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ちょっとだけくやしいところ

もう25年近く経ってしまっているから、そもそも若い人はご存じないですよね、超絶美スケーター、イリヤ・クーリックの華麗な現役競技選手時代を。そして麗しい容姿だけでなくて、ジャンプも超絶に素晴らしいってことを。ほんとにほんとに今(っていうか、フィギュア始まって以来と断言してもいい)彼ほど美しくジャンプを跳ぶ人はいません。言い切ります。それくらいとんでもなく美しかったのです。

20歳で引退し、もう24年(‼️)プロとしてショーで活躍しているけれど、見に行きたいのは現役の時を知っていた選手ですよね、基本。
ショーを見に行ってファンになった、という方ももちろんいらっしゃるので、それはそれで素晴らしいんですけれども…というどうしようもないことが①。

②意外と不安定。人間だもの。
もういろいろ知ってしまってからは何とも思わないのですが、優勝は思ったほど多くなかったりする。

…そもそも旧採点はブラックボックスだから(いまの採点法もほぼ機能してないけど…)ジュニア上がりが素晴らしい演技をしても思ったほど点は出ないものだった。
権威ある欧州選手権でいきなり優勝しちゃったけど、基本、まず1〜2年は試合をこなして印象付けていかないといけない。…という感じ。3シーズンでキャリアを終えたイリヤの勝ち数が少なめなのは当然といえば当然。
でも1年目かっ飛ばして、2年目に足掻くっていうのはよくあるパターンではありますよね。2年目は特に、素晴らしかった1年目の次の年!というプレッシャーもあるし.イリヤの場合は2年目に超鬼プロを充てられてしまったというのもあったと思う。

長野のシーズンは好調だったので、そのイメージで完全無欠かと思っていたら、当然の如く苦労もしてた。。
人間臭いところ、本当に好き。
けれど、世間的には長野で金メダル取ってさっさとやめちゃったラッキーボーイみたいに思われているところもなきにしもあらずで、なんか悔しい。ヴィクトール師匠は彼を最も驚異的な才能を持つ人として公言しているし、元々実績ある人だったし、波も経験してるんだよ!!って……私が言うのも変だけど。
御本人はこんなみみっちいこと気にしてないだろうけどね。ほんとに気にしてないと思う、性格的に。

③自己主張しない
それこそ世間的にはイリヤの引退後に発生したヤグディンとプルシェンコの宇宙大戦争が熱かっただろうけど、私はかなり冷めて見てた。美を求めていたから。
彼らが素晴らしい選手たちであることには異論はない。
ヤグディンは高いレベルで安定してるし、何というか、根性で上がってきた感じは凄い。プルシェンコは謎軸でも降りてくる面白さ、生来のスター性があった。
でも、俺金!僕皇帝!!のギラギラ感はお腹いっぱいで、繰り返し観ようという気にはなれなくて…。彼ら自己主張の強さにただあてられてしまう。そして何より美しさが足りない……。そう、好みの問題でございます。
トップを取るような人は、まぁ大抵ギラギラ•オラオラ&負けず嫌いを前面に出してるものなので(だからこそチャンピオンになれるというか…)その点イリヤはどちらかというとむしろマイノリティなタイプでした。俺俺アピールはしなくて、優勝しても、しれーっとしていて、インタビューも無愛想なままで、ピリピリ神経質っぽいイメージでした。そして、演技は優雅に尽きる。おりゃー!どりゃー!って感じは一切しない。イリヤの前のウルマノフも優雅でしたね。素敵です。
ピアニストもやたらと感情表現あらわにする人は苦手で…。見なきゃいいじゃんって思うでしょうが、音源ならまだしもやっぱりそこを含めてのリサイタルだから、気になるんですわ。
あ、でもカティア(ブニちゃん)はわりと好きかも。トゥクタミシェワ枠ですね。

イリヤの演技はとにかく淡々として美しいので癒されます。
スポーツに癒しを求めるのはどうかと思いますけれどもね。でも、端的に上手なんです。シンプルに上手なんです。確かな技術を誇示せず淡々と当たり前のようにこなす…。この分野でも圧倒的1位ですよ。
時々恐ろしいくらい鋭い目することもありますけどね。鷹の目だわ。やっぱり伊達に金メダル取ってないなと思ったりします。少なくともある程度は負けず嫌いだと思う。いくら競技が嫌いとはいえ。
感情を表に出す時はタラソワさんのハグを全力で免れようとするところぐらいでしたか…?あんな露骨に嫌がらなくても…。もぅ…。
キスクラではヴィクトールさんにも結構塩対応でしたからね。こらこら、コーチですよ、あなたの。

