脳を騙してやった

最近の私は「継続」についてばかり考えている。

脳を騙すことが重要だと感じる。

今こうして書いている瞬間にも私のポンコツな脳は「いやだいやだ」と言っている。

私は「いやいや期」は卒業したと親から聞かされていたのだけれど、どうやら卒業は見送られていたらしい。

私は脳に言う。
「書くとは限らない。ただエディタを立ち上げて自分がどんな気持ちになるかを試してみたいんだよ。他にもやらなければいけないことがあるし、ここで疲れすぎるわけにもいかないからね」

「でも1行だけ書いてみようかな。でもそれはコーヒーを飲んでからだ」

私はお湯を沸かしに行き、また脳に言う。

「どうせお湯が沸くまでに時間があるんだ。その間、少しだけ書いてみたっていいんじゃないかな?嫌なら途中でやめたっていいんだし」

このようにして私はこの文章を書き始めた。

1行目を書いた後、先が思い浮かばなかった。その時、私の脳は激しく抵抗した。
「こんなストレスを感じるなんて聞いてない!ほら、お湯もそろそろ沸くから。コーヒー飲みたい、コーヒー飲みたい、コーヒー飲みたいよー」

なんてダメなやつなんだ。堪えるということを知らない。こんな奴は何をしたって上手くいかないだろう。怠慢なくせに強情で、先のことは考えず、目先の快楽にしか興味がない。そして言い出したら聞かない。

私は勢いに負け、実際振り返りもした。

すると、脳は油断した。完全に油断したのである。私は言う。

「いいじゃない。いいじゃない。ちょっとだけ。ちょっとだけ」

「絶対、最後までしないから。嫌なら言って」

「ほら、大丈夫。大丈夫。そうそうそう。ね?」

「もうちょっとだけ。ね?ね?」

「そうそう、そうそうそう」

「そうそうそう、そうそうそうそう」

てな、感じでここまで書き進んできたのである。今となっては脳は気持ちよくなってしまって、私がいさめる有様。やはり育ちが悪いというか、程よくというのができないのである。

だらしのない奴だ。

コーヒ淹れてきます。

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