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COVID-19療養録

 タイトルの通り、COVID-19陽性と診断された。つい先日まで地獄のような苦しみを味わい、昨日(2023/3/9)の途中からようやく人間性を少し保つ余裕が出てきた。いまだに咳はけっこう出るわけだが……

 COVID-19が世界を変えてから3年以上経ち、筆者は運よく今まで苦しむことがないままやってきた(無症状はあったかもしれない)。
この感染症の恐ろしさはもう散々見聞きしてきたし、なんならつい先日は筆者の親族が複数回目の感染がトリガーとなり病院へかつぎ込まれて、一時はあわや生命の危機……というところまで追い詰められていた(現在は完治。高齢なのにとんでもないタフさである)。

 5月にCOVID-19が2類感染症から5類感染症に変更される世相の中、筆者はできればこんなクソ感染症には一生無縁でいたい、ワクチン接種をいくらしてても絶対ごめんだと思っていた。しかし、土曜日(2023/3/4)の朝に鳴った電話からすべてが始まった。

1.母の異変(Day 0)

 朝起きて、枕元に置いてた携帯電話がいきなり震えだしたので何やと思ったら母からだった。普段こんな事は絶対ないので『ん……?』と思って出たら、『喉が痛い』と言い出す。アッ……とちいかわみたいな気持ちになり、これはヤバい、どうしよか、あれこれ準備せな……と思いながら外出。筆者は普段外でぼっちの際はまず喋らないし顔やマスクの外側は一切触れず、手は不必要にガンガン洗っているので、まあそんな簡単に感染してこんやろと思ってはいたが、今思えば既に遅かったわけである。

 前日にあれこれあって風呂に入れなかったので銭湯に行き、メシを食い帰宅(本来ここまで全部アウト行為である)したが、もしかすると今後しばらく買い物は無理、今後必要そうなものも何とかしないととなり、近所のスーパーで買える限りのエネルギーゼリー、のど飴、インスタントスープ(これは不要だった)、アイス、喉系の薬などを買い込み帰宅。同時に愛知県のコロナ関連ページを見ながら一日が終わった。

2.はじまり(Day 1)

 起きたら喉が痛かった。しかしまだ症状は軽く、熱も大してなかったが『ついに来たか……』と天を仰ぐしかない気持ちになる。とりあえず診断をどうにかせなと思うも、日曜日ではどうにもならんと思い諦める(後で調べると、今やオンライン診療も当たり前の世の中になってることに気づく)。 この日はまだヘラヘラTwitterをやっている余裕があったが、これはまだほんの序章にすぎなかった。

3.本格化の予兆(Day 2)

 熱が出始める。寒気もあり、このあたりになると『オッ感染症っぽくなってきやがった』という感じがひしひしとする。このあたりで母は、咳の出すぎ等で喉が破壊されて声が全然出なくなっていた。
 さすがに平日になったので、県の対策ページを見ながら近所の検査してくれるクリニックに母を連れていく。ほとんどのクリニックは発熱外来の時間をキッチリ決めており、当日予約など行けるのかと思ったが運よくなんとかなった。行ったクリニックは車の停車場所も完全に分けており、母はクリニックの本来の入口とは別の場所から診察場所に連れていかれ、無事?陽性判定をもらっていた。やっぱり……筆者も間違いないだろうと確信した。筆者はここで失敗したのだが、せっかく行ったんだから自分の分も予約しとくべきだったのに、オンライン診療を別に予約したからという理由でやらなかったのだ。理由は後述するがコレは明確な失敗だった。
 なおそのオンライン診療は同日の夜に受けたが、聞いている症状から薬が処方される(後日宅配で到着)だけで、あんたは陽性っていう判定は当然出なかったし、同じ愛知県のクリニックのはずなのに、『抗原検査キットで陽性出たら県の陽性者登録センターに登録してもらって~(今この運用はしていない)』などと言いだし、愛知県での陽性者登録が今どう運用されてるかを理解していなかった。
 愛知県はCOVID-19陽性になると、自宅療養に関するサービスが無料で受けられる。例えば配食サービス(一家全滅で買い物できないなどの事情があればインスタント食品詰め合わせか、弁当が配食される。もちろん無料)やパルスオキシメーター無料貸し出しなどがあり、これにはクリニックから陽性者に渡される愛知県のペラ紙(『新型コロナウイルス感染症の陽性診断を受けた方へ』)に書いてあるIDとパスワード、あと陽性判定を受けた日とその検査場所が必要である。当たり前だがオンライン診療ではこの紙は出ない。

4.地獄の到来(Day 3)

