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第7波・専門家有志の提言を読んで今までのことを振り返る

新型コロナ・オミクロン株BA.5による感染拡大が止まりません。
コロナ禍の初期から積極的な情報発信を続けてきた専門家有志が、再び動き出しました。
「感染拡大抑制の取り組みと柔軟かつ効率的な保険医療体制への移行についての提言」という文書を公開し、記者会見を開きました。



翌日の朝日新聞では1面トップでこの提言が取り上げられていました。
続く2面には「しびれを切らし」て提言したとも。


提言の要旨をまとめた図版がとてもわかりやすいです。おすすめです。

現在の第7波、そして今後の流行に対処するために、次の2つが同時かつ緊急に必要だとしています。
1.感染拡大を招かない一人一人の主体的行動の涵養
2.オミクロン株の特徴に合わせた柔軟かつ効率的な保健医療体制への移行

その上で、2.については
[ステップ1]現行法での対応→[ステップ2]法改正を伴う対応 
の2段階でまとめています。

1.については以前から専門家の先生方が提言してきたことの範疇ですが、2.の提言は社会制度のあり方にも踏み込んでいます。
さらに詳しく読むと、2.の提言をする前提として、これまでの日本でのコロナとの闘いが簡潔明瞭に振り返られていることに気づきます。この2年の間に状況がどのように変わってきたか。そして、これからをどう見通していくか。
今、巷では2年前の状況を前提に今の対策を批判したり、今の状況を前提に過去の対策を批判したりと、感染拡大の最中に議論が混乱しているように思います。
提言への賛否とは別に、これから新型コロナにどんな対策を取るのか、あるいは緩めていくのかについて話す時に、まずこの資料の前半2枚、4ページと5ページに目を通すのはおすすめです。

ところで、この提言は、尾身茂先生ら18人の専門家の連名です。医療、公衆衛生、感染症の専門家だけでなく、社会科学の専門家もいますね。ただ、初期の頃から一緒に有志として発言してきた専門家でありながらここに名前がない方もいます。
単に今回の作業に加わっていないというだけかもしれないし、でも中にはそうでなく、それぞれの領分、ポリシー、これまでの戦い、葛藤など色々あったんだと勝手に想像しています。
それにしても、これだけの資料を作り込むにあたって、かなり時間をかけて議論されたと思います。本当にお疲れ様です……


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