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「PUSH講習会」を受けました

アルビレックス新潟と横浜FCの試合の前に、デンカビッグスワン内にて胸骨圧迫とAEDの使い方を学ぶ「PUSH講習会」を受けてきました。
これはAEDや救急救命の啓発のため、Jリーグや各クラブなどが実施している「#命つなぐアクション」の活動の一環です。事前にHPから予約をするだけで1時間の講習が受けられます。

AED…私が一番見かけるのは、スタジアムの中です。
あるな~…とは思ってましたが、自分が使える自信はありません。
サッカーファンの端くれとして胸骨圧迫(心臓マッサージ)やAEDといって思い出すのは、2011年に急性心筋梗塞で急逝された松田直樹選手。練習中に突然倒れ、周りは胸骨圧迫などの救命活動を行ったそうです。
若く、健康な方も心臓が突然止まる…遠い存在だった心筋梗塞が、急に身近になった出来事でした。何よりあんなにサッカーが好きな方がこんな急に……当時もショックでしたが、今思い返しても「どうして…」という気持ちになります。松田選手が所属していたマリノスや松本山雅のサポーターは特にそう思うでしょう。

心臓が突然止まった時にできる救命活動、覚えておいて損はありません。
突然目の前の人が倒れて対応できるか?の疑問はありますが、まったくなにも分からないよりはマシです。

いきなり話は変わりますが、私は最近TRPG…テーブルトークRPGの「クトゥルフ神話TRPG」にハマってます。
そのゲームの中で、BLS(一時救命処置、心肺蘇生法)を疑似体験しよう!というものがありました。約30分で終わる、人の命を扱うシナリオです。
私はこのシナリオを読んで、緊急の救命活動の流れを体験できる、良いゲームだと感じました。
また、ゲームを通じてきちんと学びたいと感じ、アルビのPUSH講習会に参加することを決意しました。

要するに、前々から興味はあったけど踏ん切りがつかずにタイミングを逃し続けてきたAED講習会への参加、最後の一押しをくれたのはTRPGというゲームでした。
なかなか面白いシナリオなので、リンクを貼っておきます。
クトゥルフ神話TRPGに馴染みのある方は是非どうぞ。体験してみてください。KPレスじゃないのでKPは必要ですが、1対1のタイマンでできるシナリオです。

クトゥルフ神話TRPG 6版 
#CoCシナリオ #クトゥルフ神話TRPG CoCシナリオ『可惜心命リバイバル』 - 篠田巾着の小説 - pixiv


さて、話を戻すとPUSH講習会です。
当日までに予約をすませ、フォロワーさんと講習を受けます。こういうちょっと特別なことをする時って人を誘いたくなりますよね。もし興味があれば…とお誘いしたら快諾してくれました。

午後の部に間に合うようにデンカビッグスワン内部に入り、予約した名前を告げ、午前の部が終わるまで廊下でのんびり待ってたらすぐです。

部屋では既に胸骨圧迫の練習ができる人型の布?と、固めのハートのクッションが用意されてました。
なるほどこれで胸骨圧迫をするのね~~とハートを触ると…
固い!!!
いやこれけっこ~~頑張らないと沈みこまないぞ!!
えーと確か5センチ沈むくらいしないといけないんだっけ?(ゲーム知識)となるとかなりの筋力が必要になります。今回実際に体験する予定ですが、大変そうです。大変でした。

講習会を受ける全員が集まると、まずはユニークな救急救命士のお兄さんのお話を軽く聞きます。
そのあとは松田直樹選手のお姉さん、松田真紀さんのお話です。
今回のお話を頂いたのは松橋監督(元マリノスコーチ)が新潟にいて、対戦相手の横浜FCにも松田さんの関係者がいた…か、お世話になった方がいたから…という理由だったと思います。あぁ~~(納得)
真紀さんのお話を静かに聞いたあとは、心筋梗塞や救命活動がどんなものかという動画を見ます。動画内容いくつか選べるようでしたが、ここはサッカー系の講習会なので、松田選手のお話を中心に語る動画を見ました。
いやあの構成は泣く。
親族の話聞いたあとに松田選手の動画流すのは辛いよ~~~……
でも全然流れも内容も間違いじゃないです…とてもクリティカルです……
悲しいですが、一歩踏み出そう、という思いに駆られます。
日本で心筋梗塞で亡くなる方はたくさんいて、過去には試合中の観客席でもいらっしゃったそうです。いきなりめっちゃ身近!!!やっぱりスタジアムにAEDがあるのは間違いじゃないんですね。

ざっと動画を見たら、いよいよ手順の流れを確認しながらの実践です。


人が突然倒れたら……

①「大丈夫ですか!?」と声をかける、肩を叩くなどして意識を確認する
大事なことですね。
ここで場所によっては「周囲の安全確認」が必要。
というか意識確認する前に先に周囲確認するんだったかも。
まぁこのへんは目視で数十秒だろうしすぐ確認してもらいましょう。

周囲は安全。応答なし。意識はありません!

②119番と協力要請
この緊急事態に1人で対応するのは難しい。協力者が必要です。
周囲の方に119番への連絡と、AEDを持ってきてもらう事を頼みます。
そのへんの歩いてる人に向かって「119番とAEDをお願いします!」と助けを求める訳です。自分でやるべきでは…と思うかもしれませんが、「私」は今すぐにでも胸骨圧迫をしないといけないので、他の役割は周囲の方にお願いします。あと、この時余裕があれば「そこの眼鏡の人!」とか「そちらの伊藤涼太郎神ユニの人!」と、声をかける対象を特定しても良いらしいです(これは講習会の知識ではなくゲーム知識です)

周りの人が119番への電話とAEDを持ってきてくれそうです!

