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#02 攻撃欲の強い人はなぜ生まれてしまうのか #Trigger

どんな人向けの記事なの?

- 家庭や職場に攻撃的な人がいて、何とかしたいと考えている
- 攻撃されると萎縮してしまい、思ったように攻撃できない
- 自分の攻撃欲が強く、自覚はあるが解決できないでいる

はじめに

「他人を攻撃する人」ってどこにでもいますよね。
周りの人を不快することで、自分だけが利益を獲得しようとするズルい人のように思えます。

果たして、その人は本当に他者を攻撃したいと思っているのでしょうか。、

応用行動分析の観点から、こういった人を冷静に分析してみると、とある事実が浮かび上がってきます。
今回は「結果(見返り)」に焦点を合わせてお話ししようと思います。

結論:攻撃によって成功報酬を得ている

もし「怒る」という行動の末に、結果として物事が上手くいってしまったらどうなるでしょう。

その人の脳には無意識下で以下のようにインプットされます。

攻撃的な行動を選択すれば、物事が自分の思ったようになる。

似たようなケース

  • 苦手な人がいたが、嫌味を言ったら相手が近づいてこなくなった

  • イライラしているとき、偶然、部下がミスをしたので強い言葉で罵ったら気持ちがスッキリした

偶然の成功体験によって物事が上手くいったとしても、頭では「やってはいけないこと」だと理解しているはずです。
なのに、なぜ人は攻撃行動をやめれないのでしょうか。

理由:攻撃行動は短期的成果を得やすい

大抵の物事はいくつかの対策行動を継続的に行うことで、初めて合理的な解決がなされます。
しかし、攻撃行動を行うと相手はそれを避けて行動するようになります。
これは攻撃者の立場から見ると、あたかも物事が上手くいったかのように感じられます。

ユースケース:部下がミスをしてしまった場合の対処

例えば、仕事で部下がミスをしたとしましょう。
原因の追求から具体的な対策の検討・実践など、時間をかけて解決することになるでしょう。

では、「怒る」という行動をとった場合はどうでしょう。
部下は上司から怒られないよう、「報告しない」「隠蔽する」といったさまざまな工夫を凝らすでしょう。
上司から見ると「ミスはなくなった」ものと認識されますが、実態は変わりません。

行動:攻撃されたらなるべく成功報酬を支払わない

攻撃欲の強い人は、攻撃行動から成功報酬を得ていると説明しました。
攻撃行動をやめてもらいたい場合は、できる限り自分が相手に対して成功報酬を支払わないことが重要です。

結果(見返り)は行動してからその直後に得られたものが対象となります。
相手が行動した後に、何かしらの手段で距離を取るようにしましょう。

仕事で怒られたら

「いまは感情的になってしまって、落ち着いてお話ができる状況ではありませんね。あらためて時間を空けてお話ししましょう。」と伝える。
(あるいは第三者を含めて話をするようにしましょう。)

嫌味を言われたり、嫌がらせを受けたら

可能な限り反応することは避けましょう。
特別な理由がない限り、その人と会話しないようにしましょう。
(このケースの「きっかけ」については別の機会に説明します。)

ヒント:「きっかけ」が自分であるとは限らない

人から攻撃された時、その原因が自分であるとは限らないということを留意しておきましょう。

例えば以下のようなものが考えられます。

  • 物事を上手く解決する能力がなく、それがバレないようにしたかった

  • 家庭で妻/夫から嫌なことを言われ、機嫌が悪かった

  • 「グループから外される」といった不安感があり、自分以外の誰かを虐げることで自尊心を保とうとした


今回は攻撃欲が強い人の行動を分析してみました。
アドラーの心理学では、「行動に問題がある人も、その動機は"善"である」と説かれています。

ぜひ、これを機会に攻撃欲の強い人との向き合い方を考え直してみてはいかがでしょうか。


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