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2020.06.29 それでも僕らはライブに行く。

こんにちは。かみなりひめです。

早速ですが、質問です。

あなたはなぜライブに行くのですか?

音楽が聞きたいから」というのは
まっとうな返答のように思えます。

でも、本当にそうでしょうか?

こんなことを考えたのは、
久しぶりの音楽経験をしたからです。

藤陵雅裕カルテット
@KEYSTONE CLUB TOKYO

緊急事態宣言解除後初となる
ライブへの参戦でした。

藤陵カルテットとしても、
再開してから2公演目だそうです。

藤陵雅裕さんといえば、
水樹奈々さんのバックバンド
チェリーボーイズ」のメンバー。

他にも、熱帯JAZZ楽団などでご活躍中。

(藤陵さん若すぎてビビりました)

ここ数年、藤陵カルテットにも
足を運んでおりましたが、
コロナ禍のなかでライブは中止

久々の公演がこれだったのです。
暫くぶりに生のサウンドに触れたワタクシ。

このライブを振り返りながら、
なぜ人はライブに行くのか?」を
考えてみることにしました。

1. 到着~ライブ開始まで

ここがライブ会場である
KEYSTONE CLUB TOKYOです。

ミッドタウンを右手に眺めつつ、
たどり着いたのは非日常のオシャレ空間

久々の生音にトキメキが高まり、
開演の1時間半前から会場入り。笑

ところが。

階段を上がってすぐ、
コロナ禍の中の音楽」について
実感させられることとなります。

まず、手のアルコール消毒は当たり前。
手首で測定する体温計を用いた検温もアリ。

通された席は、ソーシャルディスタンス
踏まえたゆったりとしたテーブル席

(カルテットが見渡せる席)

飲食以外はマスクを着用し、
感染対策はバッチリの中でのライブ。

ますますどうなるのか? と
ドキドキ、時々どぎまぎしながら
開演を待つのでした。

2. 開演。1st~2ndまで。

01. SMILE

チャップリンが映画『モダン・タイムス』の
ために作曲したナンバー。

これが、ジャズへと変貌します。

藤陵カルテットの真髄はここにあります。

ジャズのスタンダードナンバーは演らず、
ファンクR&Bといった他ジャンルの楽曲を
ジャズアレンジして届けていく。

しかも、この曲には意図がありました。

藤陵さんいわく、
皆さんに笑顔が戻ってきますように
という願いを込めたのだとか。

こんなところからも、
藤陵カルテットの心意気をうかがう
ことができたのでした。

02. ROCKET LOVE
03. MY CHERIE AMOUR

ともにStevie Wonderの楽曲。
ROCKET LOVE』は3拍子へと変貌し、
また一層雰囲気の違う曲になりました。

04. IRREPLACEABLE DAYS

藤陵さんがこれまでを振り返りながら
創り上げたナンバー。

その意味で、まさに "IRREPLACEABLE" な
(=かけがえのない)楽曲です。

こちらのアルバムに入っております。

05. WHAT'S GOING ON

言わずと知れたMarvin Gayeの名曲。

ゆったりしたファンクが、
緩急自在のJazzナンバーへと変貌。

リズム隊の快進撃と言わんばかりの
疾走感緩やかさ。絶妙。

*****************

さて、ここから2ndステージ。

06. CHANGE THE WORLD

こちらも言わずもがなの名曲。
Eric Claptonのカヴァーが有名ですね。

このカヴァーは、
カルテット2枚目のアルバムである
TREASURE』に収録されてます。

実は、私もこのアルバム制作
少しだけお力添えいたしました。
お買い上げいただけると嬉しいです。

07. ESCAPE TO PARADISE

このナンバーの選曲意図が、
失われたGWのレジャー代わり」とは
藤陵さんご本人の弁。

南の島で夕陽を眺めているような
情景が浮かぶフィナーレ
に酔いしれました。

(こんな感じ?)

ここでふと気づくのです。

音楽は時空旅行である

時間、空間を飛び越えさせる魔法です。

以前にこの曲を聴いたときのことを
思い出すというだけではないのです。

この曲の雰囲気サウンドの質感から
想起される風景や色味、匂い。

これらも含めて味わえるのが、
音楽」というものの醍醐味ですね。

08. LULLABY
09. DEAR MY FRIEND

こちら藤陵雅裕さん。

そしてピアノの福田重男さん。

お二人は学生時代からの間柄。
腐れ縁」と称するお二人が、
数十年間弾き続けている楽曲がこの二つ。

まさに、"名曲" による魂の交歓
長年弾いていても飽きないと言うのが証左。

10. I WISH

まず言いたいことはひとつ。

Stevie Wonder大好きやな!

私も大好きです!

そのままアンコールまで流れ込み、
熱気に包まれたまま終幕でした。

3. なぜ人はライブに行くのか

ここまでを振り返ってみて、
今ハッキリ言えるのはひとつです。

再現不可能な一回性。

人はそれを求めて、
生のサウンドに触れたがるのです。

ただの「音楽」を聴きたいだけなら、
CDサブスクリプションがあればもう充分。
今や、そんな世の中です。

ライブという空間で生まれるサウンドは、
この時にしか味わえないものです。
同じ音」というのは絶対生まれません。

巻き戻すこともできない空間で、
二度と同じものが生まれない空間で、
生まれてくる一度きりの体験。

みんな、これを味わいたいのです。

ベース・高瀬裕さんと、

ドラムス・安藤正則さんが、

織り成していくリズムも一期一会
ゆえに、いつでもお二人は楽しそう

何かトリックを仕掛けたとき、
それに気づいたとき、
二人で顔を見合わせて笑うのです

演っている側が楽しいと、
観ているファンも楽しい
ものです。

そして、音楽を通して生まれてくる
ファンとミュージシャンの交流もしかり。

こんな経験の楽しさに触れて、
人は生の音を求めるのではないでしょうか。

4. おわりに

ライブハウスでクラスター感染があり、
音楽は未だ厳しい局面にあります。

しかし、
感染対策に力を注ぎ、
音を届けたいミュージシャン
そこにいるのならば。

私はそのサウンドを聴き続けたいです。

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