今から米研いだって喰らうのは2時間後だえ
どうしたものだろう。なにも思いつかない。こんな時は散歩に出て身体を動かすべきかな。目の前にゴミがある。捨てるべきだろうか。捨てるべきだ。分かりきっている。
しかし、まあ自由な生活というものは不自由が多い。毎朝のごとく記憶喪失になっている。今日することは、昨日のうちに決めておいて、起きたらすぐに取りかかる、という風でないと、いけない。
いや、なにもするべきことがない、わけではないのだよ。働かなければならないからね。日銭を稼がなければならないから。営業活動から始めなければならないのだよ。だけど、朝は記憶喪失なので、そんなことも忘れてこうやってしたためている。
それで、今気づいたのだからとっとと営業かければ良いのだけれど、書き始めたからには終わらないといけないという変な生真面目さを発揮しているわけである。しかも、おそらく、この日記を書き終わっても営業はしないだろうね。多分散歩に行きます。
そして、お腹空かせて朝ごはん、いや、もうお昼じゃないか。ブランチって言うんだっけ?ブランチ食べてから、気持ちよくなって、小説なんか読み始めちゃって、そのままお昼寝するんだろうな。
毎日がこんな風なのだから、もう自堕落な生活を受け入れれば良いものの、これまた変に生真面目というか、こんなことではいかんと思っているのである。それならば、さっさとシャキッとせえという話になるのかもしれないが、そう簡単にはいかない。
どこまでも、自堕落なのだ。星に定められた運命と言っても言い過ぎではないだろう。始末の悪いことに、自堕落でありながら、破滅的な衝動が足りないので、ヌルッと生きながらえている。
薄い罪悪感を感じながら、行動は変わらない。意識だけは高い方に行こうとするが、身体がそれについていくことは稀にしかない。これでは、もう自分が、意識に存在するのか、身体に存在するのかも定かではなく、おそらくは、その間にいるのだろうが、だからといってそれがなんだと、自分がいるのは実は行動においてだけで、時間の経過こそが意識であるとしたら、云々カンヌン。
いかません。いきません。いけませんよ。悪戯に問題の抽象度を上げてもいかませんよ。いや、いきません。あきません、あなた。
はい。すまない。悪い癖がでておったようで。ありがろう。いや、ありがとうと。
数秒の間、迷子になっていましたが、なんとか、こちらに帰ってくることができました。それでは、この午前の日記はここで締めくくることにしまして、米を研ごう金。研ごう鐘。兼ねかね。
いや、あなたなぜ米を研ぎらっしゃいますのん?営業かけなはれや、かけなはれ。
阿呆かい?阿呆なのかい?畜生なのかい?穀潰しかいな?それならもう一緒には暮らせませんえ。あなたのことは愛しているかもしれんが、愛では食ってはいかれへんのやえ?
分かってる。分かっているよ、案ずるなかれよ、おまいさん。米はね、研いだからといってすぐに食べれるものかい?違うだろう?研いで、浸水させて、炊飯のスイッチを押さないといけないだろう?しかも、え、おい、それからだって小1時間は時間がかかるのだえ?それでも、それでもさらにだよ?
ピーって鳴って、すぐ食べれるもんではないからね?蒸らしたり混ぜたりせなーあかんでしょ?そんで、やっと食べれるんやから、今から、ワシが米研いだってよ、あんたさほら、実際食べれるのは、食っべれっるのはっよ!2時間後やえ!