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D&Dプレイ日記:「王朝の遺産」プレイレポ~イメージCVは青野武さんで~

 先月から週1回合計3回に渡り、D&D公式シナリオ集レイディアント・シタデル収録の「王朝の遺産」をオンセで遊んでまいりました。

 明清風ファンタジー中華王朝「星」を舞台にした13LVの高レベル帯シナリオ。このシナリオに誘われたときは二つ返事で参加表明したんですが、さてどんな方向のPCを組むか。ここは結構悩みました。

 単純にモンクだとドラゴン金貨のリャン・カイシンがいるし、江湖の剣客タイプのローグ:スワッシュバックラーやバード:剣の楽派も経験済み。
第一、毎度スマートに強いイケメンキャラばかりってのも芸がない。
 このレベル帯ならキャラの方向性でも遊べるはず。
 そう考えた時に頭に閃いたのが、往年の香港映画の傑作、霊幻道士の主演ラム・チェンインでした。

 そんなわけでこしらえたのが、こちらのラムちゃんです。

 都の死者の安寧を守るは、かつて江湖で「命知らずのラムちゃん」と異名をとった名物道士。
 頼りにならぬ弟子のチチンプイプイをお供に連れて、今日も振るうは降魔の銭剣その名も大三元
臨兵闘者 皆陣列前行! オンキリキリオンキリキリ、急急如律令でホイヤッサー!
 今日も都のどこかで、ラム道士の呪文が響く!

 ……えー、コンセプトは、「絶対に原語ではそんなこと言ってないだろという往年の香港映画吹替版のノリでした。
 世代的にもこの時期の香港映画の雰囲気を覚えてる人も多いですし、度が過ぎなければ結構受け入れられやすいんですよね。リャンも割と、アクションやコントなんかではジャッキー・チェン映画を意識したときもありました。
 何より「この人、香港映画の吹替版みたい」って同卓の方にも言ってもらえたのは嬉しかったですね。
 ちなみに、上記の呪文は、実際に<セイクリッド・フレイム>を使用時に唱えました。その甲斐あってか、ダメージも割と走りました。

 今回は初めてのボイスチャット形式でのオンセだったんですが、実際に声に出して掛け合いができたり、パーティ内の細かい相談が円滑にできたりと、普段のテキスト形式ともまた違う楽しみがありました。

 また、今回は同卓の皆さんの中華ネタの趣味や守備範囲も伺えたのが興味深いです。

 サンファンや霹靂布袋戯を意識したウィザード:ブレードシンガー。
 水滸伝にいそうな斧使いモンクや<大業物の使い手>で大剣を振り回すファイター。
 エベロン世界から飛来し中華風文化の中で西遊記の斉天大聖のように新たな呼び名と伝説を得ていくウォーフォージド。

 どのキャラも印象的で勉強になりましたし、何より楽しかったです。

 さて、このシナリオの舞台になった星朝。
 ドワーフ族が皇帝や貴族階級となり、そのもとで内閣大学士を筆頭とした官僚団が統治を行うという、「その発想はなかったな」と刺激を受けるステージでした。

 そんな星朝とはどんな社会なのか。プレイしながら色々と考えてました。

 ドワーフの権門貴顕に対して敬意を払うために、上背の勝るヒューマンなどの他種族はより深く頭を下げることを求められた。そこから叩頭や跪拝という礼法が誕生した。

 ドワーフの寿命は400歳が平均で、ヒューマンとは寿命も時間感覚も大きく違う。そのことから、皇帝は国の象徴として君臨しつつも実際の統治はヒューマンから登用された官僚団(とその政治勢力)によって運営される。必要な人員の確保の必要性と世代交代の早さもあって常に門戸を開かれていることで、最大の人口を有するヒューマン種族の知識人からの不満は軽減されている。 

 星朝皇帝は一君万民思想に基づきヒューマン種族に君臨する専制統治機構の頂点であると同時に、ドワーフ氏族連合の盟主でもある。特に後者の立場は皇帝と言えども軽視できず、ドワーフ貴族が広大な土地を荘園として支配することが黙認されている。

 朝廷と距離を取る在野の異才や武人や義侠の徒の集う領域は、朝廷に君臨するドワーフが伝統として神聖視する「山」とそこから流れる「河」と対をなす存在にあやかり、「江湖」と呼ばれるようになった。

 ざっとこれくらいのアイデアは浮かんできます。

 さて、この「王朝の遺産」。
 もちろん単発シナリオとしても遊んでも楽しいわけですが、戦記物の大長編キャンペーンの序章としても良いでしょう。

瑞兆を受けたる次なる天子は我だ、と立ち上がった群雄たちが各地に割拠の大動乱。そして、その動乱の炎から国と民を守る英雄義士たちの大活劇。

 この記事を読んだD&Dユーザーで、王朝の遺産をこれから遊ぶという方は、三国志演義や隋唐演義といった中華戦記への参入も、選択肢のひとつに加えても良いのではないでしょうか。

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