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てんぐのD&D日記:また会おう、家族の名において

 昨年1月から始まり、今年に入ってからはEXシナリオに入っていたD&Dドラゴン金貨キャンペーン、映画ダンジョンズ&ドラゴンズも公開されて三週間目に入った4/15にめでたく大団円を迎えました
 というわけで、本日はそのプレイレポをお送りします。

EXシナリオの顛末

 EXシナリオのお題は、表の顔は慈善家、裏では悪魔と取引して栄華を取り戻した過去と弱みを持つウォーターディープの名門貴族との対決でした。
 この貴族も色々やってくれましたよ。うちのパーティに濡れ衣着せて逆転裁判始めたり、宿無しドラウ傭兵団と同盟して味方NPC(というかうちの店の従業員)を拉致して洗脳して奪おうとしたり。
 でも、没落の苦しみ今いる家族への愛情と栄華への執着、それらが混然となった末の無辜の命を悪魔に捧げる契約を履行しようとするエゴ、そういったものに突き動かされる様は、単なる邪教崇拝とか魔界の勢力とかじゃない存在感を感じました。
 それを強く感じたのは、事件そのものには関与していない、でも最も重大な存在となった貴族の双子の子供たち、そしてその双子を庇護しながら自分の忠義と主家が犯している罪業の狭間で苦しむ護衛のティーフリング(映画のドリックと同じ種族です)の女騎士から。
 最後の戦闘は、このレベルとしてはかなりの強敵となるチェイン・デヴィルを基幹とし、スパインド・デヴィル三体が前衛となるフィーンド部隊、そして貴族夫妻と上記のティーフリングとの戦闘でした。
 一番の難敵だったチェイン・デヴィルを1ターン目で撃破し、夫人は逆上のあまりアイアンマンなみの防御力を持つうちのパラディン(にしてネヴァレンバー卿の隠し子のひとり)への無益な攻撃に執着したことで、敵方は戦線崩壊。
 そんな状況にあって、女騎士は単身、我がパーティへ徹底抗戦を続けました。その忠義心、武人の矜持にダイスの神の加護が宿ったか、唯一の有効打となるクリティカルを引き出してパラディンを一時戦闘不能に追い込みました
 そんな女騎士に対して、我がパーティが取った選択は、総力を挙げての降伏勧告でした。いや、降伏勧告というか、残される双子の魂を守るべく協力を呼び掛けた、といった方が正しいかな。
 もちろん、自らも地獄へ落ちる覚悟を決めたときに、主君夫妻を討ったばかりの相手から呼び掛けられたからといって、そうそう応じる武人はいません。
 というか、【魅力】高い説得要員PCがことごとく判定に失敗した結果でもあるんですが。
 でもその結果、この最終局面でPC全員にロールプレイする機会が巡ってきたと考えれば、ダイスの神の采配も粋だったと言えるかな。
 きっかり一周回ったところでの説得が功を奏し、女騎士との間に和解が成立、双子の魂を救済することにも成功し、無事に大団円に至りました。
 最終回とその前の回の間にはスケジュール調整の関係で開いちゃった一ヶ月の懸案は、こうして無事に解決されました。

ドラゴン金貨キャンペーンの総括

 今回のキャンペーンでは、強力なマジックアイテムで武装したヴィランも多数でてきました。
 しかし、不思議とそういうヴィランほどダイス目は振るわず轟沈していきました。
 一方で、ティーフリングの女騎士のように、レベルは高くても特別な能力や武装を持っていなかった相手の武人の意地は、破れないはずの装甲を突破し、説得に対しても頑健な鎧となりました。
どんなに強力なマジックアイテムも人の意地には及ばないし、人の世を動かすのは善悪いずれであれ人の営みに他ならない。
シティアドベンチャーの醍醐味は人の意思や営みに触れることにこそある。そして、時には人としての誠を通した言葉こそが、鋭い魔剣や強大な魔法でも拓けぬ道を拓くことになる
 最終戦闘で象徴されたそんな道理を味わえるからこそ、「ドラゴン金貨を追え!」は傑作キャンペーンと評されてるんだろうなあ。
 えいりさんのこの動画でもAにランキングされてるのも納得です。