まあ、マジョリティとしては派手な方が受けるし、目立ちますよねーっていうファンの僻みです。。
イリヤは華があって美麗だけれども、派手…ではないからなぁ…。そもそも優雅なので、派手には傾かない!
この超絶技巧を何事もないようにこなす技術…、技術玄人はイリヤ好きな人多いと思いますよー。私は素人だけど。容姿から入ったド素人だけれども。
僻みと言えば、ヴィクトールさんがイリヤはけっして僻んだり妬んだりしないタイプと言っていて、それにタラソワさんが同意していた…。美点でもあり、競争の中に身を置くアスリートとしてはその性質は勝負上不利だったかもしれない。コーチとしてはそれに多少もどかしさがあったかもしれないですね。

そして、ジャンプの才に関しては、飛び抜けてクーリックだったと思う。これは譲れない。

④プライベート
現役の選手としてのイリヤクーリックが大好きなので、これには言及したくない。そもそもすべきじゃないと思うし。。…でも言っちゃう。
結婚した時に相当なバッシングがあったと聞いた。そんなの日本くらいかと思ったら、どこも一緒なのですね。所詮同じ人間か。悲しくなるわ。
あるゴルデーワのファンサイトなんか、無かったことになってるのよ、彼の存在が。あのペアが伝説的だから…ではちょっと…。まぁ、そんなのファンサイトの勝手ですしね。わたしが文句言うことではないのでした。

子どもができて(良い方に)自分は変わったと言っていて、その時の表情を見ればそれは明らかだった。本当に優しい顔になった。でも幸せなことばかりじゃなかったろうに…。一時期生気ないときがあったようですね。取り戻したけど。
絵的にはなぁ…。最も美しい時だったというイメージもありますが、マリアさんとは絵的にお似合いだったと思います。でもさぁ、マリアさんってタラソワさんの知り合いの娘さんっていうか、タラソワ関係者だよね、タラソワさんが引き合わせたんだよね? それにイリヤ母が困惑したっていう話を聞いたことがある。。オリンピックシーズンのナショナルはイリヤ母、イリヤ妹、マリアさんで3人仲良く観戦したとかしないとか…。まぁ、誰だっていろいろあるよね。

⑤アメリカン…
これは勝手すぎる私の意見。
イリヤは歳を経ても比較的美貌を保ってる方だと思う。無頓着のわりに。…無関心のわりにはね。
ただ、美貌という点ではロシアにいて欲しかったよー。
だいぶん日焼けしちゃってるじゃんかー!!
あと、髪型もなんかちょっとこうね…、もうちょっとどうにかならんかなと…。
仕方ない、彼は全然気にしてないだろうし、そもそも自分の美しさに興味がないのだからね、あー、もったいない‼️

⑥美貌が凄すぎた
多分…イリヤクーリックが好きっていうと、ちょっとご存じの方とかはあーって、なる。うんうん、かっこいいからねーっていう……。確かにそう!!確かにそうなんだけど、ジャンプも演技自体も本当に凄いんだからね。
女性人気がすごいって言われるけど、男性だってこのひと好きな人たくさんいるからね!!
美しすぎる容姿がまず入ってきちゃうがために、このフィギュアスケートとしての実力的なものが一般論として薄まっちゃう感、辛すぎる。私自身、出てきたら6.0だ、とか言っちゃってるから人のこと言えないんだけど…。けれど、もちろん容姿だけじゃなくて、あの素晴らしい実力と稀有な才能があるからこそ、ここまで気になってます。

⑦素質も素材もぶっちぎり歴代No.1
本当に凄い選手でした。
競技としての情熱はそれほどなかっただけで…。
でも、オリンピックでの集中力は誰よりもすごかった。まさにPerfect!!
やっぱり彼の現役時代は煌めいていました。フラストレーションさえも美に変えていました。
芸術性も技術力もどちらも長けていて、身体能力高くて、姿は美しくて…、フィギュアのために生まれてきたような…麗しい男子。
けど、あれがピークでもなかったと思います。ピークが来る前に現役をやめました。ピークを見たいところでしたが…。でもよかったと思います。今なおトリプル跳べる体が残ってくれました。

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