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近江姉妹に学ぶ、比翼連理のゆうぽむ――アニガサキ2期12話「エール!」

こんにちは。かみなりひめです。

毎回同じような文言で始めている気がしますが、
一週間が怒濤のように過ぎていきました。
ということは、アニガサキ!です!!

アニメ
ラブライブ!
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
2期第12話「エール!」

海外から届いたメールを目にする歩夢と、
作曲コンクールのポスターを眺める
姿で幕を閉じたのが前回・第11話でした。

ともに明るい顔をしているわけではなさそう
でしたが、苦悩する二人はその悩みをある人
相談することになります。

その人こそ

(はにゃ?みたいな顔である)

近江彼方ちゃんなのでした。

さて、人間性の悪いワタクシは、
ふとこんなことを考えてしまいました。

「え? なんで彼方ちゃんなん??」

1. まずは話の整理から

ロンドンからのファンレターを目にして、
短期留学を考え始める歩夢と、
作曲コンクールへの参加が脳裏によぎる

それぞれお互いに打ち明けられず煩悶する姿を
さりげなく見ていた彼方は、二人の苦悩
聞いてあげる役回りに自ら立候補するのでした。

まずは、二人の悩みを整理してみましょう。
ちゃんの悩みは以下の通りでした。

侑「歩夢には、コンクールには応募しないって言ったけど、少しだけ挑戦してみたい気持ちもあるんです。結局、怖い気持ちのほうが勝っちゃってるんですけど。」
彼方「そっかー。なんで侑ちゃんは、それを歩夢ちゃんに伝えなかったのかな?」
侑「なんでだろう。多分、私と歩夢は、同好会に入ってからお互いに相手の背中を押してここまで来たから。私が立ち止まってるときは、歩夢がまた押してくれるって、勝手にそう思っているのかも。」

(アニガサキ2期12話における侑と彼方の会話より)
(侑ちゃんの飲み物はどーした?)

かたや、歩夢の悩みはこんな感じ。

歩夢「二週間の短期留学なんだけど、メールをくれた子たちが住んでる街で直接会って手助けできるかもって。」
彼方「なんだか壮大な話だねー。なんでその相談を彼方ちゃんに?侑ちゃんに言ってないの?」
歩夢「離れてしまうのが、怖くて。侑ちゃんとは同好会に入ってからも、ずっと一緒に進んできて。でも、やりたいことは同じじゃないから、このままお互いが進めば進むほど距離は離れていって、そのうち同じ場所にはいられなくなってしまう。今は大げさな話だけど、いつかはそんな現実が来るんじゃないか、と。」

(アニガサキ2期12話における歩夢と彼方の会話より)
(書道ガールがいるのもラ!のお約束)

彼方が言うように、二人の悩みというのは
本質的には同質のものです。

二人で一緒に歩んだ時間が長いからこそ、
離れていくことが想像できず、次の一歩を
踏み出せないでいるということです。

そのようなことに気づいている彼方は、
ちゃんへの愛溢れる書を抱えて歩きつつ、
次のように振り返ります。

要するに、二人とも同じ理由で足踏みしちゃってるってことだよね。お互いがお互いの背中を押したら離れ離れに……。一緒にいられたらいいのに、って気持ち、彼方ちゃんにも分かるよ

(アニガサキ2期12話における彼方の独白より)
(持って帰るの大変そう)

さて、ここで注目すべきは、
なぜ彼方がここでの侑・歩夢の気持ちを
 理解できるのか?
」ということです。

ここで、侑・歩夢の気持ちとは、
一緒にいられたらいいのに」であると
彼方が理解していることがまず前提です。

なぜ、この役割が「近江彼方」でなければ
ならないのでしょうか?

2. 比翼連理のButterfly

彼方侑・歩夢の相談を聞くことになった
経緯をここまで確認してきました。

メイン回がなかったから……」みたいな
制作側の事情としてではなく、
なぜこの役割が他の二年生とかではなく、
近江彼方に託されたのでしょうか?