(ドラゴン金貨の解説は38:15くらいから)

家族の名において、またいつの日にか

 そんなドラゴン金貨の争奪戦も終わり、上記のうちのパラディンはウォーターディープの公開執政官になろうという10年計画を進めてる(というか、てんぐも「あんたのことウォーターディープの導き手キャプテン・ウォーターディープって呼んでいいか」とか煽っちゃったしなあ)し、変幻自在のローグは黒蛇会ゼンタリムの幹部として暗黒街に向かいました。
 竜の転生者たる神童ウィザードは修行の為に語尾の物騒なカナリアと共に新たな冒険の旅へ旅立ち、タバクシーのレンジャーは――これは、後に予定されてるスピンオフシナリオ次第かな。
 てんぐの持ちPCリャン・カイシンはといえば、宿屋においた子供たちを第一期生ザ・ファーストクラス(日本語版タイトルのようにファーストジェネレーションって言った方が通りが良かったかな)としつつ、宿と料理店、そして冒険者ギルドの経営に専念しました。

 NPC組でいえば、妙にイケメンに描かれた自分の肖像画をうちの店に持ち込んだ(多分その後転売されてエドガンの潜入ミッションに使われることになるんだろうなあ)ヴォーロは最後にこの冒険譚をまとめたハードカバー本を持ってきてくれたり、黒杖卿ブラックスタッフヴァジュラもいよいよウォーターディープの政争に乗り出していきそう。
 もちろん、いま話題の組織ハーパーズの一員たるレネーア兄さんも忘れちゃいけません。同僚のセクシーパラディンことゼンクに負けるな!

 ……やはり分が悪いか。

 そして、敵かと思えば味方にもなり、目立つ動きを見せないことで損少なくして最大の利益を最後は得ていった宿無しドラウの頭目ヤーラクスル。ダークエルフ物語の頃と同様に、抜け目なさが憎めなさに通じる、良いヴィランでした。
 ちなみに、てんぐは彼がヒューマンに化けてる時はロバート・ダウニーJrのイメージで見てました。

 ドラゴン金貨の記述によると、ヤーラクスルはソードコースト北部の海賊都市ラスカンをも牛耳っていて、ダガルト・ネヴァレンバー卿と暗闘を繰り広げていたらしいです。
 映画アウトローたちの誇りで魔女ソフィーナに呪われ昏睡してたダガルト侯が失職した時期、あるいはソフィーナの事件後にえらく老け顔になって復権するまでの間、ヤーラクスルは何をしてたんだろうか。というか、てんぐは試写会で「フォージがネヴァーウィンターの領主になった」って聞いた時は「うちのパラディン、今頃大パニックになってないだろうか」と思ったもんでした。

 PCもNPCも、それぞれがそれぞれの人生航路へ船出していく姿も、長期キャンペーンの締めくくりとして描き甲斐のあるシーンです。
 そして、そんな冒険の仲間たちへ、てんぐ=リャンはこう呼びかけました。
「いつでも待ってるぜ、家族の名において、な」

成化十四年の「我幇你、你幇我持ちつ持たれつ」から始まり、家族の名においてのタイトルなど華流エンタメネタも色々使えて、そっち方面でも大満足なキャンペーンでした。

 この場をお借りして、DMと他のPL諸氏に、心からの感謝と尊敬の念を送ります。
 ありがとうございました!

追記:皆さんも やってみようよ ダンドラを

 映画アウトローたちの誇りを見て、実際にTRPGの方のダンドラに興味を持った人も多いんじゃないかなと思う今日この頃です。
 D&D公式では、初心者向け体験会Learn-to-Playを全国で展開しています。

 また、来る5/13~14では、ゲームマーケット2023春にて無料体験イベントも開催されます。

自分でもD&Dを体験してみたくなった、興味がわいてきた、でも実際どうやって遊んでよいかわからない。
 そんな方は、こういうイベントで実際に体験してみてください。
 沼の奥底、異世界ダンジョンの向こう側で、皆さんも参加を心からお待ちしております。

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