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プライマリ・ケアをめざす医学生・初期研修医におすすめの参考書

学生時代の私は、年々難しくなっていく医師国家試験の勉強にあがいたものでした。机を並べて隣で参考書類を開き、私の及びもつかない内容を討論している同級生を、尊敬と羨望のまなざしで見ていました。ことによっては、参考書の著者が所属する医療機関(例:「京都ER」の洛和会音羽病院)に、学外実習枠を使って自分の力で実習をとりつけた同級生もいて、心から尊敬していました。

「教科書が・・・買えない!!」

医学に限らず、専門的な教科書は高いもの(特に理系)。わずかな仕送りと奨学金で生活していた私は、教科書を買う小遣いがありませんでした。また、医師免許をとった先にどうすべきか、その情報も皆無。

「将来のために必要な情報を、コスパのよい方法で集めたい!!」

と、思い続けていました。

駆け出しの医師に必要な情報を、最強コスパで得るためには、本を注意深く選んだうえ、優先順位をつけ、最も安い値段(古本なら割安、図書館から借用すれば無料)でゲットするのが近道です。

そして、本選びについて。最近のOSCE(実技試験)や医師国家試験は、プライマリ・ケアに準じた出題形態をとっています。必然的に、医学部高学年から初期研修医にかけての参考書群は、プライマリ・ケアや総合診療でも使えるものが多いです。プライマリ・ケアの普遍的さが、「広く浅い」全科ローテートに準ずる医学生・初期研修医のカリキュラムと親和性があるからでしょう。

また、ここ十数年で、参考書のわかりやすさが飛躍的に向上しました。指導医が多忙である現代、わかりやすい参考書は学生・初期研修医の強い味方になっています。これらのリソースをフルに活用して、悔いのない学生・研修医生活を送っていただくことを切に願います。

このブログでは、従来の「◯◯科」という分類よりは、患者さんの実際の受診の流れに沿って切り分けています。言い換えると、第1編から始まる順序は、初期研修医にとっての情報の優先順位を反映しています。

※ 基本的には初期研修医の目線から記載します。学生目線だと、もちろん目下の試験が最優先であることは当然のことです。しかし、やはり on-the-job で学ぶ初期研修医の現場感覚には筆舌に尽くしがたいものがあります。学生の方には、将来の自分をイメージするための教材として使ったり、興味ある専門科にアプローチするための礎石にしていただきたいと思います。いずれにせよ、本稿の記載内容を学生のうちから把握しておいて、損はありません。
※ ベースは、東京医科歯科大学卒業の布施田泰之先生のブログです。私は、布施田先生の示してくださった路線を守りながら、併せて自分でつかんできた書籍をアップしていきます。(最終更新:2020年7月15日)


リンク先
第1編-1. 初期研修医 参考書はじめの一歩(1)(OSCE対応)
第1編-2. 初期研修医 参考書はじめの一歩(2)(OSCE対応)
第1編-3. 初期研修医 参考書はじめの一歩(3)(OSCE対応)


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