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マイルドにされる三船栞子とR3BIRTHの行方――アニガサキ2期7話「夢の記憶」

こんにちは。かみなりひめです。
随分と間を空けてしまいました……。
人間、元気をなくすと趣味のことすら
ままなくなるというのは事実ですね。

さて、そんな私に活力を与えるのは、
やはりアニガサキなのでした。

アニメ
ラブライブ!
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
2期第7話「夢の記憶」

DD回、そしてA・ZU・NA回を経て、
やってきたのは三船栞子回。

数話前から姉の薫子が教育実習生として
登場していたことからも察せられたでしょう。

何となく無口な、嵐珠の幼馴染という
印象しかなかったアニガサキの栞子

この7話全体を眺めてみてみると、
我々が知っているスクスタ時空の栞子
案外変わらないことに気づくのです。

ただ、それでも思ってしまうのです。

「アニガサキってうまいなァ!」と。

1. 「適性」への揺るぎない信念

正直、アニガサキ2期の立ち絵からして
これ、ホントに三船栞子か!?」と
なっていたのがこのワタクシです。

なんでなんだ?」と考えていたワタクシに、
救いの手を差し伸べてくれた方がいます。

(わざわざ描いてくれてありがとね)

そう、目の造形が全然違っていたのです。
これでは受ける印象が違うのも当然です。

アニガサキ2期の放映が始まってからも、
スクスタ時空の栞子(初期)にあった強情さ
すっかり鳴りを潜めてしまっていました。

1話から観てきたときのアニガサキ版栞子は、
なんか無口だけど有能そうな女の子で、
嵐珠幼馴染、ってくらいの感じでしたね。

しかし、時は進んでこの7話
正直、安心してしまいました。

三船栞子はあくまでも三船栞子でした。

私は、自分の適性を最大限発揮できる生き方をしたいと考えています。それは、皆さんの夢をサポートすることです。

(アニガサキ2期7話における三船栞子のセリフより)

身の丈に合わないことに入れ込むより、向いていることだけに全力を尽くす。そうすれば、皆さんの役に立てるし、喜んでもらえます。それが間違っているとは思えません

(アニガサキ2期7話における三船栞子のセリフより)

スクスタのメインストーリーをプレイして
憤慨していたあの日を思い出しました。

三船栞子といえば、やはりこの「適性」に対し
絶対的な信念を持っているということが
そのキャラクターの柱なのだと感じています。

思い返せばスクスタ時空では、
生徒会長への就任以後、生徒の「適性」に応じた
ダメだし」までするようになっていました。

このくらい、「適性」というモノを信じ、
適性」のないものに無駄な努力をすべきでは
ない
という信念を持っているのが栞子です。

いくら外見が違うからとはいえ、
そこにいたのが紛れもなく私が知っている
三船栞子」であるということに、なぜか
まずは安堵してしまったワタクシでした。

2. ヤバさを失ったアニガサキ栞子

ここまでの話をまとめますと、
アニガサキでもスクスタ時空でも、
三船栞子は「適性」に見合うところで
個々の能力を発揮すべきだという信念を
揺るぎなく持っていると言えます。

しかし、時空が違えば多少なりとも
その造形に違いがあるのも事実です。

まして、三船栞子も過去においては、
虹ヶ咲にはいらない」と加入時に
バッシングがあったメンバーです。

決してスクスタ時空同じ轍は踏まない
のがアニガサキの信頼できるところです。

さて、スクスタ版栞子のマズい点は、
個々人の興味関心を無下に否定してでも
「適性」に見合った行動をするように
強いていたということ
でしょう。

適性」に合わせて転部したことで
成功した生徒ももちろんいるでしょう。

しかし、自分の興味関心や「好き」を
否定されては誰しも辛いもの
です。

このような栞子の強情な行動が先にあって、
その行動に至った理由次第に判明する
というのがスクスタのシナリオでした。

この点、アニガサキシナリオの流れ
変化させることで、過去スクスタ時空
栞子に向けられていた言葉の刃を回避します。

アニガサキはあくまでも、栞子本人
適性」という言葉で自身の感情を抑圧し、
それを同好会によって解放してもらうという
シナリオに書き換えていったのです。

スクスタ版栞子自身の信念がゆえの行動
他者に実害をも与えかねない存在でした。
一方、アニガサキでの栞子はその自身の信念
他者に向けることはありませんでした

端的に言えば、アニガサキの栞子には
スクスタ時空の栞子にあった強情さ・ヤバさ
一切感じられなくなっているのです。

3. ミア・テイラーへの勝手な憂慮

アニガサキの栞子は、言ってしまえば
圧倒的にマイルドな人物になっているのです。

これは、鐘嵐珠も同様な造形になっています。
根幹にある「同好会と仲良くしたいけれど、
その方法が分からずに苦悩する
」というのは
変わっていないのだろうと思われます。

一方、だからといってスクスタ時空のように
同好会の活動を監視したり制限したりと
妨害行為を働くことはありません

あくまで、ライバルとして対等でありたい
感じ、同好会への敬意すらあるのでしょう。

ただ、ここで一つ憂う点が出てきます。

スクスタにおいて、2ndシーズンの途中から
同好会に与するようになったミア・テイラー
このような掘り下げが不十分だと思うのです。

栞子嵐珠のように、各シーズン全体をかけて
衝突し、それを乗り越えて仲間になった者は、
語られる機会も十分にあったでしょう。

しかし、ミア・テイラーに関して言えば、
テイラー家の人間としての矜持と苦悩くらいしか
物語のヤマとして思いつくことがありません。

それはすなわち、
ミア回が何となくスクスタと同じような
雰囲気
になってしまうのでは?という懸念です。

アニガサキは、どのようにして
ミア・テイラーというキャラクターを
活かしてくれるのでしょうか?

栞子が「EMOTION」を披露した後、
背景にあった時計の針が進みましたよね。

(これが)
(こうなります)

あれは紛れもなく、スクールアイドルとしての
三船栞子の始発
を予感させるものでした。

ミア・テイラーは、そして鐘嵐珠は、
どのようにその物語を始めるのでしょうか。

4. おわりに

栞子がライブを披露する前の
果林さんのセリフを覚えていますか?

栞子「私に、できるでしょうか?」
果林「やりたい気持ちが、あなたにあるんなら、それだって十分に「適性」なんじゃない?

(アニガサキ2期7話における三船・朝香のセリフより)

実は、かなり似ているようなこと
音楽プロデューサー・矢吹俊郎さんが
仰っていたのでした。

才能がない人は、やらない人。ちょっとでもやるってことは才能があるんだよ。【略】やるって時点で才能があるんだよ。僕が言いたいのは、ギターでも何でも、やり出したってことは才能があるわけよ。

(「矢吹俊郎のドンバー会」初回での矢吹のセリフより)

あの奥井雅美さんや水樹奈々さんの音楽
プロデューサー
として活躍されてきた方と
ほぼ同じことが言えるなんて……。

果林さんも偉くなったなあと感心しました。
お勉強の方も頑張ってください!!!!!

(バナナじゃないのか!ってツッコミは野暮よ💚)

(関係ないですがこんな飲み物を作りました)

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