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【迷えば】隻狼-SEKIRO- 考察其ノ弍【敗れる】

其処許ら

むみょう@蟲憑です。
お世話になっております。

隻狼考察其ノ弐です。
(前回記事:【迷えば】隻狼-SEKIRO- 考察其ノ壱【敗れる】)
仏師殿メイン回です。ネタバレ注意。
丈と巴の正体についてはまだどうしても妄想の域を抜け出せず、
そして書けば書くほど考えがまとまらず、めでたくお蔵入りしました。
それでもいいというならきっと考察其ノ参で。

みなさん、これを機に隻狼始めたっていいんだよ?
今や2019年の世界No.1のゲームタイトルだよ?ん?(煽)

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**・「仏師」「エマ」「修羅」

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仏師殿はゲーム序盤の負けイベント(頑張れば勝てるが)弦一郎戦で失った狼の左腕に義手(からくり)を与えた。
仏師殿の正体は元・葦名一心を主とした忍びであり、昔は「猩々」と呼ばれていたそう。
エマは薬師であり、竜咳の特効薬や主人公の回復薬を開発するなどその功績は大きい。大きすぎる。
エマたんはいわゆるフロムシリーズの火守女(通称:かぼたん)的な立ち位置であり、葦名のオアシスである。

実はエマたんは仏師殿が拾った孤児であり、仏師殿はエマたんの師として道玄(薬師)をあてがった。その功績は大きい。
したがって、エマたんにとって仏師殿は父同然であり、いつも仏師殿の身を案じている様子が伺える。尊い。
さて、仏師殿の話に戻すが、このお方は常に”怒り仏”を掘っている。それゆえに”仏師殿”と呼ばれている。
作中の各エリアの拠点となる怒り仏達もおそらく仏師殿が拵えたもの。
仏師殿曰く、仏を掘っているはいるがどうしても怒った顔になる、とのこと。
それは過去の過ちによって降りかかかる怨嗟(後述)を拭いきれていないことを意味しているのだろう。

【仏師殿の過去の過ちとは】
「奥義・纏い斬り」テキストより、”極め、殺しすぎた。”ということ。(あイカつおじさん氏から情報提供)

まだ”猩々”と呼ばれていた頃、人返りを果たしたい丈と巴を匿っている一心の命によって、
猩々は金剛山仙峯寺から「黒の不死斬り」を回収していると推定された(これは懇意にしている考察サイトより。マジ凄い。)。赤の不死斬りはこの時代では見つかっていない様子。仙峯上人が秘匿したと巴の手記にあったが、
実のところ変若の御子たんが奥の院に引き籠って隠してるからね。これは見つけられないね。
だから丈と巴は”拝涙”して誰も死ぬことのないハッピーエンドを迎えることはできなかったのではないだろうか。
なぜ仙峯寺に赤と黒の不死斬りが?それはやはり蟲憑き[考察其ノ壱]にとって不死斬りは脅威でしかないからね。

黒の不死斬り、つまり力こそパワーを仏師殿は手にしたことによって、どうやら仏師殿の人殺しに対する”慈悲”が消失し、
怨嗟が仏師殿に蓄積されてしまう業を請け負ったらしい。要は黒の不死斬りに呪われたのである。
ちなみに修羅エンドだと最後に狼が黒の不死斬りを手にしており腕に(怨嗟の)炎を纏っていることが判明している。
どうやら慈悲の無い者が黒の不死斬りを手にすると呪われちゃうみたい。厨二病刀ですね。
黒の不死斬りといえばみんな大好き葦名弦一郎だが、彼は変若水にも手を出しており本当にどうしようもない。
が、怨嗟に飲まれている描写がないのはなぜだろうか?それは彼にはまだ慈悲があるからに違いない。
彼は純粋に葦名のために尽くしているヤンデレなだけであって、人殺しではないのである。知らんけど。

