見出し画像

スパイ・ゲーム

あらすじ


なかなか複雑なロジックだった。
全体の話の流れは、トム・ビショップという若いスパイが香港にて、逮捕される。それを、香港大使館にて連絡を受けたネイサン・ミュアーが知る。当然、アメリカ本土にてもその情報は流れており、CIAの本部ではこの議題に関して、持ちきりになる。そして、今回のトムによるスパイ行為は、トム自身の個人的な作戦であったことと、中国との首脳会談がもうすぐに控えているために、救出は難しいという話で議題が進む。しかし、ネイサンにとってトムは手塩にかけた部下であり、簡単に捨てられる部下ではないのだ。そこからは、ネイサンとトムのエピソードと現在の二つの時間軸で物語が展開されていく。

ネイサンは彼がボーイスカウトから成り上がった身分であるという境遇から成果を上げているのを見て、直接スカウトした。彼をスカウトした後に、トムはベルリンに駐屯を任される。ベルリンにいる中で、東ドイツに逃げることを懇願する男が、作戦の途中で見殺しにする事件が起きる。スパイという性質上仕方がないことでありながらも、トムは人を見殺しにする所業に対して、良心が痛む。
その後に、トムは徐々にネイサンによって、スパイとしての薫陶を受けていく中で、ベイルートにてマフィアのボスを暗殺する作戦に参加する。マフィアのボスを暗殺するために、彼はまず戦場カメラマンに扮し、マフィアの主治医に接近する。マフィアの主治医に接近し、主治医の両親はボスによって殺害されたという捏造した事実を突きつける。それによって、主治医の殺害の動機とトム側の利害が一致するために、マフィア殺害を計画する。また、主治医はベイルートの難民キャンプの医師もやっていた。そして、その繋がりで、彼女と出会う。彼女は、難民のキャンプに医療物資を届けることを、自分自身が起こしていた爆発事故の贖罪のために行なっていた。そんな彼女に、トムは一目惚れしていた。そんな彼女にゾッコンのトムに対して、ネイサンは警告した。スパイとしての責務を果たすべきであるにも関わらず、政治的に中立と名乗っていながら、実際は反イスラエル(ヒズボラ)と協力している関係をもつ彼女を警戒してのことだった。
この時系列と並行して、マフィアのボスの殺害計画は着々と進む。例の如く、主治医によって毒殺を試みることの保険として、義勇軍による自爆テロを予備として用意した。今回のボスの暗殺は、近日中に行われる、マフィアによる攻撃を阻止するために期限厳守の作戦であった。そして、作戦当日となる。しかし、難民キャンプは攻撃を受けており、主治医は既定の場所にいなかった。そのため、時間に大幅なロスをもたらしていた。トムは、無関係な人の無駄死を避けるために義勇兵による暗殺ではなく、主治医の毒殺を希望していた。ところが、時間が待ったなしという状況となったために、ネイサンは義勇兵の出動を命令する。そして、並行してこういった命令が降っていることを知らないトムは、主治医を率いてボスのいる場所まで到達した。ところが、義勇兵とほとんど同時のタイミングとなってしまったために、義勇兵の自爆テロ作戦は決行された。そして、主治医は運悪く巻き添えとなり、亡くなった。
この作戦により、仁義を重んじるトムはネイサンの手法に納得がいかなくなり、ネイサンの元を離れる。

そして、時系列は現代に戻る。ネイサンは、このままではトムが処刑されてしまうことになってしまうことを避けるために。最善を尽くす。その中で、ネイサンは香港の一部を停電し、救出するというCIAの作戦を偽造する。その作戦は、アメリカにとっては諦めて欲しい案件であるために、問い詰められる。しかし、ネイサンは株を全て売り払い全財産をかけて、停電する作戦を決行する作戦を実行すると同時に、バレないように偽のリゾート計画を立ててフェイクを作っておく。そのおかげで、ネイサンの作戦は決行される。

そして、ようやくここで、彼女がなぜ中国にて投獄されているのか、そしてなぜトムは潜入しているのかが明かされる。彼女はネイサンによって、トムとの関係が安保上の問題になるとして香港に投獄した。白人が中国にて投獄されることは珍しく、そのことをいつの日か耳にしたトムは、これまでの自分のスパイ能力を活かして、彼女を救出することを試みていた。ネイサンは、トムがこれほどまでに彼女を愛しているということを完全に読み間違えていた。

最後には、彼女とトムは、ネイサンが立てた「ディナー決行作戦」という名前の作戦により、救出される。トムはこの作戦の名前を耳にして、それがネイサンによって計画実行されたものだと知り、涙する。

感想

この作品の面白いポイントは、

  • 一つ目は複雑なロジックによって成立する道中の作戦

  • 水面化の問題の裏側にあるこれまでも過去

  • トムとネイサンの仁義によって結ばれた関係性

  • スパイという職業のスリル感

スパイゲーム見ました。 普段は物事の合理性を追求する主人公が、義理で処刑間近の育てた部下を自分一人で助けるお話。

話のロジックが細かいのが高度で面白い一方、表情やセリフの文脈が難しくて意図が捉えきれないところがままある。

見どころは、主人公の圧倒的なスキルで上手く困難を切り抜けていくところがかなぁ。

星:⭐️⭐️⭐️

この記事が参加している募集

#映画感想文

68,192件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?