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JR北海道のホスピタリティに触れた話

 これまた1年以上前の話になってしまったが、友人がJR北海道の駅員さんに親切にしてもらったエピソードが素敵だったので書き留めておこうと思う。

子連れで仙台から札幌へ、新幹線と特急で

 2023年3月。その日、友達親子が山形から札幌に遊びに来ることになっていた。ところが東北地方の天気が悪く、飛行機が欠航になってしまった。
 楽しみにしていた北海道旅行。急遽策定されたプランB。そう、新幹線。

13時53分、仙台から「はやぶさ23号」新函館北斗行き。
16時30分、新函館北斗着。
16時58分、「北斗17号」札幌行き。
20時35分、札幌着。

 大人1人、未就学児1人、乳児1人。子どもたちにとっては、初めての北海道にして、過酷な旅である。

 しかし、こちらの心配をよそに、旅は順調そのものだったようだ。
 シンカンセンスゴイカタイアイスを食べたりしてたらしい。

【資料】シンカンセンスゴイカタイアイス

新函館北斗駅にて 改札で駅員さんが気づいた!

 乗り鉄でもある友人、自動改札でなく有人改札を通り、乗車券・特急券は記念に持ち帰ることにしていた。なので、新函館北斗駅の改札でも駅員さんにきっぷを見せる。
 そこで、子どもの分の運賃・料金を安くできるということに駅員さんが気づいたのである。
 友人は、仙台からの「はやぶさ」は指定席、札幌までの「北斗」は自由席を使うことにしていた。
 未就学児は、指定席を使う場合は乗車券と特急券が必要だが、自由席の場合は、大人同伴なら乗車券・特急券なしでOKなのだ。(詳細は割愛)

 つまり、最初買ったきっぷ

1️⃣[(大人乗車券)仙台→札幌]
2️⃣[(大人指定席特急券)仙台→新函館北斗]
3️⃣[(大人自由席特急券)新函館北斗→札幌]
4️⃣[(小人乗車券)仙台→札幌]
5️⃣[(小人指定席特急券)仙台→新函館北斗]
6️⃣[(小人自由席特急券)新函館北斗→札幌]

 これらのうち、
4️⃣[(小人乗車券)仙台→札幌]は新函館北斗までに区間を短縮、
6️⃣[(小人自由席特急券)新函館北斗→札幌]は不要にできる。

 到着地の札幌駅で払い戻しをするよう、新函館北斗駅の駅員さんに助言してもらったというのだ。

 自動改札機を通せばわからなかった話だし、目的地までの正しい乗車券を持っている以上、駅員さんがスルーしてもおかしくない。ましてや、JR北海道的には儲けが減る話である。それにもかかわらず、規則とのずれを見抜き、ヨコシマなことを考えず、的確に乗客に助言する駅員さんの仕事の正確さとホスピタリティに感動してしまった。しかも、到着後にスムーズに手続きできるよう札幌駅に連絡を入れてくれていたというのだ。

札幌駅にて

 そして札幌駅。4️⃣と6️⃣のきっぷを現金で払い戻し、新たに7️⃣[(小人乗車券)仙台→新函館北斗]を券売機で買うという手続きを、駅員さんの誘導でこなした。(詳細は聞いていないが、おそらく東日本と北海道で別会社のため、クレジットカードの都合で通常の返金処理ができず、特別な手続きをしている。4は無手数料払い戻しと思われる。)
 手続きには少し時間がかかったが、その間も「子連れで大変だったでしょう」と、長旅を労う言葉をたくさんかけてもらったそうだ。本人は疲れるどころか楽しんでいたようだけど、それにしても札幌駅の駅員さんも優しい。ここでもホスピタリティに感動してしまった。

JR北海道の運賃値上げと全車指定席化について

 皆さんもご存知の通り、JR北海道は経営が厳しい。来年からは運賃が8%値上げされるという。もちろん乗客としては安いに越したことはないけれど、値上げ分のうちの幾らかが人件費に充てられるなら、値上げは仕方ないことだと思う。おもてなしの心を持って、乗客のためにベストを尽くしている、現場で働く人たちにしっかり還元してほしい。

 ところで、今年の4月からJR北海道の特急は自由席が大幅に減り、函館・帯広・釧路方面の列車は全車指定席になった。

 長距離路線の全車指定席化は賛成だが、指定席料金+数百円が発生するわけで、「実質値上げ」ではある。それだけならいいのだが、今回紹介したような例では、未就学児に新たに運賃・料金数千円がフルで発生してしまう。
全体としての値上げも、全車指定席化も悪いとは思わないが、親子連れへの大幅負担増だけはなんとか避けられないものかと思う。親子連れ用の割引きっぷなどがあると、未来の乗客を列車の旅に誘うことができるんじゃないかなあ。


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