 朝の時点から声がまるで出ない。喉が破滅的に痛い、咳が無限に出る上に痰は全然出せないという地獄の始まりだった。唾液を飲み込むのも拷問級に痛く、咳をしても痰が出にくく、熱もまあまあ出てくるなど悲惨な状況で、前日(オンライン診療)のこともあり、今すぐクリニックに検査行かねばとなって電話。運よく発熱外来の空き枠を掴んで車で向かうことに。 
 自分が行ったクリニックは母と別のところで、建物に入ることすらなく車内で検査を受け、聴診器を当てられ、パルスオキシメーターで血中酸素飽和度を測るという完全ドライブスルー方式だった。当然結果の聴取や決済、書類の受取もほぼ車に乗ったままで終了。いい時代である。
 そして、この日から2日ほど夜まったく眠れなくなった。いくら目をつぶっても眠気が全くやってこないのである。発熱や咳、喉の痛みなどのせいというのが多分にあると思うし、こんな状況なので風呂も入れないのも一因だと思うが、これだけ朝が来るのが待ち遠しい状況はなかった。

5.続く苦しみ(Day 4)

 症状は全く変化がなく、もう唾液すらも苦痛なので適当なゴミ袋に紙ウエスを敷き、そこに吐き出す頻度が増える。午前中にオンライン診療で処方された薬(解熱、うがい薬、喉、痰)が来てこれで少しは楽になるか……と思うも実際は熱以外なかなか楽にならず、COVID-19はそう簡単に許してくれないことを実感する。唯一救いなのは母がこの日あたりから症状が楽になり始めたようで、特に喉の痛みがかなり軽くなったという話があった。
 なおこの日の夜も全然寝られず、夜中はひたすらYouTubeでプロ野球OBの動画を観て時間を潰すしかなかった。動画チョイスの理由は不明。

6.快方へのきざし(Day 5)

 午前中までは前日とほぼ変わらず、これもし来週までこのままだったら入院もワンチャンあるんでは……と不安になる。しかし、既にかなり症状が軽くなっていた母が昼に作ってくれたコンソメスープ(キャベツがやたら多い)を『お前こんな量食えるか』って思いながら食べたら大量の汗が出て、そのおかげなのか別の要因なのか、そのあたりから喉の痛みが大分軽くなったし(多少痛みは残る)、家のワークチェアでリクライニングしてる余裕も出てきた。ようやくこれでかなり気が楽になった印象。咳は相変わらず出るとはいえ、薬の影響か痰はかなり出やすくなったし、熱もかなりおさまってきたので希望が見えてきた感がある。
 しかし夜は薬が切れたからか、咳が相変わらず出るのであまり寝られず(完徹は免れた)、起きている時間はYouTubeで中日OBの某キャッチャー某監督にメチャクチャ鉄拳制裁を受けていた話をひたすら見ていた。

7.人間性回復(Day 6)

 咳以外はだいぶん楽になる。あれだけ唾液を飲み込むのも拷問だった喉も多少痛い程度になり、解熱剤を飲まずとも熱も全然なくなった。咳だけはあいかわらず出るのでやや鬱陶しいが、前に比べれば痛みも極めて少なく、これで人間性を少し取り戻せた。まだ全然完治ではないし、やや味覚が不完全ではあるが、あれだけつらく苦しかった時期からすれば雲泥の差である。

8.備蓄しておきたいもの

・大量のエネルギー系ゼリー(喉が死ぬとメシを食う気力が失せるため)
・解熱鎮痛剤
・味の濃いもの(レトルトカレー、スープパスタ等)
・パックごはん(筆者は家に大量にあった)
・はちみつ系のどあめ(喉には多少マシかも)
・アズレンのどスプレー系(医者の処方でも出るアズレンスルホン酸ナトリウム使用のやつ)
・アイスクリーム(気分の問題)
・大量の水ペットボトル(筆者はこれも家に大量にあった)
・次亜塩素酸水かパストリーゼ77(消毒用)
・ビニール手袋(同居人がいれば)
・体外診断用抗原検査キット
・現金(カード非対応のクリニック向け)
・体力、気力

 これらとは別に、事前に一番近い診療検査医療機関を見つけておく方がよい。仮に症状が長引いたり後遺症があったりした際の相談先にもなる。

9.不要だったもの

・龍角散ダイレクト トローチ、のどの痛み用市販薬(効果がまるでなかった)
・カップスープ(配食サービスで事足りた)

10.まとめ

 ワクチン接種の副反応がボーナスゲームに思えるくらい、まさしく地獄の日々であった。二度と体験したくない。

11.追記1(20230311)

 追記。

・県のサービスで送られてきた食事

 ゆうパックで送られてくる。感染者ひとりにつき1回使える(長引いた場合は別途延長もありえる)ので、我が家のように一家全滅の場合は陽性者分申し込める(一応、真にやむを得ない事情がある場合のみ)。ペットボトルのお茶が緑茶だったのはどうかと思ったが(ノンカフェインの方がよくね?)、かといって麦茶ではティーバッグの方と被っちゃうからか。

12.追記2(20230318)

 2023/3/15頃から日中に出る咳の頻度がかなり少なくなり、痰についてもこのあたりでほぼ出なくなった。そして3/17頃には大体治ったように思われた。ただ、朝起きた直後はそこそこの頻度で咳が出ることがあり、COVID-19の爪痕は自分の想像以上に深いようである。体力の低下はそれほど感じないが、これは単に気のせいかもしれない。

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