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3分で読めるレイルロオドのお話「トップナンバーの広報」&WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第14話シーン3ネーム&字コンテ公開

本日は大変暑うございましたね。
わたくしも汗をたくさんかいて、かなりの疲労をしてしまいました。

みなさまも塩分水分しっかりとって、猛暑、どうぞご安全にお乗り切りくださいましです。

暑いといえば蒸気機関車の運転台(キャブ)の中。

力行――石炭をがんがんに炊いて走らせているとき――などは、
平時でも気温50度に達するというお話ですので、
この猛暑だとどれほどの暑さとなるのか、まるで想像も付きません。

ましてや蒸機華やかなりしころ。
東京-神戸を超特急つばめが9時間で走り抜けていたころの暑さはいかほどだったのでしょうか――

と、ここまで書いて、「当時の平均気温はどんなものだったの?」ということが気になってまいりました。

ので、特急燕の運転が開始された昭和5年の8月の平均気温を調べてみると――
なんと、26.2℃という驚きの涼しさでした。

今年の8月とか、平均気温36℃でも驚かない感じですので、日本の夏はずいぶんと暑くなったものなのだなぁと感じます。

そんな真夏――夏休み期間中に開催されている
「8620復活準備展示会」の様子を描いております、
WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』の第14話。

先日公開のシーン2のネームがこちら


その続き、シーン3のネームがこちらとなっております。

シーン3では稀咲が登場。
オールヒロイン揃い踏みの様相を呈してまいりました。

そんななか司会進行役として孤軍奮闘しておりますハチロク。

トップナンバー・レイルロオドはその立ち位置上、広報のしごとを任されることも多いとのことですので、
そうした経験をきっと活かしているのでございましょう。

というわけで本日は、ハチロクに過去の広報の仕事について訪ねてみる短いお話を書いてみたいと思います。

タイトルは「トップナンバーの広報」

どなたにも無料でお読みいただけるコンテンツとなりますので、
よろしければどうぞ、ご笑覧いただけますと幸いです。

■ハチロク■


旧帝鉄8620形蒸気機関車トップナンバー機8620専用レイルロオド。
品行方正な日ノ本撫子であり、職務に忠実。
広報経験も豊富なはずなのだが、いまひとつこなれている感じがない。

■「トップナンバーの広報」■

(あらすじ)
御一夜鉄道の周年イベントの司会進行役を終え、
ぐったりと疲れた様子のハチロク。
その姿に疑問を抱いた双鉄は、素直な質問をぶつけます
///

「確か……トップナンバー・レイルロオドは広報の仕事が多いという話ではなかったか?」

「それは左様でございます」

素直な疑問に、素直な返事。
が、声にハチロクらしくもない、ほんの僅かにすねた感じが混じって聞こえる。

「左様でございます――”が”といったトーンに聞こえるな」

「……わたくしの胸のうちまで、双鉄様はお見通しになられてしまうのですね」

すねたようなセリフだけれども、今度は一点、どこか嬉しげにも聞こえる声だ。

「確かに広報の機会はたくさんございました」

「うむ」

「けれどもそれは――今回のように、喋るお仕事ではなかったのです」

「と、いうと?」

「トップナンバー・レイルロオドが広報に動員される機会は、大きくわけで3つあったように思います」

ひとつは、既存路線に8620形の妹機が投入されるようになったとき。

ひとつは、同様に8620形の投入が決定している新線が開通したとき。

ひとつは、8620形が走っている既存路線に、新駅が設けられたとき。

「――どのようなときであれ、もちろん主役は常に、重要な役職につかれている人間の方でした」

「ああ――」

思い出す。
旧帝鉄でレイルロオドは、どこまでも備品でしかなかった……という話のことを。

「わたくしたちレイルロオドの広報のお仕事は、ごくごく稀にデモンストレエション走行のサポオトをさせていただける程度。
そうでないほとんどのときには、お話されてる主役の方の傍らで、にこにこと微笑んでいる――
ただそれだけのことだったのでございます」

「なるほど――そもそもレイルロオドが人前で……
鉄道員ではない、一般市民のみなさまの前で話すこと自体が、
そうそうはないことだったのか」

「左様ですね」

頷いて、ふっとその表情がやわらかになる。

「その風潮が変わったのは、D51の登場――いえ、より正確には
D51 840の登場を待ってのことでした」

「D51 840――デゴイチハシレ。確か、いまは高嵜鉄道に所属している」

「はい。『プリンス・オブ・レイルロオド』――ランさんの存在が、
わたくしたちレイルロオドと一般市民のみなさまとの、いわば、
最初の架け橋となったのです」

「すずしろではなかったのか」

「すずしろさんが女優レイルロオドになったのは、大廃線のずっと後のことですし」

「ああ……そうか」

確か、すずしろの女優デビュードラマ、『すずしろ』は、
帝鉄回顧――そうした風潮を受けて作らえたものだと誰かに聞かされたことがあったか。

「『レイルロオドに女優をやらせてみよう』という発想も、
そもそもランさんの活躍がなければ、決して出てこなかったものでございましょう」

「ほう。ランは――それほどまでに凄い、いわばエポック・メイキングを果たした
レイルロオドであったのか」

「まことに左様でございます。D51 840のラン。
かのレイルロオドでしたら、司会進行など苦もなく務めるのでございましょうが」

言って、ハチロクは肩をすくめる。

「ランさんのD51と違い、わたくしの8620は、旅客機でございますからね」

「うむ?」

「旅客輸送以外のお仕事となりますと、『荷が重い』のでございます」

;おしまい

///

いかがでしょうか?

こんな感じに、TVアニメ『レヱル・ロマネスク』に登場した/登場するレイルロオドたちのことも描いていきたい、
WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク』0。

どなたにも無償でご確認いただける0~7話のネームはこちらとなります。

よろしければどうぞ、あわせご笑覧ください。

(それ以降のまとめはメンバーシップ特典です。よろしければメンバーシップご参加の上ご覧いただけましたら嬉しいです)

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『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』

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『レヱル・ロマネスクゼロ』の字コンテ掲載時には、その字コンテがネーム化されたもの、および推敲過程でボツになった未公開ネーム画像などがあるときには、そうしたものも公開していきたく思っております。

どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。

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