ヒントは、物語内で同時に進んでいる
ラブライブ予選にありました。

虹ヶ咲学園は出場しない選択をしましたが、
藤黄学園紫苑女学院などはエントリー。
予選突破を目指して日々練習中でした。

ということは、あの学校だって
同じく練習に一層励んでいるのです。

近江彼方の妹・近江遥が通っている
東雲学院だって例外ではありません。

11話・12話とかけて、ちゃんが
練習に精を出している姿が描写されて
いるのは皆さんもお気づきでしょう。

(練習を覗かれて恥ずかしがるのもお約束)

そして、彼方といえば、
やはり1期7話「ハルカカナタ」のことを
思い出さずにはいられません。

この「ハルカカナタ」回は、

  • バイト・奨学金など自分が家計を助ける
    ことで、妹のには好きなことをさせて
    あげたい彼方

  • 自分のために苦労している姉・彼方の姿
    を実際目の当たりにし、そんな彼方こそ
    スクールアイドルを続けてほしいと願い、
    自身がスクールアイドルを辞する決心を
    してしまう

という姉妹のすれ違いがテーマでした。
しかも、お互いがお互いを思いやるがゆえの
行為
であったわけでした。

余談ですが、この回の挿入歌である
Butterfly」にはこんな歌詞がありました。

一人きりじゃ もう
両手いっぱい広げても まだ
足りないほどに大きなDreams 今
一緒に抱きしめよう

Butterfly 羽を広げたら
ハルカカナタ 高く飛ぼう

(近江彼方「Butterfly」)

そして、この後のシーンでは、
彼方がそれぞれ手をつなぐシーン
見て取れると思います。

(ハルカ→カナタの順なのもエモポイント高し)

つまり、この楽曲からは
遥と彼方が手を携えて、それぞれが
 繋いでいないほうの手(=羽)を広げて
 高く飛んでいく

という情景が浮かんでくるはずです。

これは、
白居易の漢詩「長恨歌」に登場する
比翼鳥」と同じ構図になっています。

在天願作比翼鳥
(天に在りては願はくは比翼の鳥と作り)
在地願為連理枝
(地に在りては願はくは連理の枝と為らん)

(白居易「長恨歌」)

この「比翼の鳥」とは、

空想の鳥で、雌雄各一目一翼、常に一体となって飛ぶというもの。男女の契りの深いこと、仲むつまじいことにたとえる。白居易の「長恨歌」で有名。

(日本国語大辞典「比翼の鳥」)

という意味です。

続く「連理の枝」と合わせ、「比翼連理
という四字熟語でも知られており、
これらは「仲睦まじいこと」の意を持ちます。

やや話が長くなりましたが、
1期7話の「ハルカカナタ」回においては、
互いを想うがゆえにすれ違う近江姉妹が、
その仲を深め合い、互いを思い合える関係
なっていったことが描かれました。

だからこそ、2期12話最終盤において
彼方は二人にこう言うのです。

背中を押して距離が離れたって、押してくれた手のぬくもりは残るよ。

(アニガサキ2期12話における彼方の名言より)
(屈指の名言)

一度は背中を押そうとした結果、
ココロの距離までも離れた近江姉妹

でも、二人は「比翼の鳥」として、
より深く想い合える関係になったのです。

そんな彼方だからこそ、歩夢
背中を押してあげることができたのでした。

3. おわりに

最終話という現実と向き合いたくないです。

……なんて思っていたら、
あまりにも見覚えのある光景でした。

1stライブ有明ガーデンシアター
開催されるのですね。作中では。

3次元1stライブのロゴから、
栞子・ミア・嵐珠の色が増えていて、
背景の虹が12色になっているなど、
さすが芸が細かいです。

さて、これを見てまた考えたいことが
ふつふつと浮かんでしまいました。
それはまた!13話放映までにまとめます!

【0622追記】
書けました!! よしなに。

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