息子から、もらうもの。
その日、わたしはつかれていた。
朝から予定は狂いまくっていたし、0歳次男が寝そうになるたびにインターホンがなったり電話がかかってくる。
眠たくてぐずる次男をなんとかあやしていると、一緒に遊んでほしい長男がおこったりすねたりする。
そのたびにためいきを重ねる。
気持ちはわかる。
ふたりとものニーズにこたえてあげたい。
でも、わたしの身体はひとつしかない。
どちらかには「ちょっと待ってね」と言わなければいけない。
こたえてあげられない、というのはそれはそれで心のエネルギーをつかう。
そして順番にふたりの対応をしていると、なかなか一息つくことができない。
夕方にはへとへとで、夕飯を食べたながら夫に弱音をはき、「つかれた」とつぶやいた。
すると、ソファで寝っ転がってテレビでアニメを見ながらスイッチをしていた長男がおもむろに立ち上がった。
こっちに来たなと思ったら、いきなり「ママがんばったね、いいこいいこ、えらいえらい」とわたしの頭をなでててくれたのだ。
ちょっとびっくりして涙がでそうになった。
なんなのいきなり。
「ありがとう…」
小さい声で言ったら、「えらいえらい」と言いながら小さな手で何度も何度も頭をなでてくれた。得意げな顔で。
イライラしてた気持ちはすっと軽くなった。
いや、君に手を焼いていたんだよ母は(笑)
でも、それとこれとはちがうんだよね。さみしい気持ち、あるんだよね。
がまんさせてちゃってごめんね。
ありがとう。
なかなか寝ない次男をふとんに座って"無"の境地で眺めていたら、トコトコトコとやってきた次男が髪の毛をぐしゃぐしゃにしながらわたしの頭をなでなでする。
なんなんだ君たち兄弟は。
兄ちゃんの真似なのかなんなのか。
でもなんか0歳の赤ちゃんにまで励まされた気がした。
いやまぁ君が寝てくれたらいいんだけど、と思いながら次男をぎゅっとしたら、キャーっと声をあげて笑う。
かわいいか。
ついひとりで子育てがんばってるような気持ちになるときがあるけど、ひとりじゃないんだよね。
君たちがいる。
そのことに助けられる瞬間がある。
長男とも次男とも、毎日何回もハグをする。
おはようのぎゅ。
おやすみのぎゅ。
それ以外にも。
ハグはお互いに幸せの交換してるみたいで幸せな時間。
対して、頭なでなではわたしが一方的にやさしさをもらっている感じがした。
でもその、ただもらってる感じにただただいやされた。
大好きな気持ち。
ありがとうの気持ち。
言葉で伝えることも大切だけど、言葉がなくても伝わることもある。
言葉でも行動でも、ちゃんと伝えよう。
そう思った。
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