何處

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これは 磊を緩く辿る文骨の ひとつひとつひとつ  連詩/三人で書いてます https://twitter.com/raikarakuribako

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    あゝ/磊のひとつ

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薄雲の 蒼き、蒼きひかりを報せた、 躰を裂きて十二対 其の八重は貴い 衣を容易く横切る慟哭は氷柱を嘯く始末 嗚呼 さめざめ、ともない、思つて居たより果て無く 鳥墜つるを魅せるのも躊躇われる霹靂の外傷、 瞼が裏返り あけを挑めずとも本を読む 随分と厚化粧をしているものだ、 頸のしらべを語ってきかせるに 応えは疎ましいものであり 逆さなのは鑢れた頁 そこより行先に虚言は移ろうからと 重く怯む華 唖然と、失墜の見栄は左右で違う筈だろう、 轟々と砕ける灰燼の様 明け残るにはあまりに悲

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      始終 灰蝋の、皺腹の底から 朱い蛇がぬたると、拳は絞まるけれど。そのこうべこそ 仙椎こそ、[華、]接吻を詣すところ。〈うつけしいもの。〉その皓牙は御つて澎湃し、躰を異封な彷徨へ抓ると、広漠の隻腕が、その鉤爪の銀鱗、異景から転びでる悟性を引っ掛け、逆剥けの美妙を尾鰭としたのです。 暗がりに光をはったり、 背後に輪をかけて魅せまして。 しまったものだから やはりすべては露骨な――感嘆符のト書である 胚列車は降クダっていく。また、夜来の雨に 蛇行した路肩は肋を潜り、 その

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        盃にも汲まれる事なく、水月へと沈没む蜉蝣は八雲。 吽形の垣間から絶えなき余光を眺めば、寂れた躯体は息を吹き返すのだろうか。 山より降りける清泉の行き着くところ浅瀬に伸びた残滓を掘り起こすのは、噛み合う蛇たちの燦然した抑揚だ、 万緑の眼窩より芽生えたであろう糸は紡がれず、影を喪失した陽は在り来な双翼よりも遙か高い 晩餐に並ぶ俯いた銀こそ酷く虚ろなものの、自我を反芻する度に思い立つて茹だる。 石造の門にたつ、 待人の行方を知らずして、流れ着く小瓶の意味など理解る術はない蟻の列と伏

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          感じ得る全て、即ち畢生の一切が、頭蓋骨に納められた湿った脂肪の塊から至ることを、猪目の臓腑から深刻に受け取らなければならない。 一本の釘が海へ落ちるのを見た 大工は新しい釘をとりだす 一本の釘が海へ落ちるのを見た 大工は新しい釘を屋根に打ち付ける 一本の釘が海へ落ちるのを見た やがてここには白い家が建つ 一本の釘が海へ落ちるのを見た 私は、一本の釘が海へ落ちるのを見た 嗚呼、迎えるは苦痛は久遠のように、沛然と迫り来る刻の滴りに苛まれ、喉元に宛てがつた創でさえ、沈黙の暴瀉に

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          これは 磊を緩く辿る文骨の ひとつひとつひとつ 酸の側 針柄の生み、緑青の風見鶏が キゐキヰ トやつがれに――ただ削がれたる 花鳥、と端垂れる 地肌は朽葉色とあたたかく 裸山へ、迂路また痴れず 華の嵐と今 まとわれ    酔いにまよわれ     粋に まわれ    我ぞ ひとしく  そのば そのとき  あちらさまへと うつけたように  或る 傍らと共に老いていく 祀りに 嗚呼 悶えるわ、略 のたうち回るわ 狭めて染まうか、広げて於くか まようよな、まごま