身、

今も公園の4人に背中を押される日々

だから。



one teamでなくとも良い。

孤独でも良い。



one earthを生きるわたしたちの

one lifeは、

軽いようで重く弱いようで強い。



かけがえのないonly one…





赤い公園は〈3+1〉から《4》に

UNITEし

《これから》の希望を奏でている。




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