仏師殿は作中でも慈悲が無くなれば”修羅”に落ちるぞ、お前さんにはまだ慈悲の心が残っている、的な忠告を度々してくれる。
つまり”猩々は修羅に落ちた経験がある”ということである。それを止めたのが我らが剣聖、葦名一心である。
怨嗟の炎に焼かれた猩々の左腕を一心が切り落とし、修羅から救ったのである。これは一心や仏師殿に酒を渡せば聞ける。
その失った左腕に義手をあてがったのは、当時のエマの師、道玄である。つまり狼の義手は仏師殿のおさがりなのである。
巡り巡って一心の前に現れた隻狼。一心にとっては感慨深いものがあったのだろう。
余談だが、狼はボスを忍殺するときに南無、みたいな拝むポーズを取ることがある。
この拝みにはまだ狼に慈悲があることを示している細かい演出なんだろうね。
忍とはハートアンダーブレードってことなんだね(???)。

**・怨嗟の鬼

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もうみなさんお気付きかと思いますが、クs…隠しボス「怨嗟の鬼」の正体は、仏師殿である。

腕を切り落とされても、忍び(人殺し)を辞め荒れ寺で一心不乱に仏を掘っても、怨嗟は止まらなかったのである。
(ちなみに荒れ寺には御札が狂ったように貼り付けられており、怨嗟の溜まり処である仏師殿は自らを監禁していたのだろう)
(仏師殿が竜咳に患ったときも「まともじゃない」から死にゃしない、との発言がある。まともじゃないのである。)
作中では狼の大儀の背景に内府方と幕府方の戦争が描かれているため、人が大勢死んでいっている。
その怨嗟を、全て仏師殿が受け止めていたのである。いや、結局は受け止めきれなかったのである。
仏師殿は哀しくも怨嗟の炎に焼かれ鬼と化し、かの「大手門は開かぬもん☆」の戦場で暴走する。
この時点で一心は病に倒れもういない。結局はそれを狼が阻止することになるわけだが、
怨嗟の鬼の死に際に「お前さん…ありがとうよ」という声が聴こえてくる。
主人公を”お前さん”と呼ぶのは仏師殿だけ。
仏師殿はやっと自分を慈悲をもって殺してくれる男と出会うことができ…怨嗟の苦しみから抜け出せたのである…。
仏師殿が狼を助けて義手を授けたのは、「お前さんならいつか儂を殺してくれる」という直感に従ったのではないだろうか。
本当に秀逸な伏線回収劇。
※ちなみに考察サイトから、「猩々」は歌舞伎の御話で登場するみたい。実際怨嗟の鬼も歌舞伎のモーションがある。

【泣き虫】
獅子猿ねぐらに出現する七面武者という怨霊を倒すと指輪「泣き虫の指輪」を入手できる。
これは義手忍具の指笛の派生である「泣き虫」を作成するために必要である。
実は、怨嗟の鬼に「泣き虫」を使用すると数秒間動きを止めることができる。その理由は泣き虫のテキストからわかる。
テキストを見てみると、指輪の裏には”川蝉”と彫られているらしい。これは仏師殿にお酒を渡すと聞けるのだが、
仏師殿は若い頃に落ち谷の猿の真似をして修行していた。相方(想い人?)の忍もいて、それが”川蝉”と呼ばれた女性だったそうな。
仏師殿はその川蝉が鳴らす指笛の寂しい音色が大好きだったらしい。そしてその川蝉の所在は今もわからないという。
が、それ以前に落ち谷の大猿を倒すと「ほそ指」というアイテムが手に入る。
このほそ指によって義手忍具の指笛が使用可能になる。テキストには、うら若き女性のほそ指…。
つまり、そういうことだってばよ。猿に刺さっている刀は川蝉が一矢報いたものなのだろうか。
指や指輪を仏師殿に持っていくと、お前さん、それをどこで?といった反応をサイコに楽しめる。
怨嗟の鬼の弱点がハイドロポンプではなくまさかの「泣き虫」の音色というのは、
以上のこういった理由からで、なんともロマンチック。
ま、実際には泣き虫で怯んだ鬼の股間を何度も何度も斬りつけるんですがね。
燃える怨嗟は猛る性欲!お前が泣くまで!股間を斬りつけるのをやめないッ!!