③呼吸の確認
意識はないと確認はしましたが、呼吸の方はどうでしょう。
ここで、ひきつるような…普段と違う「奇妙な呼吸」をしている場合があります。これは心拍停止した方?(正確には違うけどとにかく突然倒れた人)がたまになる現象らしく、呼吸しているのでは?と思いがちですが、普段の呼吸と違う!と感じたら、結構ヤバいそうです。
また、当然ながらこのような「奇妙な呼吸」をしていない状態もヤバいです。呼吸をしていないのですから。

息をしていない!

④胸骨圧迫(心臓マッサージ)の実施
胸骨圧迫は、動かない心臓に代わって全身の臓器に血液を送り込み、臓器が酸素不足で働かなくなってしまうのを防ぐ救命方法です。
倒れている人の胸の真ん中に手のかかとの部分を重ねてのせ、肘を伸ばしたまま真上から強く(胸が約5センチ程度沈むまで)押します。押した後には瞬時にその力を緩めますが、手が胸の真ん中から離れないよう、ずれないようにします。これを1分間に100~120回の速さで繰り返し続けます。
こう…数字にするとピンときませんが、けっこ~~早いテンポでドっ!ドっ!ドッ!と人の胸を強く押すんですよ。
めっっっっっっちゃ疲れる!!!!!!!!
なんっ……えっ!?今何秒たった!?まだ30秒!?まだ一分たってない!?ひぃ~~~!(絶望)胸骨圧迫を他の人と交代しながらやるのは理にかなってます。めちゃ疲れる!!でもやめるわけにはいきません!!
ちなみに、人工呼吸をするならこのタイミングらしいですが、成人では窒息や溺水など低酸素による心肺停止では人工呼吸が有効な場合もありますが、特に心臓が原因の心肺停止状態では基本的には胸骨圧迫が優先されるそうです。今回は歩いてたら突然倒れたという想定なので人工呼吸はやりませんでした。とにかく胸骨圧迫が大事らしいです。

胸骨圧迫を周囲の人と交代しながら続けると…AEDが届いた!

⑤AEDの使用
AEDのケースを開けると、AED本体と、本体につなぐためのコード付きのパッドが入っています。講習会では本物は使わず、パットを模したカードを使いました。
ガイド音声に従い、服をめくりあげて、その肌(右肩あたりと左わきあたりの2か所)にAEDのパッドを装着します。シールみたいになってます。
パッドを装着すると、AEDが「この患者に電気ショックは必要か否か」ということを判断してくれます。すごい!
必要だと判断されたら、AED本体から『患者から離れて下さい。電気ショックが必要です。ショックボタンを押して下さい』という音声が流れます。
「私」は音声に従い、ショックボタンを押すことになります。
電気ショックが必要なければ、そのまま胸骨圧迫を続けて等の指示が出るそうです。すごい!!
さて、電気ショックです。
言われた通り離れて、ショックボタンを押しましょう。
そのあともAEDの指示に従います。テクノロジー!
周りを協力しながら、救急車を待ちます…!

この文章、7割くらい思い出し書き起こしなので、きちんとしたAEDの使い方が知りたい方は日本心臓財団のこちらのページをご覧ください。きちんと詳しいやり方が書いてあります。

⑥救急車への引継ぎ
馴染みのあるサイレンが響いてます。救急車到着!!
どのような状況で、どんなことがあって、何分たって、どのような処置をしたかを救命士に伝えます。これ冷静に伝える自信ないな!?でもこれ言ってくれると超助かるそうです。がんばろう…。


以上が、胸骨圧迫とAEDを使った救急救命活動の流れです。

これを全然知らん人相手にやる勇気と知識…!!!
一度講習を受けただけじゃちょっと心もとないです。実際、何回受けてもいいですよ!と歓迎の姿勢でした。人間忘れちゃう生き物ですからね。私も「可惜心命リバイバル」を何度も回して頭に叩き込まないと…。

講習会では、隣の人と協力して胸骨圧迫をやったり、実際に声を出して協力要請をしたり「実際に動く」行動が追加されて、いい経験になりました。
何より胸骨圧迫!!きつそうだなと思ってたけど本当にキツイ!!!体験してよかったです。あれには思い切りとパワーが必要でしょう。
講習を受けた最後には、プッシュプロジェクトというカードを頂きました。講習会に参加した人が貰えるものらしいです。
これすっごく良いなって思ったのは、救急救命活動の一連の流れが簡単に書いてあること!スペース小さいから本当に簡潔なんだけど超助かります。名刺サイズなのでいつも持ち歩いてる財布に入れておきました。

講習会を開いてくださった関係者の皆さん、機会をくれたアルビレックス新潟、お話をしてくださった松井真紀さん、一緒に救命活動をしてくださった隣の方、そして私のお誘いに快諾して参加してくれたフォロワーさん、ありがとうございました!!!本当に良い経験になりました!

PUSH講習会、次の機会があれば、まだ受けてないアルビサポの皆さんも受けてみてください。1時間ちょっとで体験できますよ!


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