<泣き虫テキスト>
”泣き声は、寂しく美しい。
 燃える怨嗟を、ほんの一時、忘れるほどに”

くぅーーーーーーーーーーーーーーーーー。

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・「丈と巴」「狼」「梟」「(まぼろし)お蝶」**

前回の考察から、
>最近疑問に思っているのは、たぶん巴は黒の不死斬りを所持していたと思うんだが、
>(小姓の日記や弟子の弦一郎が持っていることから)
>巴は丈を人返りさせる過程で”誰かを蘇らせたのではないだろうか”という点である。
>巴の死に方は説明がなかった、はず。
>もし誰かを開門していたとすると、普通に考えると蘇らせたのは竜咳で亡くなった丈なのでは?
>では蘇った丈は一体誰なのか。
>そこで平田屋敷「お蝶」の存在が引っ掛かる。倒すと何故か「桜雫」を持っている。
>巴の従者だったから?いや、”お蝶は巴だから”ではないだろうか。舞うような剣術。
>竜胤の御子は不変のため姿が若いままである。だから蘇ったとすると幼いはず。
>お蝶の弟子である狼は…実は開門で蘇った丈だった、なんてな。なんてな…!

何処から語っていいモノやら。
まず狼の素性があまりにも語られておらず、本人は記憶が無いまである。から素性が怪しい。
神隠しにあっている、という考察も無きにしも非ずだが。
(小太郎が神隠しの存在を仄めかしているし、義手忍具にも神隠しを発生させる扇がある)
狼は、梟に拾われ、お蝶英名:Lady butterfly←草)を師とし幻妖の森?で忍を学んだとある。
現に狼は梟のことを義父と呼んでおり、それなりに義理立て(修羅ルート)はあるらしい。
ただ作中では上記の森がどこにあるかもわからないし、狼と梟、お蝶との経緯も多く語られていない。
というわけで、まずは上記登場人物の関係性について本編の流れを整理していこうと思う。

【平田屋敷(1回目)】
「若様の守り鈴」を仏に供えることで、時系列としては3年前の過去に飛ぶ。
この平田屋敷は梟の策略(裏切り)により内府方の強襲を受けている状況。
狼は九郎様をお守りすべく平田屋敷の隠し仏殿でお蝶を忍殺する。
そしてお蝶を忍殺した後、狼は背後から誰かに忍殺されてこの回想は終了する。
もうお察しの通り、狼を背後から刺したのは誰であろう梟しかいない。
暗転する間際、九郎様が狼を「死なせてたまるか」と驚異のショタパワーを発揮する。
おそらくそこで狼は竜胤の従者となり回生の力を得たのだろう。
狼が竜胤の従者となった、この過去の平田屋敷は「正史」であると考えられる。
そこから、狼は3年間捕えられ?且つ記憶を無くしている。と推測される。
九郎が狼に竜胤を与えたのも、やはりなんらかの理由があったはず。
(私は狼=丈説を考えている。それは次回の考察で)。

そもそもなんで狼は師匠であるお蝶と出会って5秒で敵対しなければいけないのか。
お互い九郎様をお守りするのは同じはずなのに、である。
ミスリード…!
主である九郎様をお守りしなければいけないと思っているのは、
”3年後の狼”と”プレーヤー”
なのである。そこに齟齬が生じる。
本当に巧みなゲームデザインである。
3年前の狼の主は、あくまで義父である梟なのである。
義父の主(たぶんこの頃は葦名一心で、裏切っている)が狼の主なのである。

では隠し仏殿に狼がやってきたことをお蝶はどう思うか。
そう、「梟の最も信頼する手下(裏切り者)がやってきた」
「九郎様をお守りするためには今ここで殺すしかない」と思ったはずである。
これが、お蝶が出会って5秒で襲ってきた理由である。
梟は、竜胤の御子の力を得ることによって内府方に加担し幕府の転覆を企てていた。
そのため、九郎様の確保が必要である。
九郎様を得るには、その護衛であるお蝶の存在が邪魔だし、
野心と策略を察する狼の存在も邪魔。ということで、
首尾よく隠し仏殿に二人セゾンさせ、梟は両者の排除に成功した。と思っていたのだが、
その誤算が、九郎様の回生の力によって蘇った狼であり、3年後に梟は狼に影落としをお返しされることになる。
とりあえずここまで、ゲーム内情報だけで大体推察できるシナリオでした。

そして【平田屋敷2回目】だが、
どうも正史と食い違っており、疑問点も数々生じてくる。
また、丈と巴、狼とお蝶の正体についても、
次回の考察其ノ参でようやく展開していきたいと思います。

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